無責任賛歌
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2001年11月12日(月) |
だからアメリカは戦争好きなだけだってば/『ザリガニマン』(北野勇作) |
オタアミ当日まであと12日! 12日しかないのだ!
朝、鏡を見て、つくづく白髪が増えたなあ、と思う。 去年から今年にかけて一気に増えて、1年で5歳はトシを食ったみたいに頭は半白状態。 しかもこの休日の二日、ヒゲを剃らないでいたらいつの間にかヒゲの中にも白髪がチラホラ増えている。うわあ、ついにヒゲまで来たか。初めてヒゲ剃ったのだってついこないだだって気がしてたのに。 こういきなりだと、江戸川乱歩の『白髪鬼』もあながちウソじゃねーよな、と思えてしまうんである。 白髪もそうだが、髪自体がすっかり薄くなってしまって、そのうち禿げるのは時間の問題。オヤジもすっかり薄くなっちまったし、ジイさんがだいたいツルっパゲだったし、まあ覚悟はしてるんだが、しげが「デブでも○○でもギャランドゥでも構わないけどハゲだけはイヤ」と、愛情のカケラもないことを言ってくれてるので、ヨイヨイになったころには見捨てられるのはまあ間違いのないことだ。 胡蝶の夢だね、人生は。
北野勇作『ザリガニマン』(徳間デュアル文庫・500円)。 「デュアルノヴェラ 新・中編シリーズスタート!」とオビには大きく謳ってるけど、中編で200ページ足らずで500円ってのはいくら文庫の値段がひと昔の単行本並になったからって言っても、ちょっとボリ過ぎじゃないのか。それともこういう新シリーズを出したってことは、デュアル文庫、そんなに売れてないのか。今んとこ一番充実したSFシリーズ出してくれてると思ってたのになあ。 紙質がいいから、この値段でも仕方がないのかもしれないけれど、せめて380円くらいにしてほしいなあ。昔のジュブナイル文庫っていったら、200円くらいで買えたんだから。 それはさておき、書き下ろしの本作、『かめくん』の姉妹編である。 なんとなく日常の中でそこにいて、何となくたまに人類の敵と戦って、なんとなくいなくなるメカかめくんの、何となく温かいような切ないような、ちょっと言葉にしにくい味わいの前作は、読後の感想も本を読んだような読まなかったような、すぐ忘れてしまいそうな忘れられないような、淡くて愛しい感じの作品だった。 かめくんの敵はザリガニだったけれど、どうして敵がザリガニだったのかは、この『ザリガニマン』で明らかにされる。オチの部分に関わるのでハッキリとは書けないが、結局は愚かな人類が自分で撒いたタネだった。しかもモチーフが『うる星やつら2』。自分の今いる現実があまりにバカバカしいなら、フィクションの世界に生きたっていいじゃないか、現実をフィクションで塗り替えたっていいじゃないか。多分こういう感覚、相当我々の世代の脳ミソに刷り込まれてしまってるんである。 まあ、そのフィクションが主人公のトーノヒトシにとってみれば、必ずしも「ザリガニマン」なんてダサイものであってほしいわけはなかったんだろうが、思いついてしまったものは仕方がない、“生み出された虚構は必ず現実として存在する”というフレドリック・ブラウンの『発狂した宇宙』説が、ここでも生きているというわけだ。 面白かったのか面白くなかったのか、笑えたのか泣いたのかよく分らない、でもそのメロドラマに行きそうで行かない、その寸止めの筆致が、北野勇作の特質なんだろう。そこはやっぱり好きなんだろうな、私は。
まだ月末になったわけでもないのにもう財布の中はカラッケツ、しかたなく買い置きの小エビとグリンピースを薄口醤油とみりんで煮詰めて、卵でとじて食べる。ああ、これは久々のヒット料理かも。けれどマメ嫌いのしげはちょっとつまんだだけで食べないのであった。この偏食はもう一生治らんのだろうな。
しばらく仕事が忙しくて、テレビのニュースも見ていなかった。 CSのニュースチャンネル、同じニュースを何度も流してくれているので初めに聞き逃しがあっても安心。新聞を読んで確かめたりしなくても、結構、事件の細部まで確認できる。 埼玉で、スーパーダイエーの屋上から、下の立体駐車場に女子中学生二人が飛び降り自殺のニュース。 遺書らしきメモが十数枚残されていたそうだが、ニュースで取り上げるのは当然のように内容をごくごくかいつまんだだけ。要するに「生きていく意味が分らない」ということだそうだけど、十数枚の内容がそれだけで説明できるはずもなし、やはりマスコミはプライバシーの関係で肝心なこと隠してるんじゃないかと勘繰る。 9割9分の確率で、この二人、多分レズだろうね。 「クラスでイジメにあっていた」「二人だけヘンな浮き方をしていた」などの周囲の証言とも一致するし。だとしたら、いつもは自筆の遺書が残ってればそれを堂々と公開するマスコミが、今回に限って「自粛」した報道をしていることの理由も納得がいく。 だからこれ、「自殺が二人」じゃなくて「心中」なんだと思う。「親から勉強のことで叱られた」っていうのも、「二人の仲をとがめられた」と読み替えた方がいいし、「生きてく意味が分らない」っていうのは「ほんとは二人で生きていたかった」ってことだろう。死んでもなお二人の真実が隠されたままってのはそっちの方がずいぶん差別だと思うんだけどな。仮に二人がレズじゃなかったとしても、自殺の動機が隠されてることは紛れもない事実だし、中途半端に隠すくらいなら、報道すること自体、控えたらどうなんだろうね。
またまた某巨大掲示板にこの日記がコピペされる。 今度はミステリ関係の本の書評だった。 どういうものがコピーされるかと思ったら、たいていはある作品をクソミソに貶した場合に限るようだ(^o^)。誉めても「あ、そう」で終わるけど、貶すと「よう言うた!」って感想を抱く人が多いみたいなんだね。 でも、お客さんがたくさん来てくれるのはいいのだが、こちらの掲示板やメールの反応が全くないのはちと寂しいな。これが私がうら若い女性だったら、からかいの書きこみがドドドっとあったろうに。 ……実は私って、現役女子高生のぴちぴちぎゃるだったんだけど、信じる?
日記を書いているうちにだんだん頭痛がして来る。 どうも風邪を引いたらしい。出来るだけ早いうちに日記を更新しようと思うのだが、どうにもパソコンの前に座っているのが苦痛になって横になる。
……と思っていたら11時過ぎ、またもやとんでもないニュースが。 はい、アメリカでの飛行機墜落の事故です。 でも、リアルタイムで見ていると、情報が錯綜している様子がよく分るね。 初め女子アナが「アメリカン航空ボーイング767型機が着陸間際にクイーンズ地区に墜落」って繰り返し喋ってたけど、すぐに「587便エアバスA300型機」と訂正された。 それどころか、現場にいた人間が「ヘリコプターが飛行機を撃墜したのを見た」とか言っている。……んなバカなことあってたまるか。武器がないからこそ乗っ取りテロやったってのに、テロリストたちがヘリを扱えるわけないし、第一、それならそのヘリでホワイトハウス狙うに決まってるじゃないか。たかが民間機墜落させてどうする。 事故かテロかはよく分らない、と報道してるが、これで分るのは、アメリカ自身、「テロや戦争を無意識のうちに望んでる」ってことだ。ああ、また連日あの既知外どもの百万言を聞かされなきゃならんのかね。
2000年11月12日(日) せめて漢字くらいは……
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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