無責任賛歌
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2001年07月05日(木) |
疲れてるとかえって饒舌/DVD『アリオン』ほか |
朝方、まだ頭がふらついていたが、がんばって仕事に行く。 でも自転車に乗る元気がない。 昼から雨とも聞いていたので、タクシーに乗る。 案の定、仕事は溜まりに溜まっていたので、やや朦朧とした意識の中、片っ端から片付けて行く。 でも、夕方になると眼が霞んで、頭の中はユメウツツ。 で、こういうときに限って会議があったりするのよ。 会議に出るときゃ私はできるだけ目立たないように自分の意見を手控えるのだが、今日は抑制が利かない。 と言うより喋ってないと脳が眠るのだ。 気がついたら一人で30分喋っていた。 しかも超早口。 古館伊知郎の喋りを延々30分聞かされてると考えてください。 会議に出ていたほかの同僚もあきれてたみたいだが、誰も口を挟めない。 最後に私がヒトコト。 「……何かご質問は?」 みんな無言であった。さもありなん。 でも、これって下らん質問させない一つの手かもな。
帰宅は8時。 しげは仕事にもう出かけたらしくすれ違い。 連日の真夏日で全身にべとべとと汗がまとわりついているので、ともかく風呂に入る。 ……入ったはいいんだけどね。 湯船の底に、一つ、二つ、謎の黄色いツブが。 実は謎でもなんでもない。ヘタに変なものを想像しないように。 正体はコーンの粒である。 しげが風呂の中で食ったトウモロコシの粒が、湯船の底にたまっているのだ。 しかも何日も前に食ったやつが。 ……一応言ったのよ、食べ物を粗末にするなとも、お湯を入れ替えとけとも。 でもしげの返事はこう。 「だって足の裏でコロコロしたら気持ちいいんだもん」 世界には飢えて苦しんでる人だって何万人もいるというのに。これじゃ、しげが死んで地獄に落ちたとしても誰も助けてやろうとは思わんだろう。蜘蛛の糸一本だって降りちゃこないぞ。 しげ、いい加減自分が人間としてとてもダメだということに気づいてくれよう(T_T)。
東京のこうたろうくんからお中元が届く。 ああ、こんなに毎年、気を使ってくれなくてもいいのに。 何を贈ってもらったのか、この日記の性格から言えばバラさなきゃならんところだろうが、こうたろう君、恥ずかしがるだろうしなあ。困ったなあ。 いや、とてもいいものなのですよ。しかも大量(^_^;)。 劇団のみんなに、ということだろうから、ウチに遊びに来てくれた劇団のみなさまにはお裾分けいたします。つ〜か、今度の練習になんぼか持ってけよ、しげ。 ああ、それにしても最近疲れ気味でメールも満足にお送りしてないのに申し訳ない。こうたろうくん、日記の上でってのは反則だけど、この場を借りてお礼申し上げます。 リレー小説も面白かったよ。オチをつけるよしひと嬢がのた打ち回る姿が眼に見えるようだ(^o^)。
ニュースでも見ようかとつけたテレビでつい『週刊ストーリーランド』を見てしまう(^_^;)。 うわ〜、本格ミステリーのシリーズも始まってたのね。でも敏腕警部・神宮寺麗子ってネーミング、なんとかならんか。 トリックのネタばらしは御法度と言いつつ、大笑いさせてもらったので今回は特別に。 『スカイダイビング殺人事件』。 キャベツ畑で栽培中の男を殺すために、犯人はまず、女をスカイダイビングに誘ってセスナの機内で殺害し、死体の服に水を染みこませた上で、その死体を抱きかかえてダイブする。 マイナス10℃の上空で、死体は凍る。地上30メートルまで近づいたところで、犯人は地上の男に向かって、凍った死体を投げつけて殺す。 できるか、んなもん。 第一、殺人の凶器を作るために無意味に殺人を犯すってなんなんだ。 こういうバカトリックが流行っちゃうってのが新本格以後の弊害の一つなんだよなあ。犯人が「事故で納まるはずだったのに! 完全犯罪になると思ってたのに!」って、そう思える心理が既に異常だよ。 ふしぎな路上販売のおばあさんのシリーズ、今日は『節約するオニギリ』。このオニギリを食べると、体が小さくなるので、ものがすべて節約できる……って、『1/8計画』かい。 もちろん、人間を縮小化しちゃったら、細胞そのものが小さくなっちゃうわけだから、通常の食料を摂取分解することは不可能になります。したがって飢え死にしますので、みだりにみなさん、小さくならないように(^^)。 『ストーリーランド』は、どの話取ってみてもほとんどトンデモ話の連続で、ツッコミどころ満載なのだが、今更取り上げるのもなあ、という思いもあるので、あまり日記じゃ触れないようにしていた。 もし読者の方の中で奇特な『ストラン』ファンの方がいらっしゃいましたら、アツク語り合いませんか?
