無責任賛歌
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2001年11月17日(土) |
多分愛してるんだろう/『料理少年Kタロー』第7話/『カスミン』第7話 |
オタアミ当日まであと7日! カウントダウン7!
ここんとこ、しげのロドリゲス(スズキのWAGON‐R)のBGMが『ブルース・ブラザース2000』から『ザ・ラットルズ』に代わっている。
この日記を読んで下さってるような奇特なオタクの方なら、もう説明するだけ野暮ってもんなんだが、一応簡単に説明しておく。 イギリスの伝説的コメディ番組である『空飛ぶモンティ・パイソン』の一員であるエリック・アイドルが(この人のコトまで説明してたら、またやたら長くなるので省く)、ニール・イネスと組んで、ビートルズのパロディ・バンドを作り、あたかも『ラットルズ』というグループが実在したかのようにでっち上げたニセドキュメンタリー番組なんである。 パロディであるから、ビートルズの四人に当たるキャラクターだけでなく、当然オノ・ヨーコもいるわけで、これが女ナチスのキャラで登場してるのを見たときには爆笑した。いやもう、チョイ役でジョン・ベルーシやビル・マーレイ、ミック・ジャガーや本家ジョージ・ハリスンまで登場するというトンデモなく豪華なモノである。こういう番組の常としてクレームは相当つけられたらしいが、放送にあたっては幸いダン・エイクロイドの登場シーンが多少カットされたに留まった(ビデオ版では復活)。 何よりスゴイのは、番組み中に演奏される30曲余りの音楽が、本家ビートルズの音楽と比べて遜色がない出来だったってことだ。事実、「ラットルズ」のCDが発売されたとき、「あれは本当にビートルズが歌っている」というウワサがマコトシヤカに流れ、それはかなり多くの人に信じられた。「チーズとオニオン」なんて曲にいたっては、ジョン・レノン本人が「オレはそんな曲歌ってない」と明確に否定したにもかかわらず、「いや、あれはレノンの声だ」と言いはる人がいて、アホなことにジョン・レノンのアルバムにうっかり収録されたりもしたくらいなのだ。 ウソだと思うなら、輸入CD買って聞いてみればいい(日本版は多分廃盤)。歌詞もメロディーも、「本歌取り」の名前がこれほど相応しいものはない。今すぐ聞けない人は、“ALL WE NEED IS LOVE”が“ALL WE NEED IS CASH”ってタイトルになって、あのメロディーラインで演奏されるオカシサを想像していただきたい。
残念ながら、ソフトな歌声で知られるエリック・アイドル自身は、ラットルズの一員、ダーク・マックィックリー(誰のパロかはよく解るね)を映像の上では演じていても歌そのものはオリー・ハルソールによる吹替えである。これは当時エリックが盲腸で退院した直後だったためだが、エリックの声でポールの……ああ、いやいや、ダークの声を聞きたかったと思ってるファンは私だけではあるまい。 あと、『ザ・ラットルズ』というのは初めビデオで発売された時の邦題で、現在入手できるDVDは『ラトルズ 4人もアイドル?!』という腑抜けたタイトルになっている。全く、日本人のこのギャグセンスのなさってのはどうにかならんもんかね。
土曜で半ドンなんだが、ちょっと残業があって、しげとの待ち合わせは1時半。「遅い」としげはぶすくれ顔。いきなり遅くなったわけじゃなくて、「遅くなるよ」と予め言っておいたのにどうして怒るかなあ。 「すぐにはウチには帰らんけどいい?」 「どこか寄るとこあるんかい」 「それはヒミツ♪」 何がヒミツだ。しげは私がちょっとくちごもったりすると、根掘り葉掘り隠しごとがないか聞いてくるのに、自分は常にヒミツを持っていようとするのだ。要するにそれだけヒミツにしたいアコギなことをやっているということだろう。たいていは金をちょろまかしたり金をちょろまかしたり金をちょろまかしたりしてるのだ。
