無責任賛歌
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正直な話、しげとはもう10年以上も一緒にのたくっているわけだから(しげにとってはついに人生の半分以上、私と一緒にいるのである)、あいつの奇矯な行動にも随分慣れたつもりであった。いきなり踊り出したり(喜びの踊りらしい)、夜中に奇声を上げたり(寝惚けているのだ)、台所で「ひい」と悲鳴を上げたり(たいてい、皿を割ったり、包丁で指を切ったりしている)していても、「よくあること」で驚かないでいた。 今日も、しげが「ちっち、ちっち」(しげ語でオシッコのことである)とぴょんぴょん跳びながらトイレに向かっても、今更「テメエの年考えろ」とか文句つけることもせず(とうの昔に諦めた)、ほっといたのである。 ところが突然、トイレからドスの効いた声が響いた。 「なんじゃこりゃあ!」 若い人には解説が必要だろうが、往年の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』中、松田優作扮するジーパン刑事が殉職するシーンで、腹から吹き出た血を見ながら叫んだセリフである。一時期、全国の高校、大学の学園祭、宴会等でこの松田優作のマネがはやって、やがて廃れた。でも未だになにか驚いたときにこのセリフを吐くイタイ人間は存在する。 けれどそれを自分の女房が、しかもトイレで、隣近所にも聞こえるんじゃないかって声で叫んでるのを聞いた時のショックをご想像頂きたい。あなたの彼氏彼女がそんなことしたらどう思うか。……いや、ホントに何が起きたかと思いました。 しげがワハワハと笑いながらトイレから出て来たので、「なんだいったい!」と聞いたら、しげ、ケロリとしてこう言った。 「いやー、びっくりした。もう出る出る」 「……おしっこが?」 「うんにゃ」 「う○こ?」 「うんにゃ」 「……じゃあ、何が出たの!」 「×」 ……ンなことを大声で近所中に言うなあああ! 「だってすごいんだよ! 見て見て♪」 ……ンなモン見せようとするなあああああ!(T∇T) 伏字にしても何のことかは“オトナ”ならご推察頂けましょう。イヤね、驚いたってのはまだ理解できますけどね、悲鳴を上げたってんなら納得もしますがね、そこでなんで松田優作のマネをするですか。ワタシ、しげの考えてること、分らないアルよ(混乱しているのでエセ中国人化しています)。 ちなみにこの文章、ちゃんとしげの許可取って書いてます。あなたも、もしもしげのそばにいたら、いつ何時、あんなものやこんなものをいきなり見せられることになるかもしれません。しげと付き合うにはご覚悟を(~_~;)。
昨日放送されてた『ルパン三世 盗まれたルパン〜コピーキャットは真夏の蝶〜』、途中まで見てたんだけど、作画レベルがまたちょっとダウンした印象で興醒めしてしまった。テレビスペシャルなんだし、1年1本のイベントなんだから、もう少し、構図とか間とかに凝ってほしいと思うんだけど。でも、新創刊された『ルパン三世オフィシャルマガジン』によれば、今回のルパン、原作者のモンキー・パンチは気に入ってるそうだ。うーん(~_~;)。
最近の日記、話題もあっちこっちに飛んでゴチャゴチャとしてたのだが、それで書き忘れていたこともいくつか。
俳優の下条正巳さんの死去もそうで、25日にすい臓ガンのために亡くなられていたのだった。享年88。「『男はつらいよ』の『おいちゃん」死す」と、どの新聞にも掲載されていたが(「下条正巳」の名前より大きかった)、これがもう、二つの点で違和感ありまくりである。 一つは、一作目から同シリーズを見ている人にとっては、森川信以外に「おいちゃん」はありえないという点だ。トラブルメーカーの寅さんを怒鳴りながらも、亡兄の忘れ形見を半端者にしてしまったという負い目を感じさせる演技は、森川信にしか出せない。その意味では二代目おいちゃんの松村達雄とともに、ワリを食った人ではあった。 これだけでは下条さんが大根であったように聞こえてしまうが、そうではなくて、下条さんには確かに「おいちゃん」のような好々爺然とした役も多かったが、役者としての本領は、別のところにあったのではないかと思うからである。これが第二点の違和感。何度かヤクザ役も演じているのだが、そのときの眼光の鋭さ、陰険な笑いなどは、どちらかと言えばこういう役のほうが似合ってるんじゃないかと思わせるものがあった。少なくとも、「おいちゃん」役だけで片付けてよい人ではない(『円盤戦争バンキッド』にも出ていたらしいが、昔、見てたのは確実なのだけれど、「つまんなかった」という感想だけで、あとは全然記憶にない。奥田瑛二が主役だったってのも、かなりあとになって知ったくらいだからなあ)。 『男はつらいよ』シリーズの呪縛は、未だに出演者を解き放ってくれてはいない。倍賞千恵子も前田吟も、三崎千恵子も吉岡秀隆も、もしかすると佐藤蛾次郎や関敬六、朝丘ルリ子まで『男はつらいよ』がらみでしか語られない場合もある。もしも朝丘ルリ子が亡くなったら、「リリー死す」とでも見出しに出すつもりか。 「そういう見方でしか映画を見られないのか」と悲嘆するか、「いや、そういう見方であろうと映画を見てくれる」と好意的に解釈するかは人それぞれだろうが、少なくとも前者が少なければ、DVDボックス『渥美清メモリアル 渥美清・もう一つの世界』なんて企画は通らないのである。「俳優・下条正巳死死去」と素直に書けないマスコミの非常識を声高に叫ぶ人がもっといてもいいと思うのだが。
