第17回池袋演劇祭前夜祭,『隠れ野』,新座泊


 早朝起きて『太古八』にお礼状やらメールやら日記やら。

 14:00出勤。22日納品の仕事があるというのに今日は少ししか働いていないが、明日頑張れば何とかなるだろう。

 豊島区民センターにて18:00から始まっている第17回池袋演劇祭前夜祭。
参加劇団による「予告編・CM大会」に19時ごろ着いて、後半を見る。
私と母は演劇祭の審査員。終了後多分『としまテレビ』のインタヴューを受ける。
学園祭のような雰囲気にちょっと不安を感じつつ「華麗でゴージャスな舞台を期待してます」とコメント。

20時からの懇親会では演劇人と交流して、21日のパーティーに誘おうと思っていたのだが、それどころではない。
ぎゅうぎゅうの会場、ワインは食品売り場の試飲会みたいなちっちゃなカップに注がれ、あちこちで人に当たって零れる。
料理に期待などしていないが、予想により遥かに酷い。
「出ようか」と母が言って、誰とも全く懇親せずに会場を後にする。

 母は塗装工H氏問題ですっかり意気消沈。「今日あんたのところに泊めてくれない?」と言う。
「困るよ。明日も仕事だし、パーティーの準備とかいろいろやらなきゃいけないことがあるから」

 母が「絶対に許さない」と言っていたT叔父から

> トラブルがあったようだね。電話下さい。

とメール。電話をしてT叔父のところに泊まれるか聞いてみる。
「いいけどさ、喧嘩してるし頼まれてもいないのに、なんだよな」。
そりゃそうだ。

 『隠れ野』でビール。母は全く食欲が無いらしく、私一人食べる。
塗装工H氏問題の経緯を聞く。工事が終わって支払も全て済んでいるのに、30万円立替があるとか言っているらしい。
夜中に訪ねて来たり、人を連れて来て話すとか言われて怖くなった母。
「なんだよ、『絶対大丈夫!』とか言ってて、全然駄目じゃん」
「そうね」
「浮かれ過ぎだよ。みんな『気をつけろ』って言ってたじゃん」
「親しくし過ぎたわね」

母はK叔父に警察に連絡しろと言われたのだが、抵抗があるらしい。警察は民事不介入と言うだろう。
T叔父も警察か弁護士、或いは週明けに消費者センターに相談しろと言う。
「でも、Hさんは『警察なんか恐くない』っていつも言ってるし」と母。

超多忙なのはわかっているが、宮崎学さんに「警察に頼らない方がいいでしょうか?」と相談。アドバイスを頂く。
宮崎さんに相談しておいて、私は母を一人で帰すわけにはいかない。今日は私が新座に泊まりに行くことにする。

T叔父は近くに住んでいるんだし、心配してるんだからこれをきっかけに仲直りしなさい、と母に言う。嫌がる母。

「あんたとTと一緒になってYさん(母の夫、私の父親)の悪口を言うのが許せない」
「悪口じゃなくて、真実ですから。私はT叔父さんは謝る必要ないと思う。むしろお母さんが謝るべき。お母さんは威張り過ぎだよ」
「そんなことない。Tは私に甘えている」
「甘えているのはお母さんだよ!T叔父さんには文句と命令ばっかり。酷いよ」
「Tは人の事馬鹿にして自分は偉いと思ってる」
「あのねえ!それ、お母さんだよ!あなたの事ですから!全然自分がわかってないじゃん!」
「そうかしら…」と首をひねる母。
「今回相談に行ったKさんのことだって『人間として冷たい』とか非難してたじゃない。そんなこと言っといてよくも助けを求めに行けるね。でも心配して親切にしてくれてるじゃない。家族だからでしょう」
「家族だから言うのよ」
「家族じゃなくても『あの馬鹿!』とか『あの人はこう、私は間違ってない!』て言ってるじゃない」
「本人には言わないわよ」
「人はそれを聞いてどう思うと思う?『ああ、この人は自分の事も他でこんな風に言ってるんだろうな』って思うんだよ」
「そうね」
「人のことをいう時は『自分はどうなんだ』って考えるべきだよ。私だってお母さんの醜い面を自分も受け継いでると思う。
お母さんは私を『冷たい』『潤いがない』って言うけど、人は自分の鏡って言うでしょ。お母さんにもそういうところがあるから、私を見てそう感じるんだよ」
「そうね」

どっかり落ち込んでいる母に可哀想だが、言わせてもらう。多分母はこの会話を忘れるであろう。
再び元気になった時は「私はそんなこと言わない!」となるに違いない。

 新座の実家に着く。待ち伏せはされていなかったが、留守電が9件。塗装工H氏のメッセージが4件。
「体の調子が悪いって人が遅くまで遊んで歩ってんじゃねえか。切れちゃうぜ、ホントに」とか
「居留守を使うのかよ。明日お前さんにもらったものを…近所中にでっかい声で怒鳴る。俺にそうさせるのは、お前だ」とか。

これは脅迫電話じゃないか。私が110番。「今から行きますか?」と言われるが「とりあえず今は大丈夫です」。

新座警察から電話。母が出る。「『殺す』って言われたんですか?」とか「今殺されそうなんですか?」などと言われて「いえ、そういうことはないです」と答える母。
「お金のトラブルなら話し合って解決して下さい」というようなことを言われて引き下がる母。

宮崎さんから電話。
「話し合いの最中に殺されたらどうすんだ?」
「…そうですね。警察に立ち会ってもらった方がいいですか?立ち会ってくれるんですかね」
「立ち会わせなさい。んなもな働かせな」
「そうですね」

母はもう恐怖でパニック。私が新座警察に電話。
「明日13時にHが恐い人を連れて来るって言ってるんで、来て下さい」
「話し合ったらいいじゃないですか」
「話し合いたくないんです」
「お金の話なんでしょ」
「いや、お金の話じゃなくて脅されてるって話です。命の問題。人と一緒に来るって言ってるし、暴力団かもしれない。武器も持ってるかもしれないんで、恐いんで、来て下さい」
「話し合いはしたくないって、連絡されたらどうですか?」
「できません。連絡したくないんです。脅されてるんですから」
「来て、話し合って、それで警察官はどうするんですか?」
「話し合いたくないんです。暴力を振るわれるかもしれないんだから。違法行為があったらすぐ逮捕してください」
「違法行為があればね。で、なければどうするの?」
「どうするかは警察の仕事として判断して下さい。殺されるかもしれないんです。市民の命を守って下さい。」
「『殺す』って言われたんですか?」
「今は言ってません。それから呼んだんじゃ遅いでしょ」
「行って、待ってるんですか?」
「とにかく、相手が来たら連絡しますから、すぐに来て下さい!」
「はい」
この警察官、佐々木と名乗った。やる気なし。

疲れ果てた母は寝る。私はテレビを見て、3時ごろ寝る。
2005年08月19日(金)

抱茎亭日乗 / エムサク

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