着いた先は近所の博多区民センター。なんだ、ホントにヒミツにするほどのこともないじゃんか。 今年の劇団の公演、キャナルシティ横の「ぽんぷらざ」を予定しているのだが、その抽選にずっと外れまくっていたのである。苦肉の策で、数ヶ月分、一気に予約を入れたら、今度は二つも当たってしまった。おかげで片方、予約を取り消さねばならなくなったのであった。 土曜の午後のせいだろう、体育館や公園が隣接しているセンターの駐車場、満杯で車を停めるスペースがない。仕方なく路上駐車に近い状態で、車の出入り口の場所に一時駐車して、しげだけが走って予約取り消しに向かう。私は車中で誰か人が来たときの言い訳役(+_+)。 幸い5分ほどでしげは帰ってきて、怖いあんちゃんにすごまれることはなかったのであった。
結局、予約が取れたのは5月11日になった模様。こりゃまた半年も先とは伸びたものだが、スタッフも少なく常時集まれるわけでもないウチの劇団にとっては、練習する余裕ができたってことか。まあ、その間に「できちゃった結婚」するやつがポコポコ出なきゃいいんだが(^^)。
帰宅した後、ロドリゲス洗車。 しげ、バケツにお湯を汲んで、えっちらおっちら駐車場まで運ぶ。重い荷物を持つとしげはバランスが崩れるせいか、必ず首を傾げて歩くクセがあるが、頭がフラフラして、日頃から知恵の足りないしげがますますおバカに見える。 30分ほどかけて車体を一通り磨いていくが、中古のわりにはたいした傷がない。この間からパンパー引っ掛けたりいろいろぶつけてるのに、そういう傷もたいして目立ってないのだ。磨いていくうちに、ツヤも出て来て、何となく新車っぽく見えてくるから不思議である。 しかししげ、部屋の片付けはマトモにしようとしないくせに、自分の車となるとこんなに一生懸命にきれいにしようとするんだなあ。つまり日頃掃除しないのは、私のために家事するのはイヤだってことだよな。 それなのにこうしてしげの洗車を手伝ってる自分が健気過ぎて泣けてくるったらありゃしない。とほほ(T.T)。
RKB『ウルトラマンコスモス』第19回「星の恋人」。 軍事衛星「アンジェリカ」の攻撃コンピューターが誤操作し、たまたま通りかかった飛行物体に反応して攻撃を仕掛けた。 ある日、トレジャーベースの施設見学にやってきた一人の美青年、それは先日アヤノを事故から救った青年だった。だが、彼の正体はミゲロン星人・レダ。アヤノに衝撃波を与え、人形のように操り、EYES司令室から「アンジェリカ」を宇宙ステーションに激突させようとする。飛行物体に乗っていたのは彼と、彼の恋人。そしてその恋人はあの事故で命を落としていた……。 まあ、つまり宇宙人の復讐話なんだけれど、ありふれてると言うか、陳腐な印象は免れない。第一、ムリヤリ怪獣を出してコスモスと対決させる必然性が全くないのだ。「復讐のエネルギーを怪獣化させる」なんてめんどくさい設定になんかしないで、ミゲロン星人の正体が怪獣だったってことにして巨大化して戦わせた方がずっとスッキリする。いや、宇宙人をナマミの俳優に演じさせたりせずに最初から怪獣でやればよかったんだ。 比較しちゃ悪いかもしれないけれど、異形のモノの悲しみを打ち出してた初期ウルトラマンには遠く及ばない。
NHK教育『ドラマ愛の詩・料理少年Kタロー』第7回「美人陰陽師のユウウツ」。 タイトルだけ見ると、マジメな料理ドラマなのかと思いきや、こないだは江戸時代からKタローのご先祖様の料理人(池乃めだか!)がタイムスリップしてくるし、今回は安倍晴明の子孫で実はキツネの化身に元気の出る料理を作ってやるという、そんじょそこらの料理マンガなんかとは毛色が二色も三色も違っている。 つまり「どんな世界でも料理で人を救える」って料理万能ドラマだったわけだね。来週はついに宇宙に飛び出し熱唱する水木一郎と対決するらしい。なんじゃそりゃ(^_^;)。 でも、こんなヘンテコな「SF」まで制作するなんて、完全にこの『愛の詩』シリーズは平成の「少年ドラマシリーズ」になりおおせたな。今のところDVD化されてるのは『六番目の小夜子』だけみたいだけど、『まぼろしのペンフレンド2001』も『お嬢様は名探偵』も『浪花少年探偵団』も、とっとこDVD化してほしいもんである。
