ガックリ! 映画『やさしくキスをして』,『MILLIBAR』 |
明日は来週からの仕事の面接兼打合せなのに連絡がない。派遣会社社長に電話。 「ああ、あのねえ、書類ではねられた。昨年の印象が悪かったみたいで。5月の終わりから別の仕事があるからさあ」
ガーン!ショックだ。悲しい。困る。大変だ。どうしよう。 昨年の印象って「いいよ、頑張ってる」という評判を聞いていたのだが。 それはクライアント担当者の印象で、発注元のクライアントの印象は違うのかもしれない。 頑張ってはいたが優秀ではないとか?結構戸惑っていたのは事実。
或いは、昨年納品4日前に消えたクライアント担当者の下で働いていたことが問題なのか。 例えば、クライアント担当者が消えたのは私があまりに使えないスタッフだったから、ということになっているとか? まさかね。
またしても髪型の問題とか? 前から見ると金髪、後姿は黒髪、横から見ると白黒くっきり二等分、というスタイルは、話題になっている、という話は聞いたが、仕事に関係ないよなあ。
5月の終わりから、という次の仕事だって、どうなるかわからない。ああもう嫌。 酷く鬱々気分になる。
しかし、金はまだある。 そうよ、次の瞬間に死ぬかもしれないのだから、良い映画を見よう、美味い酒を飲もう。
こんな日に見るのにふさわしい『やさしくキスをして』。以下ネタバレあり。
甘々なタイトルだが、ちょっと厳しい話。 今のグラスゴーでアイルランド人女性とパキスタン移民二世の恋物語がこんなに困難とは驚きだった。
演技初体験のアッタ・ヤクブがすごくいい。ケン・ローチ作品は大好き。 愛は勝つ、なのも今日の私にとっては非常に有難く、『SWEET SIXTEEN』のような辛いラストでなくて良かった。
『MILLIBAR』で飲みながら、メモ用紙をもらってギネス君に手紙を書く。 日焼けでお肌ボロボロの彼に、友人からもらった香港土産のペパーミント水をあげようと思った。 「なんですか、それ」と言われてアルバイトのG君に見せる。 「多分、タイガーバームみたいな、何にでも効く、飲んでも塗っても良し、みたいなの」 「アルコール80%って書いてありますよ」 「クール・ザ・スキンとも書いてあるよね」 暗いカウンターでグチャグチャ書いていたら 「わかった。桜井さんはその人のことが好きなんですね」と言われる。
カウンターの離れた席に座っていた女性が隣に来て「桜井さんですよね」と言う。 元内縁夫の名前を出して、元同業界人だと言う。 名刺をもらったら、大学ゼミの後輩の友人でもあって、前に話を聞いたことがあった。
「桜井さんの話してたんですよー」 「へ?そうなの?」 「清野さんと『かっこいい』って言ってたんですー」 「どこがですか?!」 「着てるものとか」 「こんなの、20年前からずーっと着てるだけです」 そう言えば今日のパンツは元内縁夫からもらったものだが、全くファッショナブルではない。 ご近所ルックで出掛けたことを後悔、恥ずかしくなる。
「今、何してらっしゃるんですかー?」 「いや、何って、えっと、今ねえ、バッグ・プロデューサーになろうと思って」 「すごーい」 「すごくないです。怠け者なので言ってるだけ」
4日の緑パーティーでは参加者リストの仕事欄に「ニート社長」と書いたのだが、そんなことはここでは言えない。 実は来週からの仕事が駄目になってヤケ酒飲んでるところです、なんて悲しくて言えない。 女はつらいよ。
何故だかわからないけど私に大変好意的なこのMさん、自分の席に戻ってからも 「桜井さん素敵!」 「何が?」 「ワインの飲み方が!」 わからーん。でも悪い気はしない。調子に乗って両手でワイングラスを持ってみる。
「えー、もう帰っちゃうんですかぁ?バッグ出来たら是非見せて下さい!」 の声に送られて帰る。
なんか不思議だ。人に拒否されどっかり落ち込んで、出掛けてみれば人に誉めそやされ、励まされたような気になって喜んでいる。 一体私は何なのだろう?
ギネス君のマンションに寄ってペパーミント水を郵便受けに入れようと思ったら、入らず。 持って帰る。
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2005年05月11日(水)
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