無責任賛歌
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2001年11月09日(金) |
いちまんななせんえんの幸福/『GUN BLAZE WEST』2・3巻(和月伸宏)ほか |
オタアミ当日まであと15日! 15日しかないのだ!
昨日の日記に書き忘れた分。 しげ宛ての封書が届いていたのだが、これが西日本新聞社からの通知。 いったいなんじゃらほいと覗いてみると、中味は「ドイツ・ザクセン=アンハルト歌劇場オペラ『さまよえるオランダ人』」の招待状。 「あ、これ、『ファントム・ペイン』の時のアンケートに答えたやつが当選したんだよ!」 ああ、そう言えばそんなの書いたっけ。 しかし「当選」? マジかよ。 しかも「S席2名」ってことは……い、い、いちまんななせんえんのせきをにまいいいいい!? 西日本新聞、なんちゅー大盤振る舞い! いやあ、しげってこんなにクジ運よかったっけ。まるで毎回福引で海外旅行が当たる野原しんのすけ一家のようだ。オペラだから当然全部ドイツ語なんだろうけれど、字幕は一応つくみたいだし、何より本格派のオペラを見られる機会なんてそうそうあるもんじゃない。 こりゃなんてラッキー! ……と思いきや、日時が11月16日、平日の金曜日で、開場が5時半、しかも場所が福岡サンパレス!? 仕事があるじゃん! 遠いじゃん! どーやって行けっちゅーの! ……ううう、これはもしかしたら仕事によっては行けないかも……(TロT)。 しげも「バイトを休まなきゃなんないじゃん、『芝居があるから休ませてくれ』なんて言いにくいよう」と悩んでいる。 全く、勤務時間も終わってるってのに、夕方からちょっと遊ぶくらいのこともままならない生活なんて馬鹿げてるっつーの!
朝は晴れていたのだが、夕方からポツポツと雨模様。 こういう時、しげがクルマで送り迎えしてくれるのは嬉しいなあ、と思っていたら、帰る時間になってもしげが迎えに来ない。 どうしたのかと思って自宅に電話したら、息も絶え絶えな声が電話の向こうから聞こえてくる。 「ああ……ごめん……なんか、むっちゃ疲れて、迎えに行けん……」 「なん、どしたんね」 「わからん……でも、たぶん疲れてるだけ……帰れるんやったら自分で帰ってきて……」 帰れるんやったらって、じゃあ「帰れん」と言ったら迎えに来れるようになるのか。ンなわけないじゃんか。 仕方なく一人で帰ることにするが、バスと電車を乗り継ぐと、クルマで家まで15分のところが、今日は雨天で車の進行が遅くなったせいもあったのだろうか、なんと2時間かかる。 ……遠回りにもほどがあるぞ。
なけなしの金をはたいて弁当と栄養剤を買ってくるが、食欲のないしげは口をつけようとしない。 具合が悪くても仕事には行くようだから、ちょっとくらい飲んでいけばいいのに。 ふと気がついて訊いてみた。 「『ナジカ』見た?」 「うん、見た」 ……ビデオ見る元気だけは残ってるんじゃないか、このガキゃ。
CSキッズステーション『ナジカ電撃作戦』MISSION 005「深紅に染まる水平線ははかなき夢と共に」 わあ、これまでも面白かったが、この第5話、今までで一番の傑作だぞ。 これまでの話だと、第1話を除けば「ヒューマリットは誰?」というミステリ的興味で引く部分が大きくて、前半はやや動きに欠ける部分があった。それは多分に「作画枚数の節約」という意味もあったと思うが、今回は開巻後すぐにヒューマリットが登場する。 ナジカを船上からライフルで狙う少女。これがもう、尼僧姿の女の子というキョーアクな(何がだ)もの。あまり動かさずにサスペンスを盛り上げる方法を、キャラクターに和服を着せることで凌ぐとはこれはなかなか秀逸なアイデアだ。でもやっぱりパンチラはあるのね(^_^;)。……和服の下はノーパンじゃないのか? いや、そんな作画できないことはわかってるけどさ。
長距離弾道ミサイルが奪われ、母国転覆を狙うカイデル将軍(声・大塚周夫!)の手によって発射されようとしている。その野望を阻止するためにナジカとリラはカイデルの民間船に潜入するが、尼僧姿のヒューマリット・コハル(声・西村ちなみ!)が攻撃をしかけてくる。 幼い姿のコハルに、つい攻撃の手を緩めてしまうナジカ。その隙をついて、コハルはリラを海中に叩き落し、ナジカを追いつめる……。なんかもう、「美しき小悪魔」って感じでいいよ、コハル。ナジカに腕を取られて「痛いよ……」と苦しげにうめく声がまたキョーアクだし(だから何が)。こんないいキャラクターがたった1話で使い捨てってのはなんてゼイタクなアニメか。 それにしてもカイデル将軍、和服だったり船内に茶室作ったりする日本趣味なのは、まあ、わかるとしても、なんでまたヒューマリットにコスプレさせるのにわざわざ尼僧姿……?
マンガ、和月伸宏『GUN BLAZE WEST ガンブレイズウェスト』2・3巻(完結/集英社・410円)。 3巻で終わりってのは全くの打ちきりなわけだけれど、ダラダラ長く続く連載が多いジャンプの中にあっては、まあ、キリのいい終わり方をしたと言っていいんじゃなかろうか。 ともかく、中書き、後書きで言い訳を書くのが好きな和月さん、今回も「準備もなくて連載が始まった」「○○のキャラは○○のマネ」などなど愚痴ばかりだけど、『るろうに剣心』の時もそうだったが、過剰な卑下はかえってイヤミにしかならない。『おじゃ魔女どれみ』のおんぷちゃんとこりすが似ちゃったって、そんな偶然の一致まで恥ずかしがってどうするんだろう。 キャラクターや風俗が西部劇じゃないということは実はたいした欠点じゃない。時代考証にとらわれて、マンガとしての面白さが相殺されるより、自由奔放な想像力を駆使してくれた方がずっと面白いからだ。逆にその発想の飛び方が不充分だった面すらある。 それよりもプロットが全く『ワンピース』と重なってること、なのに連載のGOサインを出したジャンプ編集部のバカさ加減の方が問題にされて然るべきだと思うなあ。 ジャンプももう2、3回はチャンスをくれるだろうから、和月さんにはこれにメゲずに(愚痴る元気があるなら大丈夫だろうけど)次回作に向かってほしいもんである。
2000年11月09日(木) だって猿なんだもん/『グーグーだって猫である』(大島弓子)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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