NHK教育『カスミン』第7話「ポトポット、悩む」。 『バンパイヤンキッズ』を見るのも飽きてきたので、ウラの『カスミン』、第一話以来久しぶりに見る。 カスミンとヘナモン(素直にオバケとかもののけって言ってほしいなあ。設定を作りこみすぎるとかえってクサくなるんである)たちとの同居もまあうまくいっているらしい。 合唱コンクールの発表が近いカスミだが、クラスのみんなはてんで部活だ塾だとまるで協力しようとしない。同じようにポトポットも屋敷のみんなのお茶の好みがてんでんバラバラなのでてんてこ舞い。ついにはノイローゼになってお湯すら沸かせなくなってしまう。 結末は無理せず落ちついて、何もかも自分一人でしょいこもうとしないで、という、いかにも本郷みつるさん的な終わり方をするのだけれど、子供向けとは言え、もうひと捻りほしかったかな、と思う。どうも全体的に、脚本や監督が気負って作ってるとこあるんじゃないか。 ギャグが今一つ効いてなくて、話の中に説教くさいところがチラホラ見えてきちゃってるのである。……「教育」だからしかたないのかなあ。
夜、こんな夢を見た。 ある日、劇団のみんなとどこぞの居酒屋で飲み会をしている。 しげが突然「私もようやく独立できるようになったよ」と言い出す。 私はドキリとして、それでも心の動揺を隠しながら「なんだ、仕事でも見つかったのか」と聞く。 しげは私を睨みつけ、「結婚するんだよ!」と怒鳴る。 実は、夢の中でしげは私の妻ではなく愛人なのであった。 劇団を維持するために夫婦のフリをしているだけなのだった。 みんなは口々に「おめでとー」「おめでとー」と拍手をするが私だけは機嫌が悪い。思わず「だ、だ、誰とだよ」と聞き返す。 「なんでそんなことまでアンタに話さないといかん。他人やん」とニベもないしげ。 あくまで高圧的に「言えよ、誰とだよ」と詰め寄る私。 「私にだってプロポーズしてくれる人はいるよ。Aさんとか、Bさん。Bさんはハイヤーでいつも私を山越えで送ってくれるし」 知らない名前を告げるしげ。二人もいるのか、それにしても「ハイヤー」なんて今時あるのか、第一どこを山越えしてるんだと首を捻る私。 しげが急にニコニコする。見ると、居酒屋の入口から入って来た若くて背が高くて保坂尚輝の顔をもっと精悍にしたようなヒゲを生やした男が入ってくる。 しげ、その男の腕に飛びついてうっとりとしなだれかかる。 しょ、しょ、しょうがないもんな、べ、べ、別に、お、お、おれの女ってわけじゃないんだししし、と震える手で酒を飲む私。 「そいつが新しい男か?」と聞くとしげは「ううん、別の人」と答えて、なのにそいつと手に手を取って居酒屋を出ていってしまう。 追いかけるわけにも行かず、酒を煽る私。ふと見ると、目の前のテーブルには小ナベになみなみと水が注いである。 「これ飲めるのかな」と隣の父に聞く(どうして劇団の席だってのにオヤジがいるのかね)。 兄が、「飲まん方がいい」と忠告する。 でも私は鍋の水を一気に飲み干してしまう。で、やっぱり飲まないほうがよかったと気がつく。その水は涙の味がしたからだ。
わ〜、照れくさい夢(^_^;)。 夢の中で私、自分にとってしげはベストハーフだと思いこんでるんだもんなあ。ついこうして日記に書いちゃったけど、しげが読んで喜んだりしたらヤだな(+_+)。 いや、読まないはずはないって解ってんだけどさ。たまには女房サービスしておかないと、しげのやつ、周囲に私が冷酷無慈悲なド外道のように吹聴するので、誤解を解くのにひと苦労するのである。
2000年11月17日(金) 一日一ドジ女房/東野英心死す。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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