セルフライナーノーツ。

2004年01月26日(月) 姫の定義。


先週から甜茶を飲み始めました。花粉症対策。
去年はこの甜茶とタブレットだけで、ほとんど症状が出なかったのです。ありがたや〜!ヽ( ´ー`)ノ
今年は例年よりも花粉少な目らしいしね。
砂糖入りの紅茶のような味わい。普段は珈琲も紅茶もストレートで飲む私ですが、冬にはこんな甘さもいいなぁと思います。





読書感想文をひとつ。
五條瑛『プラチナ・ビーズ』。これまたKリさんからの貸し出しです。
同人界では(も?)人気のある作家さんで、一度読んでみたいなぁと思っていたので…。
件の村上龍上下巻の後に読んだためか、もう読みやすくて読みやすくて!(笑)
あっという間に読了したのですが……速さに比例して、何も残りませんでした(苦笑)
ぇえーと……結局、何が言いたかったんですかこの話?(;・∀・)



半分まで読み進んだ時点で、イヤーな予感はしたのですよ。これだけページ進んでるのに、筋が何一つ展開してない?!Σ(゚д゚|||;)
まさか、このままラストまで『僕たちのお仕事日記♪』みたいなノリでいくんじゃあ…と危惧していたら。
まさに、その通りだった…!(笑)
いや、そりゃあ最初の方からたんまり伏線は貼ってあった(しかも非常にわかりやすく)訳ですが、だからと言ってコトが動くのが第四部だけ…ってのは正直、バランス悪すぎじゃないのか?
しかも、何がつまんないって主人公のこの無能っぷりでしょう!
某漫画の雨の日だけ無能になる大佐とは訳が違います(笑)雨だろうが晴れだろうが、海の上だろうが土の上だろうが無能です。
身体能力が劣っていても、それだけ頭脳が明晰であるとか第六感が閃くとか人身掌握の術を心得ているとか、何か取り柄があれば話は別ですが。
アナリストとしては”なかなか腕がいい”(どこが?)とか言われちゃったりしてるシーンもありますが、何のことはない、周囲の人間はすべて彼のその上を行ってる訳で……もう、全部お見通し!
この人、いる意味ないんじゃん(笑)
黄色人種とはかけはなれた白い肌と薄茶の髪と瞳と、非力さと鈍くささと注意力散漫さ………ああ、そうか!つまりは””なんだ!(笑)
何かあるたびに周囲のスペシャリストに守られているのはそのせいなのね!周囲に美形(?)の体育会系が揃ってるのはそのせいなのね!ロクに女が出てこないのもそのせいなのね!(あからさまにアヤしげな)ワインに一服盛られて眠っちゃったりするお約束もそのせいなのね!
異国のラスボス(?)が国籍不明の超美形で黒髪ロンゲでダイヤのピアスなんて、深夜アニメにでも出てきそうな風貌なのも、きっとそのせいなのね!(笑)
……なんだ、ただのオリジュネじゃん!(敢えてBLとは言わない(笑))
こんな男(達)、ホントにいたらマジ嫌です……(´Д`;)
しかも、それが国を股に掛けた諜報活動の一端を担ってるだなんて…!(((((;゚Д゚)))))



しかも一番たまらんのが、この主人公のヒジョーにジメジメした性格だ!
幼少時に父親がピストル自殺し、その遺体の第一発見者になったことからのトラウマ…ってのは、まあ、ありだとしよう。(ありがちすぎるけど(苦笑))
もう一つの要因、外国籍。在日外国人であるが故にどこへ行っても異端の目で見られ、同胞だと認められることもなく、まっとうな仕事も望めなかった、疎外感と孤独と苦悩。
………何だかなぁ。今の時代、随分古くさい意識だなぁって思うんだけど。
勿論そういう現実も未だに根付いてはいるんだろうけど、私が仕事をしているチームにも、在日外国人の同僚がいる。
生まれも育ちも東京・上野、もちろん日本語しか話せず書けず、母国にも2度ほどしか行ったことはないらしい。
それでも、彼のパスポートの色は私達と違うものだし、免許証の裏には常に外国人登録証が挟まれ、彼に選挙権はない。
高校までは日本名で通っていたらしい。兄弟のうち2人は帰化したけれど、彼だけが大学以降外国籍を選んで名を変えた。
それでも(もちろん一流企業なんかではないが)健全でまっとうな就職をして、大学で得た専門知識を使い、社内の人間もクライアントも、彼が何人であるかなんてことは気にしちゃいない。
ドラマティックな背景ってのは小説には必須なんだろうけど、今のご時世にあんまり夢見がちな設定はどうかと思うよ…ホントにホントのBLならともかく!(笑)



唯一共感できなくもなかったのは……
ちょっとばかり関わりを持った女(対象者)を最初は屁とも思っていなかったクセに(笑)、彼女が死んだ途端に思い出をずんずん美化し始め、”お前の仇はこの俺が取ってやる…!”とでも言わんばかり思いこみ激しくなってゆく様は、この手の男の心情としては非常にリアルであるかも知れない、という一点だけ(笑)
思い出はいつも美しいのね(笑)




こんな(♀向け)ヲタっぽいキャラ造形、男性作家もやるもんなんだ……そう言えば確か、昔読んだ『Twelve Y.O.』とかでもラスボスは背中に影背負った頭脳明晰な超美形(笑)で( ´,_ゝ`)プッ ってなカンジだったもんなぁ…(はっきり覚えてないけど)
男でもやっぱ、そういうキャラに憧れとかあったりするもんなのかしら……?としみじみ思っていたのですが。
五條さんって、女性だったんですね……!
なら、このや○い臭も納得だ(笑)
五條といい高村薫といい京極夏彦といい、どうも私は同人界で(特に)人気のある作家さんの作品は肌に合わないようです……
周囲がハマりまくってる某『バッ○リー』も激しくダメそうな悪寒……(((((;゚Д゚)))))(文字通り、”姫”いるらしいし(笑))
でも、読んでみたい。恐いモノ見たさで(笑)










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