無責任賛歌
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記




ホームページプロフィール掲示板「トーキング・ヘッド」メール
藤原敬之(ふじわら・けいし)

↑エンピツ投票ボタン(押すとコメントが変わります)
My追加


2001年07月07日(土) オタクな××話/『こんな料理に男はまいる。』(大竹まこと)ほか

 七夕だけど、小雨がチラホラ。
 今年も織姫は涙にくれていよう。
 ……いや、お姫様、一年に一度会えるか会えないか、なんてアテにならない相手よりも、このボクの熱い、燃えるハートに触れも見でさびしからすやウヒウヒウヒ、というのは椎名高志のギャグ。
 どういうわけだかウチの職場にも竹笹が飾ってあって、「有久さんも短冊を」といわれたので、つい、「妻が料理を作ってくれるようになりますように」と書きこんでしまった。
 私はいったい何を夢を見ているんだろうね。

 大竹まこと『こんな料理で男はまいる。』を読みながら、まあ、このレシピを読みながら料理を作るような女はやっぱりバカな女だろうな、などと不遜なことを思う。レシピに頼らず、自分の目の前にいる男が何を求めているか、それを見ぬいて料理を作る。そんな難しいこと出来ない、と文句を言うようなら「男と一緒にいる」意味はない。「私だけを見つめてほしい」と女が男に望むのなら、女も男のためだけの料理を作れなくてどうするのだ。
 もちろん、私がしげに作る料理はしげのためだけの料理である。しかし、しげが私のために作る料理はそうではない。しげ自身の料理でしかない。

 私の知り合いの女性で、花嫁修業で料理学校にさくさく通い、いざ結婚後は存分にその腕を振るって、毎日毎日ビーフストロガノフノフホフとか舌平目のムニムニエルとか、そんなもんを作り続けたけれど、夫はだんだん料理を食べ残すようになり、更には家計も逼迫しだして、一時期、離婚の危機に陥った、という人がいる。
 ちょうどそのころ、その女性は私に「あなたと結婚すればよかったかしら」などと、その気もねーくせに私をダシにして自分の正当性を訴えたりもしていたのたが、なんか男を徹底的にナメてくれる女だなあ、と内心立腹していたのである。
 私なら女の作る料理を喜んで食べてくれるだろう、というふうに思われていたのだろうが、私だって、そんなケッタイなものを毎日食べたいとは思わない。
 大竹さんもこの本の中で書いているように、男が女に求めるのは、「安い食材で、定まった普通の味で、工夫のあとを見せずに」「ほっとできるような、温かくてしみるような味を一緒に味わいたい」。
 それだけなのだ。
 「私はあなたのためにこれだけのことをしてるのよ」なんて料理は嫌われるだけだ。かと言って「こんなもんでいいだろう」なんて手抜きがミエミエの料理も願い下げである。
 月並みだが、男に対する思いやりが感じられる料理。
 それだけで充分なのだ。同じ料理でも盛り付けにちょっと工夫をするとか、それだけでも男は嬉しいのである。
 なのに、その程度のことすらしない女は多い。それが男への思いやりになるってことになぜ女は気づかないか。
 実は女は、男に料理を作ってやる時、愛を注いでいるように見えて、逆に男に甘えているのである。本人は男に尽くしているつもりでも、実は男の愛情にしなだれかかっているだけなのである。そんな女は、男の心を読むこと自体しようとしない。ただただ自分の愛情を押しつけて、それを受け入れない男を恨むばかりである。
 「美味しい料理作ってあげるね」なんて言われて喜んでちゃ男のほうもバカだ。そういう女の料理はたとえ美味くても不味いのだ。

 私も結婚して10年になるが、しげに美味しい料理を作ってもらったことは一度もない。初め美味しくても、あとで必ずしげが「美味しくない?」と聞いてぶち壊すのである。「不味いか?」と聞かれれば、「そんなことはないよ」と答えざるをえない。そう答えることを強要されて美味しく味わえるはずがない。だから、「そのヒトコトを言わなければ美味いのに」と何度もしげには叱ったのだ。なのに何度も聞くものだから、私は結局返事をしなくなった。そうしたらしげは料理自体、全く作らなくなった。
 
