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2005年06月08日(水)
  光の軌跡 <画像あり>

 夏は、夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。雨など降るも、をかし。
――「枕草子」
 市内、それも町内で蛍が乱舞していると聞いた。夕飯後、デジカメと三脚を持って、自転車で蛍が舞うという橋へ。

 生まれ育った東京でも、昔、ほたる祭りなんていうのをやっていて、小さい頃、母に連れられて見に行った。そこで売っていた籠入りの蛍も買って、しばらく家で飼っていたこともある。でも、野生の蛍が乱舞しているなんていう光景は、流石に見たことがない。

 15分ほど自転車を漕いで辿り着いた橋の下。河原や中州に光が舞っていた。
 少し緑味を帯びた光が、約2秒間隔で瞬く(ちなみに、源氏蛍は西日本では約2秒毎、東日本では4秒以上の間隔で発光するらしい)。

 蛍が盛んに発光するのは、7時半から9時にかけて。時間は既に9時を少し回っている。急いで写真撮らないと、光が減ってしまう。
 慌てて三脚をセットし、カメラの向きを整え、ふと顔を上げた瞬間。

 ――あ、蛍ってこんな上にも飛ぶんだ。

 と思ったが、経験が瞬時に「違う」と判断した。

 ――流れ星だ!!

 蛍の放つ光の色じゃない。白い光が、すぅっ、と空を流れた。北斗七星の下、火球とまではいかないけど、かなり明るい流星。

中州飛んでった蛍これも中州
IXY DIGITAL 40で撮影(マニュアルモード Tv:10 Av:2.8 ISO:400)

 月もなく、雨も降らなかったけれど、星の流れた夜。清少納言が見た夜は、月があってももっと暗かっただろう。でも蛍は、同じように瞬いたかな。


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・過去の「今日」。


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