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2001年11月03日(土)
「無間地獄/新堂冬樹」は乙女ちっくホモ話でイカス!


今日は朝から紅葉の山を登ってきましたよ。
山道で、誰にも会わなかった…。
麓の農場では収穫祭とかで、ものすごい人が集まっていたのに、何故?
りんごの皮むき競争に飛び入り参加するも、参加賞止まり。
伊那名物の“ローメン”という麺類が気になりました。
ラーメンとヤキソバの中間になるようなものらしい。次は食べるぞ!


で、今回のお題は新堂冬樹です。
この人については過去の日記(4月1日)でもデビュー作あたりに触れてます。
ずっと借りようと思っていて忘れたままだったのを、やっと思い出しました。
そんな訳で「無間地獄」でございます。

あのぅ、これって…マジ、ですよ、ね…?
というのが、正直な読後の第一印象です。いやー、これがもう、ブッ飛びなのです。
デビュー作からその気配はあったけれど、ある意味トンデモ本の域に近づいてきました。

この話のキーワードはズバリ、「ひとめ惚れ」。
いつものように舞台は金融業界の裏側に蠢く、アヤシゲな人々の騙し合いですよ。
主要登場人物は全て男。
さぁ。もう、わかりましたね?

主人公の桐生は“若頭”と呼ばれ、組の跡目を継ぐものと見られているほどの力を持った男。
裏金融でアブク銭を持った奴らから金を巻き上げるのが、彼の生きがいになっている。
自分以外は信用しない。金だけは自分を裏切らない。
他の者から見れば異様とも思えるその冷酷さの原因は、人には言えない彼の過去にあるのだった。
そして、ある日、彼は新たな獲物を見つける。
役に立つはずもない美容器機を女に売りつけては貢がせる、女たらしの青年、玉城である。
彼らが金という一本の線で繋がった時、運命は急激な変化を遂げていく…。

たいていデビュー作というものには、その後作者が展開していくだろう要素が詰め込まれているものです。
その点、新堂冬樹はヤン・デ・ボンも真っ青な話を書いている人だったので、行く末が気になっていた訳です。
しかし、またもや、ものスゴイ話を…。

主人公桐生がなぜに拝金主義者になっていったのか?
ヤクザ達が金を絞り取る描写の合間に語られる桐生の過去、これがまた凄まじい話で大喜び。
匂ってきそうに嫌なリアルさがたまりません。
ワシはこういうの好きだけど、感覚的にダメな人も多いでしょうな。
ひたすら桐生を慕う、組長のバカ息子の気持ち悪さとか。(ところが、こいつも泣かせるのよー)

真面目に三池監督に映像化して欲しい!

何より、この話がすごいのは、ラストシーンです。
涙を禁じ得ないこの場面を読むまで、なんとか頑張って読み進めてください。

この本も古本屋で買っておきたいなー。
うーん。超純愛を見た、という感じ。
まさしく“乙女ちっくホモ”なんですよ! ぜひとも読んでみて欲しい!

<11月10日附記>
本屋に行ったら、さらに新堂冬樹の新刊が! 「鬼子」というタイトル。
すんごい期待してしまうなー。早速、図書館にリクエストだ!