ヴィデオ『マグノリア』,新座 |
高橋玄さんが「ライバルだ」と言っていたポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』をヴィデオで見る。 もう一度映画館で見るべきかもしれないが、絶対見たくないような気もする。 あの「グチャッ!ベチャッ!」「ボトボト、ボトボトボト!ドドドドドドーーーー」という音に耐えられる自信もない。あれ、本物なんだろうか。ううう。 しかし、かなり好きな映画。
見終わって、シャワーを浴びて、ヴィデオを返して新座の実家に着いたのは20時。 「遅いわね」と母。 「ケータイにメッセージ入れたよ」 電源を切ってあって意味がない。5時から飲んでるT叔父と、母にケータイ講習。
「電源を入れておくと変なメールが来るのよ」と母。 「電源切ってもメールは来るんだよ」と何十回言ってもわからない母。 母はこまめに削除しているというが、出会系の迷惑メールを500通以上受信。 「何にもしてないのに」と母。 「間違って返信したからだよ」とこの会話も何度したことか。
指定したアドレスからのメールしか受信しないように設定してあげるつもりが、 実は私もよくわかってない。機械オンチの母娘。
そして、母はメールのタイトルだけしか見ていないことがわかった。 日生劇場の場所をメールで教えたのに 「帝国劇場、としか書いてなかった」 ってそれはタイトルで、本文を見なくちゃ駄目じゃん! 「あらー、そうなの?知らなかった」 トホホ。
着信履歴の見方も忘れている。「もうイヤだ」と言うが「駄目。覚えて」。 酒を飲んでいるし、続けて使わなければまた忘れてしまうだろう。何度でもやる。
母はちょっと元気が出てきたみたいで、「自立しなくてどうする」「遅刻は最低」「あの学校本企画はなんなの」と私に反撃し始める。
T叔父が「俺は離婚するけど、あんたも離婚するんじゃないかと思っていた」と言うと 「あんたにそんなこと言われる覚えはない」と母。 「お母さんだっていつも叔母さんの悪口言ってるじゃない」と私。 「それとこれとは違うのよ。あたしが言うのと、Tが言うのは意味が違う」 「あ、俺が悪かった。俺、それは、違う。ごめん」とT叔父が言ってるのに 「思っているから言ったんでしょう、がっかりだわ!」と責める母。 「取り消してるんだからいいじゃない。思うのは自由でしょ。『ブス』と思うのと人に向かって『ブス』って言うのは違うんだから」と私。 理屈で言い返せない母は 「なんなの、大きな声出して。近所に聞こえるでしょう!」 「よく言うよ。自分は散々大声で怒鳴り散らしてた喧嘩してたくせに。これぐらいで近所の誰が驚くかね。」 「何よ、あんた。何しに来たの?帰りなさい。出てって」 「ふーん。…帰ります」 「もう1時だよ」とT叔父。
トイレに行って、玄関に立つと、T叔父と母が二人ががりで「やめなさい」と私を引っ張る。 「帰るよ!帰れってあんたが言ったんでしょう!放してよ!帰るんだよ!」 「止めろ!座りなさい!」って、取っ組み合い。酔っ払いの大立ち回り。
「来いって言うから来て、帰れって言うから帰ろうとしたのに、やめろって言うならハイ、止めます」と座る私。電車がない時間になって「帰れ」というところが憎たらしい。涙が出る。母も座って、両手で顔を覆って泣く。
「なんなのこれは。なんでこんなふうになるの。いったい何?」と母。 「セラヴィ。人生でしょ」と私。というか、ただの酔っ払いだ。 「もう寝たら」と私が言って、お開き。
新座には来たくなかった。元気のない母といても面白くないから。 正月早々こんな喧嘩になるとは思っていなかったが、これは喧嘩をする元気があるということなのか?
争いごとが嫌いというT叔父は、ここで私を帰すと、また母が「親子の縁を切る!」と言った時のように面倒なことになると思って止めたのだろうか。大変だなあ。
映画『マグノリア』では女の子が父親に「出てって!出てけ!早く出てけ!」とわめき散らす場面があった。 今日の私は反対だな、いったい幾つだよと少し可笑しくなる。 年末年始で母の早朝体操もお休みだから、いい運動になったかも。
風呂に入るのも面倒で、服のままベッド。
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2005年01月02日(日)
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