 私はしげに料理を作ってもらうために結婚したわけではないので、それはそれで仕方がないことではあるのだが、それにしても10年間マトモな料理を一度も作れなかったというのはバカにもほどがある。
 しげの不安神経症も理解出来なくはないのだが、こちらはたいした要求をしているわけではないし(と言うよりほとんどといっていいくらい要求はしていない。手間かけなくていいと言ってるし)、本人に自分の病気を治そうという気があれば(つまり他人を気にするのでなく気遣うようにすれば)、料理は楽しい作業だと思うんだがなあ。
 要は人を思いやる喜びをしげが経験したことがないというのが一番の問題なのだろうな。料理のことは、しげの生き方そのものに欠陥がある一例なのである。多分、過去にいろいろトラウマだのPTSDだのがあったのだろうが、もういいトシなんだからいい加減で自分でなんとかしてくれないと私ゃ知らんよ。先に行くのは私の方なんだから。


 入院手続きをするために仕事を早引け。
 職場から自転車をかっ飛ばしていると、突然「ぷしゅううう」と気の抜けた音と同時に後輪がへしゃげる。わあ、またパンクだ。タイヤを見ると3センチほどの釘がブッスリと刺さっている。どうも釘が巻散らかされてるところを通りすぎたらしい。これはチューブ自体がイカレていそうな気配である。
 ウチには四台自転車があるのだが、一台は既にしげがパンクさせて半年も放置したまま、いくら叱っても自転車屋に持っていこうとしていない。さすがに二台もパンクしたままでいるわけにはいかないので、帰宅するなりしげに自転車屋に行こうと誘う。
 「行けないよ、お客さんが来るから」
 「そんなの聞いてないぞ」
 「いちいち言わなきゃならない?」
 ちょっとムカッとしたがこれから病院にも行かねばならないのでケンカなどしているヒマはない。
 「誰が来るの」
 「ハカセ」
 「何しに」
 「部屋の模様替え」
 「はあ?」
 しげは夕べも仕事、今晩は飲み会、明日は練習と、寝る時間も余りないはずなのである。それなのに、なぜ今、模様替え?
 第一、昼間は私も台本を書かねばならないというのはしげも承知のはずなのだ。側でドスンバタンと片付けされてて台本が書けるか。
 「じゃあ、自転車どうするんだよ。明日、日曜だから今日しか修理には出せないぞ」
 「夕方出すよ」
 「そう言って出さないつもりだろ」
 「出すよ!」
 嘘をついているのは一目瞭然だが、押し問答をしていては病院に行く時間すらなくなる。あとでみっちり叱ってやろうと思いながら病院へ向かう。
 

 入院先は西新の成人病センター。
 予想通り地下鉄駅から近いはずなのに路地裏で道に迷う(^_^;)。
 でも大きい割に目立たない建物だったので、見つけにくかったのも仕方ないか。こんな小さなところで設備はちゃんと整っているのか、などと失礼な心配。
 着くなり看護婦さんから「入院手続きなら電話でいいのに」と言われてガクっとなる。紹介状まで書いてもらったんだから自分の足で行かねばならんのだろうと、てっきり思い込んでいたのに。
 身長、体重、血圧と測られるが、なんだか最近の計測器もハイテクになったもんだね。身長計によっかかっただけで勝手に機械が動いて、身長も体重も測ってくれるのである。
 身長171.6センチ、体重……え?
 昨日は81.0キロジャストだったぞ。
 は、83.4キロって……?
 あ、そうか、これは服着たままからだな、それでこんなに多めに……。途端に看護婦さんの無常な声が。
 「服の分は予め引いてありますよ」


 ・
 ・
 ・
 ・
 ・


 ・
 ・
 ・
 ・
 ・


 あ、いけない。
 意識がちょっと飛びました。
 今までの検査結果から見ると、病状は私の予想より大分、悪化しているらしい。私としては8月末に入院したかったのだが、8月6日からの入院が決まる。
 盆休みは一応帰宅出来るみたいなのだが、どっちにしろ8月はほとんど不自由な生活を強いられることになるみたいだ。
 ああ、携帯用のDVDプレイヤー、この際だから買っちまうかな。
 でも持ちこみ禁止と言われたら意味ないけど。
 ホームページの立ち上げや日記の更新のための準備も七月のうちにしておかないとなあ。