映画関係のニュースでは『くりぃむレモン』実写化……というのにのけぞる。監督は『リアリズムの宿』の山下敦弘監督。選ばれたのは当然のごとく『亜美』シリーズみたいだ。いくらアニメの実写化がはやりと言ってもそんなもんにまで目を付けるというのは、なんなんだ、と思ったけど、考えてみりゃ、あれが「妹」ブームの元祖なのかも(^_^;)。別に18禁というわけでもなく、一般公開するみたいだし、本当に17歳の女の子使うみたいだから、意外に普通の映画になるのかもしれないけれど、その主演の村石千春って娘、亜美にしてはチトぼーっとした顔しすぎてないかな? いやまあ、「そんなアダルトアニメなんて知らん」と仰る方にはそんなこと聞かれても答えようがありますまいが。一応、参考までに映画の紹介欄を以下に。↓ http://www.fjmovie.com/main/movie/2004/creamlemon.html
“普通の”(^o^)テレビアニメ関係でも、秋以降の新番組のホームページなどが続々と開設されているが、『焼きたて!! ジャぱん』とか『リングにかけろ』とかのテレビアニメ化にも驚いた。面白くなるのかどうか、トンガッたものになるか、無難なところで治まるか、どうにも未知数で、判断に困ってしまうのである。 サンデー系なら『ジャぱん』よりも『かってに改蔵』の方をアニメ化してほしかったくらいなのだが(連載終わったけどね)、料理ものアニメは『ミスター味っ子』以来、間隔置いて作られて来てるし、小学館漫画賞は取ったしで、企画が通りやすかったんだろう。それは一応、分かりはする。分かりはするんだけれども、本当に制作会社のサンライズが面白いと思って作ろうとしてるんだろうか、そこがちょっと疑問ではあるのだ。いくら定期的に仕事を取らないと製作プロダクションは経営していけないものだ、とは言うものの、会社が乗り気じゃないと、ロクでもないものしかできないことは目に見えている。原作は料理ものをマンガとして見せるためにかなり「ムリ」をしているので、そのまま引き写しただけじゃ、ただのヘンなアニメにしかならないし、まして声優演技だけに頼って枚数ケチったりすればショボショボになることは明白だろう。これはテレQでも放映するので、一応、その辺を確かめることはできるんだけど、ちょっとばかし不安。 『リングにかけろ』は……まあいいか。今アニメ化してもファンになる腐女子はいるのだろうなあ。SFファンはどうする?(^o^)
今日こそ『ケロロ軍曹』を見てやろうと、テレビの前に陣取ったが、時間を間違えていた。朝10時からなのに、10時半からと勘違いしていたのである。おかげで未だに「アフロ軍曹」を見られていないのである。来週こそは。 昼から福岡市民会館で、舞台『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』を見る。感想はコンテンツに『そのうち』上げようと思うけれども、いや、スタンディングオベーションのすごいこと。同じ山田和哉演出でも、前回の『GOOD』とは大違いである。レイ・クーニー喜劇の日本化は『君となら』で三谷幸喜が行っており、それが山田氏が最初に演出した舞台だから、「慣れている」と言えば言えるのだろう。 けれど相変わらず喜劇にうるさいしげは、会場大爆笑のこの芝居にも「つまらなくはないけど、好きにはなれないし、面白いとも言えない」と辛辣。翻訳劇の「ムリ」なところにやたら引っかかってるみたいだけれど、それはないものねだりってものなんだけどなア。
深夜、WOWOWで『モンキー・パンチ 漫画活動大写真』第1話。あまりおもしろくない短編がいっぱいと、15分アニメ『幕末ヤンキー』に30分アニメ『スパイ貴族』。 これもアニメーションとして面白いのはオープニングとエンディングだけなんだけど、どの作品も原作読んだことないのばかりだったので、話自体は楽しめた。絵柄としては、これまでのどのモンキーアニメよりも原作の絵柄に近い。『ルパン』もこの絵柄でやってくれるのなら短編だけじゃなくて、ちゃんとした30分ものが見てみたいなあ(不二子の髪形は残念ながらショート・カットバージョンだけど)。
2003年07月31日(木) 女の子がいっぱい/『恋愛自由市場主義宣言! 確実に「ラブ」と「セックス」を手に入れる鉄則」(岡田斗司夫) 2002年07月31日(水) しげ、肉離れ?/『けろけろ 緑の誓い』(矢島さら)/『風雲児たち 幕末編』1巻(みなもと太郎)ほか 2001年07月31日(火) 山田風太郎死す/『新・トンデモ超常現象56の真相』(皆神龍太郎・志水一夫・加門正一)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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