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2001年06月28日(木)
コリン・ウィルソンを読んで寒くなった…


貧血で頭がくるくるでーす。
なんだか一日中、世界が遠く感じられてしょうがなかったです。
そんな状態なのに、更におかしくなりそうな本を読んでしまいましたよ。

「『死体の庭』あるいは『恐怖の館』殺人事件」/コリン・ウィルソン(ぶんか社)
イギリスの地方都市、グロスターで発覚したフレッド・ウェストとその妻ローズによる連続殺人事件の本です。
イギリス犯罪史上最悪の惨劇と呼ばれるこの事件では、とある家庭の庭などから11体もの死体が発見されたこともあって、かなり長期に渡って世間を騒がせたようです。
この本は「犯罪百科」などでその手のデータ蓄積なら随一の人物コリン・ウィルソンによる、非常に丹念な調査によるルポに加え、冷静な眼で見たこの事件への解釈が述べられていて興味深いです。
加害者・被害者のどちら側に立つのでもない、完全なる他者としての視点は読んでいて感心させられました。(訳のうまさもあるのでしょう)

しかし、最後まで暗澹たる気持にさせられる本ではあります。
児童虐待をする人は、自分もそういった目に遭わされてきたからだという、重い鎖。
これはもう逃れようのない連鎖なのでしょうか。
そして、人は殺人という行いで人間を生き物から物体(死体)に変えることで、現実から幻想へシフトしていってしまうものだ、現実世界で果たせないことでも幻想ならばうまくいく、と犯人は考えるようになるという指摘はなんだか恐かった。
というのも、昨今起きている物騒な事件は、ほとんどこの言葉に当てはまるような気がしたからです。

なんというか、非常にヘビィな本でした。
熱が上がった感じ。
今夜は絶対悪夢を見てしまうだろうな、という予感に包まれてます…。