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2005年10月10日(月)
  淡路島で日本の大地を思ふ <画像あり>

 最終日は、四国から大鳴門橋を渡って淡路島へ。
 淡路島。日本神話に於いて、伊弉諾尊・伊弉冉尊の二神が国生みをし、最初に生んだ「淡道之穂之狭別島」が淡路島。続いて四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州の8島(大八島)が生まれたとされます。つまり、日本で一番最初に出来たとされるのがここ淡路島。

 淡路島より前、二神が天上の天浮橋に立って天沼矛で海をかき回し、その矛の先から滴り落ちた潮が固まって出来たとされるのが「淤能碁呂(おのころ)島」。まず最初に、その淤能碁呂島とされる地にある自凝島(おのころじま)神社へ。
 大きな赤い鳥居が立つ背後に、こんもりとした小さな丘。それが淤能碁呂島で、その頂にあるのが自凝島神社

 島とはいえ、畿内からほど近い淡路島。古い神社は数多くあります。今回はその中から自凝島神社と、淡路国二宮・大和大圀魂神社、式内論社・河上神社天満宮(河上神社が式内論社)、淡路国一宮・伊弉諾神宮、式内社・伊勢久留麻神社を回りました。

 伊弉諾神宮は、群神を生み終えた伊弉諾尊が、御子神の天照大神に国家統治を委ねられ、最初に生んだ淡路島の多賀の地に「幽宮」を構えた跡に御陵が営まれ、そこに至貴の聖地として最古の神社が創始されたことに始まるという由緒ある神社。淡路国一宮のこの神社が、淡路島の最大の目的地。


自凝島神社大鳥居・伊弉諾神宮・伊勢久留麻神社社号標

 伊弉諾神宮にも詣でたし、淡路島の寺社巡りは取り敢えず満足。天気は微妙だし、さて何処に行くか。
 今年は阪神淡路大震災から10年という節目の年。まあ10年目の日からは既に9ヶ月近く経過しているんですが、未だ神戸にも行ったことのない私、地震大国に住んでいる以上、大地震の爪痕くらいこの目で見て知っておきたい。

 というわけで、淡路市(旧北淡町)にある北淡震災記念公園に行きました。ここの野島断層保存館で本物の断層を見学することが出来ます。
 館内にあったのは、断層が通り抜けた集落のほんの一部分を切り取ったかのような「展示物」。その展示物は、紛れもなく「本物」の野島断層、即ち、作り物ではなく本物の地面、大地です。
 逆断層型の地震だった阪神淡路大震災。鋭角に持ち上がった断層は、僅か1ヶ月程度で鋭角部分は風化して丸みを帯びてしまうそうで、そこにある断層は喩えて言えば田畑の畝とか畦道を片側から見たような土の盛り上がりで、手前のひび割れたアスファルト(元は本当に道路)や形が崩れた生け垣も、何処か現実感がなく、作り物っぽく見えます。でも、断層部分の地面を掘り下げて断層の構造を見ることが出来る「トレンチ展示」や、保存館の外にも続く地面の不自然な段差、その先のひび割れた壁、全てが本物の震災の爪痕で、この地に起こった現実です。たった数十秒で地面に亀裂やズレが生じる自然の力。人間は無力です。でも、被害を極力少なくする努力は、きっともっと出来るはず。
 断層の先に建つ「メモリアルハウス」は、震災当時は普通の民家としてそこに建っていた家。庭先を断層が掠め、若干傾きながらも倒壊することなく建っている家は、地震に強い家として注目を集めたとか。1階部分を見学することが出来ます。


保存館の入口にも内部にも「撮影禁止」を示す文言やマークは見当たらなかったので、
遠慮がち(?)にデジカメで写真を撮影。もし撮影禁止だったらごめんなさい。

 メモリアルハウス見学後、震災体験館で震度7の揺れを体験してみました。揺れると判っていて身構えて待っていれば、「こんなもんか」って揺れです。でも地震は突然起こるもの。お風呂に入ってる時かもしれないし、食器棚を開けた瞬間かもしれないし、コンロを点火した瞬間かもしれません。「おおー」なんて言って笑いながら揺られてること自体が非現実的。何の覚悟もなくあんな揺れに見舞われたら、一体どうなることやら。

 日本で最初に生まれた島で、大地のエネルギーを感じ、明石海峡大橋を通って本州に戻りました。こんな橋を造る人も凄いけど、こんな橋だって一瞬で壊せるだろう自然の力は畏るるべきものですね。
 明石海峡大橋、供用開始は98年春。大震災は建設工事中の出来事で、地盤のずれによって橋の全長は計画より1m強長くなったそうです。供用中なら、どうなっていたやら。

 ちなみに、伊弉諾神宮や大和大圀魂神社の大鳥居も、大震災で倒壊したそうです。現在は立派な鳥居が再建されています。


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・過去の「今日」。

2002年10月10日(木) やっぱり若いかも? <画像あり>

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