 帰宅するとしげが穂希嬢と確かに片付けをしている。
 おお、確かにリビングが広々として、四、五人は座れる程度のスペースができている。
 でも、そのスペースを埋めていた本とビデオの山は……?
 何のことはない、寝室のスペースが全て消えているのだ。
 ……「模様替え」って場所移動しただけやんけ。寝室眠れなくして、どうやって今晩寝るんだよう。

 自転車の修理もやっぱり駄々をこねて行こうとしないので、仕方なく自分で行く。その分、台本が進まなかったが、今回の原稿の遅れはしげのワガママが原因なので、文句は言わせないからな。


 マンガ、魔夜峰央『パタリロ西遊記』2巻。
 猪八戒を美形にしたのは(ちょっとヒューイットっぽい)いいアイデア。
 パタリロに孫悟空をやらせるっていうからどんなに破天荒になるかと思ったら、随分原作に忠実だ。と言うか、もともと原作自体が破天荒なのである。
 でも、三蔵法師のマライヒと、那托太子が、羅漢のバンコランを挟んで恋のさやあてってのは、仏教徒が読んだらどう思うのかなあ。
 クリスチャンと違って余り怒んないような気もするけど。


 夜、中洲の『魚民』でAIQのみなさんを囲んでの飲み会。
 11月24日(土)の「2001 AIQ ODYSSEY」のチラシのゲラが出来たのでそのご披露。でも日付とかに誤植が結構あるのであった。エロの冒険者さん、チラシのスペル、「ODYSSY」になってますけど「E」が落ちてますよ。
 隣じゃ超調子っぱずれなドオンチが「ラブ・イズ・オーバー」歌いやがるわ、歯の欠けたガキは走りまわって覗きに来やがるわ、クーラーは全然利いてないわと散々だったのだが、もう話はいつもながら勝手に盛りあがること。
 なにが凄いって、ぴんでんさん、先日北海道で行われた「オタクアミーゴス」公演にわざわざ行かれたのだが、この裏話が話を聞いただけでも5000円の価値はあるという(^^)。
 余りに笑いすぎたので、「いいんですか、有久さん、そんなに面白がってて」とかえって心配されてしまったが、そんなに固い人間だと思われてるのかなあ。私は○○な話も××な話も大好きなんだが。と言うより「物語」の原典はまさしくソコやアソコに原点があるものだと信ずるものである。
 申し訳ないが、どんなに面白かったかは、とてもじゃないが凄過ぎてここには全く書けないのだ。どうしても知りたい人は、今度の九州公演のチケットを買おう。そしたらAIQのみなさんにもお会い出来るぞ。8月15日から福家書店で販売するそうですよん。
 (それはそれとして、ぴんでんさん、HP立ち上げてぴんでんさんの「武勇伝」、公表できる分だけでも公表しませんか?)
 ここに書ける無難なところで(無難なの選んだら一気に数が減るのだが)、『スカルマン』の最終回についての話題など。どうやらやっぱりアレは打ち切りだったらしいのだが、ぴんでんさんが、「まるでシマモトにイシノモリが乗り移ったかのようだ」との説には大笑い。実際、マトモに完結できた作品なんて、石森作品には少ないものなあ。
 今日初めて知ったのだが、ぴんでんさん、メディアファクトリー刊の石ノ森章太郎ワールド、全巻お持ちだそうである。それで「あまり『009』には思い入れなくて」などと仰るのだから、ほんとにAIQの方々はどこまで濃いんだか(^_^;)。
 エロさんオススメの「黒木豹介」シリーズも読んでみたいんだがなあ。相当トンデモだってことだから、かえって勇気が必要な感じなのである。今日のお話だと、なんかいきなり釣り人のエサのゴカイを「生き物を大切にしろ!」とか言って黒豹が池に放してやるシーンがあるそうである。
 ……魚に食われるって、ゴカイ。
 と言うか、それ以前に諜報員の癖にそんなアホなことやってて務まるのか。
 ああ、話してたネタ書いてたら、日記が何10ページあっても終わらん。こないだの職場のつまらん宴会に比べたら月とすっぽん、提灯に釣鐘、雲泥の差で楽しかったのであった。
 すみません、また何かあったら誘ってください。m(__)m



↑エンピツ投票ボタン
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記

☆劇団メンバー日記リンク☆


藤原敬之(ふじわら・けいし)