琴 星 商 事 日 乗
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2004年10月11日(月)
  吉備路紀行 <画像あり>

 吉備路へ日帰りで行ってきました。高速・新幹線以外で岡山初上陸です。今回の目的は、御朱印と温羅(ウラ)伝説。家を出た時はとても良い天気。でも高速走行中に通り雨に出会し、でも目的地に着く頃にはまた晴れました。

 最初の目的地は、岡山市の吉備津彦神社。大安の今日、社殿では結婚式の真っ最中。大きな音を立てて参拝するのも気が引けるので、お賽銭も静かに投入、柏手も控え目に。神様も結婚式に夢中で、こっちの願い事なんて聞いてなかったかもな。ここの狛犬は備前焼。普通は石製だから、焼き物の産地ならでは。よっ備前一宮!
 続いては神体山(吉備中山)をぐるりと4分の1ほど回った所にある吉備津神社へ。神社としての歴史は、吉備津彦神社よりもこちらの方が古く、吉備国が備前・備中・備後に分割された際、この吉備津神社より、備前に吉備津彦神社、備後に吉備津神社(広島・新市町にあります)が分祀されて一宮になったそう。つまり、ここは「三備一宮」。
 これらの祭神・吉備津彦は、桃太郎のモデルとされる神様です。鬼退治の桃太郎。その「鬼」のモデルが「温羅」。百済の王子だったというその人と吉備津彦が、鬼と桃太郎。吉備路を舞台に繰り広げられた、吉備津彦と温羅の争いが、桃太郎伝説のもとです。
 有名な釜殿も、たまたま誰もおらず、一人でゆっくり見れました(殿内撮影不可)。後ろに大きなしゃもじが3つほどかかっていて、その前で煮えたぎった釜がグラグラグツグツ言ってました。


左が吉備津彦神社、右が吉備津神社。

 吉備津神社前の土産物屋でお昼(暑いからざるの茶そば)を食し、続いて、日本三大稲荷のひとつに含まれることもある最上稲荷へ(日本三大稲荷は、伏見以外は諸説紛々。個人的には「伏見・豊川・笠間」だろうと思ってるんですが、最上稲荷や佐賀の祐徳稲荷など、かなり揺れがあります)。伏見は神社、豊川は寺院、と、一口に「稲荷」と言ってもなかなかフクザツですが、ここは神社でもありお寺でもあるところ。最寄り駅である備中高松駅付近に大鳥居を構える最上稲荷ですが、正式名称は「最上稲荷教総本山妙教寺」。一応、お寺なんですね。但し、「最上稲荷教」という独自の宗派だから、神仏習合の状態でオッケーなワケです。でも、何つーか、まぁ、私の趣味には合いませんでした(笑)。神仏習合は大好きだけどね、何つーかね、色々あるんですよ。

 車中から造山古墳(国内第4位の大きさを誇る前方後円墳)を眺めつつ、備中国分寺へ。岡山県内唯一という五重塔が目印です。御守なんかは本堂(本尊薬師如来)に並べられて、セルフサービス状態での頒布だったので、江戸時代の建物(拝観お断り)という庫裡に押し掛け、御朱印頂きました。ガイドブックや地図なんかには「国分寺」などと書かれていたりしますが、古い建物も残りつつ、こうしてきちんと寺の機能を残している「国分寺」って少ないんじゃないですかね。備中国分寺は「跡」なんかじゃないですよ。ちゃんと現役(?)のお寺です。まあ、創建時の建物ではないってあたり、「跡」と言えば跡ですが(現在の建物は江戸中期以降の再建だって)。
 それから備中国總社へ。総社は、その国(日本じゃなくて、備中とか武蔵とかの旧国ね)中の神様をまとめてお祀りして、国司が国内各所へ出向いて参拝しなくても、国府の近くに総社を置いて一気に済ませようという、良く言えば合理的、悪く言えば怠け心による産物です。昭和52年に火災で焼失したそうで、建物自体は新しいのですが創建は平安末期。総社も判らなくなっている国が結構多いので、国分寺も総社もきちんと残っている備中は、歴史を重んじる大国だったんだろうなぁ、と思う訳です。

 続いて井山寳福寺へ。元は天台宗の寺院として創建され、七道伽藍を備える地方には稀に見る巨刹。現在は禅寺で、僅かに色づいた紅葉や手入れの行き届いた境内が、禅宗らしい趣を感じさせてくれます。国分寺同様、拝観不可の寺務所(食堂:じきどう)へ行って御朱印頂きました。最後、私が扉を閉めるまで見送って下さった若いお坊さん、その精神に禅宗の修行僧を見た感じ(笑)。


備中国分寺と井山寳福寺。寳福寺、紅葉の盛りは綺麗だろうなぁ。

 ここで寺社巡りはひとまず打ち止め。日が暮れないうちに、温羅伝説を辿って「鬼ノ城(きのじょう)」を目指します。
 鬼ノ城。約1,300年前に温羅が築いたという伝説もある山城。今は大和政権が国土防衛の為に築いた朝鮮式山城という説が有力視されているのだそうだけど、いずれにせよ古い遺跡であることには違いないワケで。
 総社市教育委員会が3年程前から史跡整備に着手したそうで、辺り一面工事中。色んな建造物が復元されるそうで、ちょっと興醒めの感もあるんですが、展望台からの景色は素晴らしいです。今廻ってきた吉備路が一望! この平野で、大和と並ぶ勢力を誇った大国「吉備」が栄え、吉備真備や桃太郎伝説が生まれたんですよ。うわーすげー!(そしてマニアック!)


鬼ノ城・第一展望台より。吉備の平野を一望。中央辺りに楯築遺跡や造山古墳が見えます。

 その後、倉敷の中心にある阿智神社にも行きましたが、タイムアウトで御朱印は頂けませんでした。倉敷の美観地区には、ダンナの母方の曾祖父の家が、重要文化財として残っています。何でも、ひいじいさん(故人)が財を食い潰して手放したんだってさ。どっかで聞いたような話ですね。何? 似た者母系夫婦? 日曜しか中には入れないし、時間も時間だし、前を車で通っただけですが。そのうち見ることもあるでしょう。そして自分の曾祖父の愚行を悔いるんだ夫よ!(爆)

 帰り、イオン倉敷ショッピングセンターのジャスコで買い物して帰りました。たまげたのは豆腐の値段。呉のジャスコも豆腐安いんですよ。木綿だけだけど、38円。でも、倉敷では全く同じトップバリュの豆腐が、絹も木綿も24円!!!!! 何なのその値段!? 東京から比べたら半額よ!? でも最近、この激安豆腐が40gサイズダウンしたのが非常に気になるところではありますが。野菜とかは相変わらず激高なので、豆腐3丁と秋刀魚と肉と牛乳やペットボトルを買って帰りました。



吉備津神社の鳥居の前、手水舎の横の岩の上に何故かいた鶏。
鶏・・・よね? 雉じゃないのよね?
参拝を終えて帰る時にはいなくなってました。

・・・来年の年賀状素材?w<酉年



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