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2006年10月12日(木)
  国宝 伴大納言絵巻展 <画像あり>

 久々に東京駅の外に出た。新幹線に乗る時は必ず始発である東京駅に来るし、下りる時だって大体東京駅を利用する(今回は品川だったんだけど)。でも駅の外に出るのは実に久々。今日の目的地は実のところ有楽町。でも中央線から山手線に一駅のために乗り換えるのは面倒だったので、東京駅から歩くことにした。
 昼のオフィス街を歩くのもこれまた久しぶり。オフィス街で仕事をしたのは僅か2ヶ月かそこらしかない(あとは商店街か住宅街)私には懐かしい光景ではない。でも戸惑いを感じるような異世界でもない。

 東京国際フォーラムのガラス張りの船のような建物を通り抜け、道を折れる。突き当たりに外堀が見えるが、その角が帝劇ビル。ここの9階が本日の目的地・出光美術館だ。
 帝劇ビルには出光興産の本社が入っているわけで、当然社員や本社を訪れるビジネスマンもこのビルにやって来る。そういう人たちと美術館目当ての一般人は、警備の人によってロビーでしっかり区別され、私みたいに黒ワンピにGジャン羽織ったような女は何も言わずとも美術館専用エレベーターに乗せられる。ノンストップで辿り着いた9階ロビーにも警備員がいて、案内されるまま受付で入館料1,000円を支払った。
 公立の美術館や博物館はどこかのんびりしている。神社仏閣の宝物館もどっちかというと公立寄り。でも企業内美術館は違う。警備員も受付の人も物凄く堅苦しい雰囲気。受付の人なんか、まんま企業の受付嬢然している。この雰囲気は芸術鑑賞を前に何だか緊張を強いられるので、個人的に好きではない。

 先週土曜、10月7日から始まった開館40周年記念の特別展は「国宝 伴大納言絵巻展―新たな発見、深まる謎―」。11月5日までの約1ヶ月間の会期のうち、初日から15日まで9日間と31日から最終日6日間の計15日間、上中下巻の全てが実物展示となる。しかも全巻全場面展示。つまりこの15日間で本物の国宝伴大納言絵巻の全場面が拝めるワケだ。「伴大納言絵巻」と言えば、「源氏物語絵巻」「信貴山縁起絵巻」「鳥獣戯画」と並んで四大絵巻物のひとつに数えられる超一級の絵巻物。何としても15日までに行かねば!と気合いを入れて来たのである。

 そういう気合いを入れた人はかなりいると見えて、上巻の展示ケースには行列が出来ていた。企業美術館らしく、人の流れもしっかり管理されている。警備員の口の利き方も丁寧。
 展示の方もとても丁寧。まず絵巻のあらすじや、史実としての「応天門の変」について、それに時代背景なんかの解説があって、各絵巻のあらすじと詞書(上巻は欠損しているので宇治拾遺かなんかから)の現代語訳があって、絵巻の展示という流れ。絵巻が展示されてる上部には要所要所の絵のアップが簡単な解説と共にパネル展示されていて、「細かくてよく判らないわ」という人にも優しい展示。欲を言えば、詞書も現代語訳だけじゃなくて原文を活字化してパネルにして欲しかった。あの混雑で崩し字読む余裕ない。
 絵も流石国宝、迫力がある。中でも「日本絵画における三大火焔表現」の一とされるらしい応天門炎上の場面は凄い。風下で見る庶民は顔だけでなく手足も赤く火照って描かれてたよ。

 最後に絵巻中の人物を等身大(160cmくらい)に拡大してパネル展示。横にその人物の台詞のような解説パネルが付いてて、ちょっと笑えたw

 帰りはビックカメラを冷やかして(思ったより狭いな)、有楽町から山手線で新宿へ。ちょっとお腹が空いたのでルミネ2のBARBARA PORTABLEでおにぎりと大根の和風ゆずポタージュを食し、ルミネエストやミロードをぶらぶらして家路に着いた。

 超一級の芸術鑑賞、ショッピング。嗚呼いつでもこんなことが出来る生活がしたい。


東京国際フォーラムガラス棟・出光美術館屋外掲示板・BARBARA PORTABLE店内


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・過去の「今日」。

2005年10月12日(水) 入校
2004年10月12日(火) ものかきの血。
2003年10月12日(日) 府中出陣!
2001年10月12日(金) 1年前

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