『遊山亭』,48歳『ご近所さん』,『エルザ』,『TEATRON 88』,『かり屋』,『呑者家』

 昨年はあまり美味しくないカレー屋だった店が定食屋『遊山亭』になっていて、焼き鮭定食を食べてみる。普通に美味しかった。

 昨日会った48歳『ご近所さん』はかなり私を気に入ったみたい。

> 真理さんは想像通りの容姿・内面、魅力的な人でした。

とか

> 真理の手も綺麗なので感動です。
> 最近出会った女性は違っていたので、感動です。

とか。じっと手を見る。自分ではそう思わない。ささくれているし、書類で傷だらけの手だ。

誕生日はいつかと聞かれて、訳を聞くとプレゼントをしたいとか。
私の方はすっかり盛り下がって、プレゼントなど欲しくないし日に何度もメールをするのも嫌になってしまった。

 そんなこんなの一昨日、昨日の顛末を同僚Oさんに話して呆れられる。
「で、今日はね…」
「今日もまた何かあるんですか?!」
「いや、今日はそんなんじゃない。もう、イケメン揃いよ!」

 本日は、なんと高橋玄監督の次回作『ポチの告白』撮影打ち上げに呼んでもらえたのだ。
私など、単なるエキストラなのに。ああ幸せ。

会場は新宿三丁目のイタリアン『エルザ』。19時少し前に着くが知っている人はほとんどいない。
かなり大きな会場で、どこがメインの席やら私はどの辺に座っていいものやら。暫く立っていたが、人が来る度あっちに移動してみたりこっちに座ってみたり、あんまり端っこだとホントに知らない人ばかりになるだろうし、スクリーンもあるから見えない席には行きたくない。

店の入り口から2番目のブロックに落ち着いた。
暫くして、私の前にスポーツウエアに黒いニット帽の背の高い男性が座った。皆が挨拶をしているし、飲み物を用意しているので多分偉い人なのだと思った。私にもビールを注いでくれ、私も注いで差し上げたり。

男性に挨拶をして隣に座った人を「こちら宮本大誠さん」と私に紹介して下さる。
「おお、そうでしたか」。宮本大誠さんは玄さんの『喧嘩の極意 突破者番外地』に出ているのだが、『喧嘩の極意』は人気がありレンタルビデオは常に貸出中で、私は未見。

会が始まってみると、実は凄い席に座っていた私。スポーツウエアで私の前に座っていたのは『ポチの告白』の主演菅田俊さんだったのだ。
菅田さんは『ラストサムライ』とか『キル・ビル』にも出演している国際俳優。

そして私の隣に座ったキレイな女性にネイルアートの話など聞いていたら、色っぽーいその人は「菅田さんとは『キル・ビル』でご一緒したの」と仰る風祭ゆきさんだった。

3次会で玄さんに「『キル・ビル』コンビと同席ってすごいぜ」と言われてしまった。わわわ。スミマセン。
司会者の真横の席でもあり、ほとんど一番良い席だったかもしれない。

驚きだったのが新橋鳩美さん。『かつ婆』こと新橋鳩美さんは高橋玄作品の常連ではあるけれど、本業は新橋にある『薩摩しゃも』という料理屋の女将。
『突破者太陽傳』のエンド・ロールで「かつ婆 新橋鳩美」と見た時になんてうまい芸名をつけたんだろう!と思った。
ところが、今日初めて『薩摩しゃも』の名刺を見せてもらったら、本名だって!すごいなあ。
新橋店の女将になるために生まれてきたような…。新橋駅前の鳩の大群て、かつ婆の生まれた頃からいたのかしら。

出演者、スタッフの言葉や芸の披露があって、出来たてほやほやのダイジェスト版の上映があって、宴は最高潮に。ああ楽しい。映画って、いいですねぇー。
『ポチの告白』、めちゃくちゃカッコイイ、面白そう。出来上がりが本当に楽しみだ。

2次会は、石原裕次郎が歌いながら出てきそうなステージと花道のあるパーティースペース『TEATRON 88』。ここでも2回ダイジェスト版が流れる。
その度「高橋監督は凄い」とか「あの場面がこんな映像になるなんて」という声があちこちから聞こえる。

 3次会は居酒屋『かり屋』。ほとんど帰る人がなく、店が溢れそうなほど。野村宏伸さんとも少しお話。

何故か玄さんと天皇制の話になる。「天皇制がなくなったら日本は崩壊する」と玄さん。
「そんな事はないと思う」と私。
「意識してないけど、日本人には天皇制が浸み込んでんだよ」
「そうかもしれないけど、私はなくなっても全然平気です」
「歴史を勉強したらそんな事は言えなくなる」
「そうかなあ」
「宮崎(学)さんは、天皇制がなくなったら日本がどうなるかちゃんとわかっていて、それでいらん、と言ってるんだよ」
「いらんいらん」
「だって、皆好きだろう。『愛子さまー』なんて言って」

そりゃそうだけど、子供が出来れば誰でも「おめでとう」と言うわけだし。
天皇制がなくなっても山口百恵のように伝説として慕われたり「何とかの末裔」としてたまに注目されたりするだけの話じゃないのか?その程度で何も困らないが。そういう問題じゃないか?

『かり屋』がお開きになる頃、誰かが「映画やりましょうよ、映画」と私の肩を揉む。
「いや、私は役者じゃないですから。演技は全く駄目です」
「そんなの大丈夫。オーラがあるから」
「え、でも玄さんにそんなこと言われたことないですよ」
「ヘーキヘーキ」
「あの、どちら様ですか?」
「助監督の中西です」
あらま、そうでしたか!これはスカウトか?

 もう始発も動いている時間なのに、20人以上?で4次会、居酒屋『呑者家』。
眠くてたまらない。知らない若い俳優君(だと思う)と一緒のテーブルでちょっと話して眠ってしまった。

気がつくと玄さんが勘定を済ませお店を出るところだった。「ご馳走様です!」と声を揃えた人は、まだ10人ぐらいいたが、終わりそうな気配は無い。
私は本日出勤予定。店を出たのは朝7時過ぎか?ヘロヘロで帰る。
2005年01月27日(木)

抱茎亭日乗 / エムサク

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