ギネス君の男心,『ANASTASIA』,『伊勢丹』,『イル・キャステロ』

 ギネス君の電話で起きる。
「お腹すいた」とギネス君。
「美味しいもの食べに行こうよ」
「お願いがあるんですけど。パソコンを貸して欲しいんだ」
「え?何で?」
「会社に日報を送りたいの。その間にご飯作って」
「有機野菜の宅配が火事で、注文した食材が届かなくて我が家の冷蔵庫は空っぽなんですけど」
「買えばいいじゃない」
「そんな、農薬たっぷりの野菜はいやだわ」

人にPCをいじられるのも抵抗がある。元内縁夫とだってお互いに相手のPCを覗いたり、勝手に使ったことなど無かったと思う。

「日報はネットカフェから送って、ご飯は外で食べようよ」と言ってみたが、拗ねて「もういい」と言うギネス君。

よくわからん。自分の思い通りにしてくれなきゃ会わない、って変じゃないか?
何で私がPC使わせてあげて、ご飯作ってあげて、会いに来てもらわなきゃいけないんだ?

と思う一方、「あれをしてあげたんだから、これをして」「こうしてくれなきゃ、そうしてあげない」という駆け引きみたいなことは嫌だとも思う。
利用されたっていいじゃないか、利用価値があるってことなんだから、とか。

 「ギネス君に遊ばれんなよ」と言ってたNANIOさんに電話してみる。
意外なことに「パソコンぐらい貸してやれよ」と言われる。
「へ?でも、パソコンなんてプライバシーの最たるものじゃない。よく知らない人にいじらせていいの?なんか変なことされたりしないかしら」
「だって、部屋にも入れてんだろう?」
「うん。でも帰った後に盗聴器仕掛けられてないかしらとか、チラッと考えたよ」
「あんた、変だよ!バランス狂ってる。何言ってんだよ!」
「だって、そういうの、よくワイドショーとかでやってるじゃない」
「付き合ってんだろう?」
「うーん、よくわからない」
「向こうは付き合ってると思ってんだよ。パソコンとか飯は口実で部屋に行きたいだけだろ」
「そうか。で、私は名刺もくれない人にパソコン貸して、ご飯作ってあげなきゃいけないの?『3点』とか言われて」
「なんだそれ?」
「私が作った味噌汁に点数つけてくれるんだって、3点、とか。『何点満点?』って聞いたら100点満点だって。やだよ、そんなこと言われるの」
「彼女に飯を作ってもらったこととかないのかもよ。男心なんだよ。仕事の日報を送りたいってことは名刺は渡さないけど、ちゃんと仕事はしてるって見せたいんだよ。素直に上手く言えない男なんだろ」
わかりました。アリガトNANIOさん。

 PCにギネス君のユーザーアカウントを作って、電話。
「あ、冷たい人だ」と言われる。
「ゴメン、ゴメン。ギネス君が使えるようにパソコン設定したから」
「随分時間かかるんだね」
「機械が苦手なもので、スミマセン。今日の夜遅くでも、必要なら来て下さい。じゃあね」

 6月5日の予約がキャンセルが出て早まり、念願のハリウッドセレブ眉になりに新宿三越『アナスタシア』。

まずはカウンセリングシートのようなものを書いて、その中に「眉は4種類の中から決められたものに同意する」とある。
説明を求めると「お客様の好きな眉の形ではなく、こちらで判断した最適な眉のラインになります」とのこと。

施術の椅子に移動し、「眉で困ってることはありますか?」と聞かれる。
「うーん、どうすればいいのかよくわからないんですよね。不器用だから自分では上手くできないし」

骸骨の目の穴の形によって決まる4種類の中で、私の眉は「ハイアーチ(眉頭と眉山のアーチが大きい)」に属するらしい。
ハイアーチのシートを眉にあてて、小鼻と目尻を結んだ線の延長が眉尻となる。
このラインからはみ出した無駄毛をワックス脱毛する。
これだと皆同じ眉になりそうだが、顔のカーブ、眉間の距離、目と眉の距離などが違うからそれぞれのアーチになる。

「じゃあ、どの人種でも、季節も流行りも関係なく、4種類のうちどれかで、一生これ!なんだ」
「そうです。骨格が変らない限り。ただ、太さは多少変化をつけられます」
ナルホド。

初回は最低2ヶ月待ちの状況は変っていないらしい。
施術者は皆美容師の資格を持っているとか、施術者が何人で何人を担当するとか、ビバリーヒルズのサロンの違いとか、いろいろ話を聞く。

面白かったのは、アメリカでは脱毛の後、冷タオルで冷やしたりしないそうだ。
ヒリヒリのまま帰され、皆でっかいサングラスをかけて出て行くらしい。
そして、きっちり左右対称の眉を求めるのは日本人だけとか。
「だって、目も左右違うんだから、眉も違って当たり前のような気がするなあ」
「そうなんですよね。向こうの方はそう仰っるんですが、日本人は目も眉も左右全く同じを追求したがるんです」
ほう。

1時間弱、施術自体は40分ほどで終了。(ビフォー・アフターはこちら
次回の予約は7月30日!本来は4週間に一度ぐらいが理想らしい。
それまでこのアーチをキープする方法は教えてくれたが、自信はない。

 『伊勢丹』の1階「解放区」にサングラスを見に行く。
個性的なものがいろいろ揃っていて、このコーナーは今日までの期間限定と聞いていた。
サングラス選びは自分では鏡もよく見えないし、本当はギネス君にでも見てもらって決めたかった。
散々迷って店員に相談して、「世界に500本しかない」(2005/06/26訂正:500本→50本)と言われた『BI'S & CURIOUS』のゴールドを購入。
私のとってはかなり高額だったが、紫外線対策は急務だ。

 高校からの友人が19時から集まっている、高田馬場のイタリアン『イル・キャステロ』に急ぐ。20時半頃着く。
一人は肺炎一歩手前、一人は仕事でドタキャンとかで、やっと3人が揃った。
肝炎で入院していたSの快気祝い。しかしもう一生お酒は飲めないらしい。

病気の話いろいろ。Nさんも何かの数値が異常に悪くてショックを受け、それ以来5時間以上睡眠をとるようにしているとか。

『アナスタシア』の話、ギネス君の話。
「ネットの出会いなんてやめなよ」とか「ナンパなんて危険!」と言ってた彼女たちも「パソコン貸すぐらいいいじゃない」と言うので驚く。
「だって、仲良くしてるんでしょう?」とNさん。
「28歳、って強調するよね、自慢?」とS。
「うん、自慢。初めは30代に見えたけどね。かわいいよ」

 しかし電話が繋がらないギネス君。完璧眉とサングラス、見て欲しかったんだけどなあ。
2005年04月30日(土)

抱茎亭日乗 / エムサク

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