無責任賛歌
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
2002年01月16日(水) |
どんぶりめしがいっぱい/『パワーパフガールズ<DCコミックス版>』1巻(クレイグ・マクラッケン)ほか |
仕事が伸びて、迎えに来てくれたしげを1時間待たす。 「やあ、遅れた、ごめん」と謝ったのだが、言い方が多少ぶっきらぼうだったので、「威張って待たせるな!」と怒られる。 「別に威張ったりしてないよ」 「うそ。『ごめん』って言いながら、ニヤニヤしてるし」 「照れ隠しに笑ってるんだよ」 「はん、笑って許してもらおうって魂胆だね」 「……そうやって、波風立てて楽しいか?」 「ほら、そうやって責任転嫁する。自分が悪いって思ってない証拠やん」 「……今日はしつこいなあ、お前」 「シツコイって……!」 「寿司屋に行くか?」 「うん行く!」 ちょろいもんである。
けれどふと見ると、寿司を食うにはサイフの中身がやや心許ない。 さりげなく「それともほか弁がいいかな?」と言ったら、「そっちのほうがいい!」としげ、乗る。 しげはその日その日で食いものの好みが変わる。 「しばらくほか弁を食べてない」 「しばらくカップ麺を食べてない」 そういう、ちょっとした間を狙って誘うと、ホイホイと乗って来るのだ。 安上がりですんで助かるなあ。 それにしても、食いものだけでマインドコントロールができる妻ってのもラクなんだか情けないんだか。
しげ、リンガーハットから余ったメシをもらってくる。 しげはたまにそういうことをしてくれる。これまでにもバイト先を転々としているしげであるが、それが全て食いもの屋であるのは明らかにソレを狙っているからであろう。 米を炊く必要がなくて助かりはするのだが、今日は量が異様に多かった。 どんぶりに二杯、更に握ったメシも十数個。 「なんだよ、この量は」 「だって余ったんだもん」 ドンブリでも一杯くらいならなあ、特に問題はないんだが、これだけあると一日では食べきれない。かと言って二日も三日も持たせてたら冷蔵庫に入れてたって、悪くなる。 「……今から食うしかないか」 しかし、オカズになるものが、ちょうどレトルトカレーしかなかった。 ……ハラ、壊してるのにカレーかよ。 明日のトイレが楽しみである。
マンガ、竹本泉・中山星香・和田慎二・樹村みのり他『ねこミックス』1巻(宙出版・730円)。 ネコのマンガだけを集めたアンソロジーって体裁だけど、要するに竹本さんに『ねこめ〜わく』の新作を描かせるために雑誌を立ち上げたわけだな。 元ネタがアンダースン&ディクスンの『ホーカ』シリーズであることは明言している竹本さんだけれど、それがネコと美少女ってのがやっぱりいいよな(何度も書いてるがどうして竹本作品がアニメ化されないのか)。 ただ、こういう同一テーマのアンソロジー、必ずしも傑作が揃わないというのも事実である。 他作品との差別化を謀ろうと無理をしてヘンな作品が並ぶか、はたまた似たような作品が並んでしまって、印象が相殺されるかのどちらかだったりするが、さて、これは後者のように思う。 一作一作を読んでみるとおもしろくはあるんだけれど、続けて読むと「またネコかい」。ほんとに猫好きにしか楽しくないって作品集になっちゃってるんだよなあ。 気になるのは、竹本さんの『ねこめ〜わく』のサブタイトルが『……そろそろ』であることだ。 これは「そろそろ歩く」ということなのか「そろそろ終わり」ということなのか。ずいぶん長く続いてきた作品だから確かに終わってもおかしくないんだけど。 百合子ももうオトナになったしなあ。 ネタも尽きて来たのか今回のカメラネタ、そんなにおもしろくなかったしなあ。 でも竹本作品のベスト3と私が勝手に思ってる作品なんで(あとは『アップルパラダイス』と『さよりなパラレル』)、もちっとだけ続いてほしいんである。 あと、読んで気に入ったのは、樹村みのりの『おかあさんがいない』。母猫の死を、物心ついたばかりの子猫の視点で描く。物語の起伏はないが、そこが無理をしてない淡々とした筆致なので、すんなり読める。 坂田靖子の『猫ぼん』は続きものか? 舞台はイギリス、大きな屋敷に家庭教師にやってきたマスコウィッツくん、出会った生徒のパティくんはどう見ても猫……久保キリコの『ちょべりぶ』みたいだけれど、物語はそれでオシマイ。次号も続くんじゃなきゃ、話にもなってないぞ。 連載ものも単発ものも最後が全部「おしまい」なので区別がつかないのだ。
マンガ、クレイグ・マクラッケン原作『パワーパフガールズ<DCコミックス版>』1巻(小学館・788円)。 『PPG』の公式コミック。 アチラのコミックが、原作・下書き・仕上げ・文字・彩色・編集と、完全分業体勢になってるのは知ってたけど、にもかかわらず、各話の印象が変わらないってのがスゴイね。 作画が変われば面長なバブルスとかが生まれてもよさそうなものなのに(^^)。 そこが、作家性を重んじて各話のキャラの顔が多少変わってたってかまわない日本のアニメと、何より作品のイメージを重んずるアメリカのアニメとの違いなんだろう。 実際、アニメとの印象も全く違わないのだもの。 アニメでは見られないエピソードを、一部は原作者のクレイグ・マクラッケン自身が執筆しているのだ。これはもう「公式」どころかアニメに連なる新作の『PPG』と言える。 各話に石川裕人氏による日本語の解説がついてるのも親切でありがたい。 でないと、PPGを倒したモジョ・ジョジョが、フルーツパイを出された途端に負けちゃうってネタ、何のことかわかんなかったもんね(わかんないでしょ?)。 それにしてもアチラの5冊を1冊にまとめてもわずか130ページ。全ページカラーで、1話あたり150円ってとこか。まあ安いほうなのかな。
2001年01月16日(火) 雪の白樺並木、夕日が映える/『風の歌うたい』(吉田秋生)
日記の表紙へ|昨日の日記|明日の日記
☆劇団メンバー日記リンク☆
藤原敬之(ふじわら・けいし)
|