ありふれた日常

2003年09月06日(土) いないイナイ

海沿いの初めて通る道を走っていた。
もう外は肌寒かったけれど、空気が澄んでいて
半月も星も綺麗に見える。
そこの道はあの街へ繋がっていた。
何となく、行って見る事にした。

近くはないのに、見慣れた街だった。
当たり前ながら、彼はもういない。
彼が働いていたバーにも。
あのコンビニにも。
寒さに背中を丸めて歩いていたりするはずもないし、
一人で映画を観ていたりもしない。
当たり前ながら、彼はもう此処にはいなかった。

街並みもそこにいる人達も何一つ変わってはいないのに
ただ彼だけがこの街には、もういないのだ。
あたしはそれが現実だとちゃんと知っているけれど
何だか凄く不思議な感じがした。
それから少しだけ泣きたくなった。


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