母軍団 VS 塗装工H,映画『17歳の風景 少年は何を見たのか』公開記念トークイベント |
早朝、母は体操に行く。 前回もそうだったが、前々回2階の私のベッドで寝たらダニに刺されたので、母の部屋で布団を並べて寝た。 その方が安心なのだろうが、早く起こされるので困る。
朝ご飯を食べて風呂に入っている間にT叔父が来て、鳩ヶ谷のK叔父は自転車で登場。 塗装工Hの留守電メッセージを聞いてもらう。 母と5月21日に喧嘩して以来のT叔父に経緯を説明したり、塗装工Hの仕事を見せたり、テープレコーダの準備など。
私は二人の叔父が来たらバトンタッチで仕事に行こうと思っていたのだが、そうもいかなくなる。 K叔父に母と一緒に住めとか、暫く泊まり込めとか言われて困惑。
段取りを何度も確認。相手は70歳過ぎだが職業柄2階から侵入することなど容易だから、家中の施錠チェック。 K叔父は3回泥棒に入られたことで、防犯及び防犯グッズの知識がかなり蓄積されたらしい。あれこれ指導される。 「うん、はい」と言いながらほとんど放心状態の母。私たち3人が話していると眠ったりしている。
11時半前に出前蕎麦を注文。T叔父は「終わってからでいいよ」と言ったが「腹が減っては戦はできぬ、でしょう」と私。 すぐ近くの店なのになかなか届かない。私はイライラして「もう一回電話してよ」と何度も言う。嫌がる母。
やっと蕎麦が届き、ゴワゴワに固まった蕎麦をすすり始めたら塗装工Hの車が来る。 13時と言っていたのに、まだ12時過ぎたところ。
庭の窓から入って来ようとする。玄関に回れと言ってインターホン越しに 「まだ12時だし、もう話すことは無いから帰って下さい」 と母と私が交互に言う。「帰らねえよ。警察でもなんでも呼びやがれ」と塗装工H。K叔父が新座警察に電話。
警察を待つ間に、残ったのび切った蕎麦を食べる。 塗装工Hは庭を歩き回って誰かに電話したり庭の窓越しに「奥さんよぉ」などと声をかけてくる。 「出てって下さい。外に出て下さい」と私。 「やだよ。警察呼べよ」 「今すぐ敷地から出て下さい。出てって!入ってこないで!」 と何度も叫ぶと母が 「もう止めなさい」。 って証拠集めの一つだから騒いだ方がいいと思ったのだが。
30分経っても新座警察が来ない。110番にT叔父が電話。同時にパトカーが来る。出て行くK叔父。
テープレコーダーを準備して、玄関で警察官の一人に母が事情説明。領収書など見せる。 警察が玄関を出て、外にいるHに話しに行く。K叔父ともう一人の警察官と4人で話している様子を窓越しに窺う。
近所の人が出てくる。「あんなところで話されたら、まる聞こえだわ」と母。 「いいんだよ、近所の人にも知ってもらった方が」と私。
「納得がいかねえ」などと言っていたHだが、警察官に叱られたりなだめられて、二度と来ないし電話もしない、と約束して帰る。
13時半、一件落着。汗だくの新座警察署日向さんは、ちゃんと仕事をしてくれたと思う。 外でHに張り付いていた交番勤務の警察官も、この暑い中、ご苦労であった。 しかし電話してから到着まで30分もかかるとは。 「どこどこで裸の男が歩いてるとか、どこどこで万引きとか、重なっちゃったんで」とのこと。
先日Hは母の車を運転して近所の家のブロック塀と車を壊している。 保険が効くので損害はないが、今となってはそれも、わざとじゃないかと思う。母は否定しているが。 一箇所塗り残しがあるのも、わざとだ。 「仕事はよくやってくれた」と言う母に「まだ言ってるよ!」と叔父二人。
「だいたい知らない人に頼むかね」とT叔父。T叔父は飲み屋でも知らない人とは話さないらしい。 まあ私も知らない男にナンパされてついていくので、その点では母を責められない。 しかし私は「私は人を見る目がある!絶対間違いない!」などとは思わない。
母には「今までこんなことは無かったんでしょ?こんなトラブルは初めてなんでしょ。それはお母さんがしっかりしているからでも人格が素晴らしいからでもなく、たまたま運が良かっただけ」と言っておく。 今度のことだって、別に母が悪いことをしたわけではない。落ち込む必要はない。愚かさを思い知れば良いのでは。
実家を出て駅に向かう途中、Hらしき人物が運転する小さなトラックとすれ違って、慌てて母に電話。 多分見間違いだが、私もビビッているのかも。母はもっと怖いだろう。大丈夫か?
一度家に帰って会社で2時間ほど仕事。予定が大幅に狂ったが、なんとかする。
映画『17歳の風景 少年は何を見たのか』の公開記念トークイベントに宮崎学さんが出るというので『ポレポレ東中野』。
宮崎さんに、母対塗装工の件でお礼。「もう大丈夫です」と報告。全く煩わしい事で大変申し訳ない。
トークは監督若松孝二さんと宮崎さん。宮崎さんが 「大都市郊外の新興住宅に干してあるパンティーはセクシー、下町の物干しに吊られているパンティーはセクシーではない、と言っている人がいた」 と、何度も「パンティー」と言うのが可笑しかった。 最近あまり聞かない言葉「パンティー」。宮崎さんの口から出る単語としてもかなりレアな印象。
映画は、激しくつまらなかった。 口呼吸でひたすら自転車をこぐ主人公はほとんどしゃべらない。 代わりに交わされる周りの人の会話に全くリアリティがない。 音楽が「2000年の17歳」ではない。この音楽では自転車をこぎ続けることはできないだろう。 映画を見続けるのもつらい。 彼の部屋も小学生みたい。本当にこうだったのか?
宮崎さんは「自分たちの17歳と今の17歳とは違い過ぎる。共感なんてできない」と言っていた。 監督も共感できるとは思っていないのだろうが「17歳」だと思って見ているものが全く「17歳」ではないような気がした。
『檸檬屋新宿』常連の人から、急用ができて行けなくなったのでトークの内容を教えてほしいとメールあり。
「21日パーティーに来て下さいますならば!」
と返信。
> うーん、それは何とも。難問ですよ。考えます。
ですと。トークショウには触れず
「私はあの映画全く駄目!(略)退屈で参りました」
と返す。
母はパーティーの受付どころではないので、急遽ささきもと子さんに「ヘルプ!」コール。 もと子さんはバッグデザイナーとして皆に紹介したかったのでスタッフをお願いするのは申し訳ないと思ったが、「お母さん、大変だね」と心配して、手伝ってくれることになる。 ううう、ありがとうございます。
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2005年08月20日(土)
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