TBS『赤い疑惑』,木村タカヒロ展 in 『ちめんかのや』


 再放送で『赤い疑惑』第2話を見る。感動は浅くても、涙もろい私は泣ける。
不治の病ものでいつも感じるのは「私もうすぐ死ぬのね?」「若いあの子が死ななければならないなんて」と大騒ぎするのだが、誰も「皆死ぬから」とか「子の薄命を嘆く親も明日死ぬかもしれない」とは言わない。
ドラマにならないから?でも普通に話すと思うが。

 出版社Mのしのづかさんが「池袋だよね?沼袋って近くでしょ」と言って教えてくれた木村タカヒロさんの個展を見に沼袋のバー&ギャラリー『ちめんかのや』。

ギャラリーでいろんな音楽の演奏を聞きながらの公開制作をするとのことで、本日は中東の弦楽器ウード奏者常味裕司さんとのセッション。

着いた時には始まっていた。
木村タカヒロさんは後姿で、ウードと、絵の具を塗るシュッ、シュッ、ぐいぐい、という音が重なって、面白い。
絵は、まだ何を描いているのかわからない。
私はライヴペインティングの鑑賞というのは初めてで、楽しい。

休憩時間になって木村さんが振り返り、お顔拝見。常味さんがウードについて説明、木村さんがコラージュ作品の解説をしてくれる。

後半は激しい曲になる。絵の具を塗る木村さんの腕の動きも早く強くなる。
ウードの演奏も初めて聴くはずなのに知ってる曲で、なんで?と思ったら女子十二楽坊で聞いたんじゃないですか?と常味さんが終了後に教えてくれた。

絵はやはり顔になるのかな?と思ったらどうやら違って、「途中から顔にしようとするのをやめて、音に任せて描いた」と木村さん。
前回の尺八、その前の津軽三味線の時とはかなり違う感じの作品になった。
来週はベリーダンスとのセッションとか。興味深い。

木村さんは宮崎学さんの本の表紙宮崎さんの顔のコラージュ作品も作っていて、その話をしたら「僕、お会いしたことあるんですけど、怖かったー。でも凄く優しい方ですよ」。
私が電脳キツネ目組の組員だと言ったら驚いて「えー!怖いなんて言っちゃって、やばい」。
私は木村さんが気さくな人なので驚いた。

「ご職業は何をやってるんですか?」と聞かれて、困る。
「駆け出しのもの書きのような。まだ全然だめなんですけど」って嫌だなあ。恥ずかしい。
「なんかセクシーですよね」
「へ?Tシャツ?レントゲンなんです」ってこれも随分前から着てるなあ。
なんだか、きまりが悪いんだけど許されるという、不思議な感じ。今日の絵と演奏と空間のおかげかな。

 帰るとささきもと子さんからバッグデザイン案が届いていた。
おお、そうだ。バッグプロデューサーです、って言えばよかった。
2005年06月25日(土)

抱茎亭日乗 / エムサク

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