映画『バス174』,『MILLIBAR』,『STARBUCKS COFFEE』


 2005年も半分終わってしまったが、私は細々消費する日々。
この平和で怠惰な楽しいけれど退屈な日常はいつまで続くのやら。

 映画の日で『バス174』を『ライズX』にて見る。
この映画館は初めてで、狭い螺旋階段を登った2階の一番奥の席で鑑賞。
火災が起きたらどうなるのかと、不安になる作りだ。元クラブとかバーとかだったのか?

映画はかなり衝撃的。バスジャック事件の中継は佐賀の少年バスジャック事件を思い出させるが、日本とブラジルでは事件そのものも犯人も社会背景もマスコミも全然違う。

日本の代用監獄制度の酷さとか、刑務所の待遇などブラジルに比べたら楽園ではないのか?
ストリート・チルドレンを殺す警察を歓迎・応援し殺害依頼する市民って、本当なのか。
日本の警察不祥事がなんとも可愛らしく思えてしまうほど。
若年層の刑務所を含む犯罪者施設収容者6万5千人のうち5歳以下が1割って!

 『MILLIBAR』でブラジル好きのG君に『バス174』の報告。I君の話。

22時半近くにI君を誘って、もう無理だろうから帰ろうと思った24時頃、I君登場。
もともと口数は少ない方だが、お疲れの様子でいつもより更に静か。

家出した妻Tとの話、仕事の話。
I君は多くを語らないので、私が言いたかったことを言い「聞いてる?」「うん」「なんとか言ってよ」「……」の繰り返し。

「Tの前で泣いたことある?」
「ない」
「泣け。I君は泣きたい気分じゃないの?二人とも素直に感情さらけ出してもいいんじゃないの」
「どうして突っ込むの?」
「友達だから。心配だから。TはI君の前で泣いたことある?」
「ある。ホームシックで」
「なんて言ってあげたの?」
「『帰れば』って言った」
「『俺がいるじゃないか』ぐらい言ってよ。」
「頭が働かない。話についていけないよ」
と言ってカウンターに突っ伏して寝るI君。24:55。おいー!終電なくなった時間に寝始めるかよ。

一人で飲む。I君がちょっと口をつけただけのウオッカも飲んでやる。
隣の席に映画配給会社の人がいて、挨拶。
清野さんからお互いの噂を聞いていたが、来店時間帯が違うので初対面だった。

I君が目を覚まして、店を出る。私は払うと言ったのだが、I君がご馳走してくれる。

 「茶しない?」とI君。可哀想なので『STARBUCKS COFFEE』は私が払う。
目が覚めたI君は映画『CHARON(カロン)』の話から、カロンと冥王星、月と地球は惑星と衛星ではなく2重惑星なのでは、と言われているとか星博士ぶりを発揮するトーク。
何年も前、小金井公園で天体観測デートをしたのを思い出す。

 代々木八幡の駅を越えるところまで歩いて、タクシー。
途中で車を降りたI君が池袋までのタクシー代も渡してくれる。
「ボーナスが出たからいいんだよ」とI君は言うが、呼び出したのは悪かったような気がしてしまう。

星の知識は語れても、自分の気持ちは語れない、男はつらいね。
I君は話すよりもメールの方が考える時間があっていいと言う。
私はイライラするけれど、I君が言いたいこと、聞きたいことがあるならメールでいくらでも付き合おう。
2005年07月01日(金)

抱茎亭日乗 / エムサク

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