マンガ、鬼頭莫宏『なるたる』7巻。 カバー裏のイメージボードが可愛いっす♪ って、本筋とは関係ないか。 主役の少女シイナ、今巻から中学生。せいふくキャラになったことで始末の悪いファンがまた増えたことであろう。それは私だ(^^)。 一般的に物語の主役ってヤツは、読者に感情移入させるために単純明快な性格であることを求められるが、一見素直なシイナもやっぱり今時の中学生らしく、切れやすいお年頃である。 でもグーはいかんよグーは。主役にはやらせてはいけないことというものがあるのであるが、結構『なるたる』ではシイナ、その辺を逸脱しがちなのだな。 病んでいるのである。キャラだけでなく、恐らく作者も。 音楽や遊びについて、「報酬を期待して作られるものは射幸心を煽るだけの無だな存在です」と中学生に言わせる精神というものは多分に他者に対して攻撃的すぎる。「等しい権利がどんな能力の人間にも与えられるのは平等ではありません」という能力主義の考え方、一般的にも堂々と主張してるヤツ多いけど、これ、単なる「選別」じゃないのかねえ? この考えかたから真っ先に排除されるのは病人・老人・女・子供だ。一応、このセリフ吐いてるの、この物語の中じゃ「敵」ってことになってるけど、作者のホンネ、どっちかっつ〜と敵方のほうにありゃしないか? 自分の心の中のどす黒い部分を見つめた上で物語を構成できるバランス感覚が作者にあるんだったらいいんだけどね。
マンガ、和月伸宏『GUN BLAZE WEST』1巻。 なんかね〜、こうもモロにね〜、西部モノの『ONE PIECE』やられるとね〜、ジャンプのお家事情も苦しいんだろな〜って思っちゃうよね〜。 赤毛のシャンクスにあたるマーカスを「負け犬」にしてるあたりが工夫といえば工夫だろうけど、こいつ、連載が長期化すれば絶対、敵になって再登場してくるよな。逆にこの1巻で潔く死なせとけば、和月さん、ひと皮剥けたってことにもなるんだろうけどね。 『ワンピース』だって既成作品の換骨奪胎で成り立ってるとこあるから(モロパクリもあるけど)、あまり文句をつけるのも野暮だけど、猪突猛進型の主役にクールなライバル、自信過剰なだけのやられキャラってパターンの繰り返し、描いてる方も飽きが来ないか? 読んでる方だって、意外性がないと読みつづける気になれんよ。『ワンピース』がまだマシなのは敵キャラがデタラメで予測不可能だからだ。そこまでのキャラ設定、『るろうに』のときもそうだったけど、和月さんにはまだまだ勉強不足で出来ていない。 1巻手に入れるのに時間がかかっちゃったし、もう2刷になってるから、売れちゃいるんだろうけど、さて、人気が続きますかどうか。
DVD『アリオン』。 公開当時は徳間が『風の谷のナウシカ』に続いて贈るファンタジー大作、と言う振れ込みで公開されてたような気がするが、当時も2時間枠に原作マンガ5巻分を全部詰め込むのには無理があるなあ、と感じていたが、改めて見ると、むだなキャラが多過ぎる。 ギリシャ神話に取材しちゃうとどうしてもキャラが増えすぎちゃうからねえ。あれでも随分刈りこんでるんだろうけど、まず映画にしようと思うなら、ザコキャラはどんどん省いていったほうがよかったよねえ。 監督の安彦良和が構成を川又千秋に頼んだってのがそもそも失敗だったと思う。まるで整理できてないんだもの。 ゼウス・ポセイドン・ハデスの確執はもともとのギリシャ神話にあったものだろうけど、三つ巴にするから分りにくくなる。長いテレビシリーズでやるなら帝国に自由同盟に自治領の三国時代でもよかろうが、2時間なら2項対立程度に留めておかなきゃな。ハデスとポセイドンの役は一つにまとめちゃえばいい。 敵もアポロンとアテナだけで、ゼウスもガイアもいらないよ。要はアテナをずっと前面に立てといて、最後にアポロンが真の敵と解ればいいだけなんだから。 黒の獅子王はもっと早い段階で出しておくべきだし、リュカオーンと役柄が被ってる。これもまとめることは出来るはずだ。 大胆な刈りこみが出来てないから、一人一人のキャラクター描写が薄っぺらになってて、感情移入を阻害してるんだよね。 だいたいアリオンがなんのためにオリンポスと戦おうとしているのか、最初から最後まで納得しがたい描写が続出。気がついたらアレースを殺し、ハデスも殺して(なぜ殺す必要がある?)、ポセイドンを殺し(錯乱したせいだが自業自得)って、これじゃただの殺人狂だよ。 でも、この映画、良くも悪くも安彦良和の情熱が思いっきり注がれてて、「あ、こんなところに安彦さんらしさが」ってところを楽しめる描写もたくさんあるんだよね。初めてアリオンとこそ泥のセネカが出会うシーン、剣を盗んで逃げるセネカと、それを追いかけるアリオン。 足に自信のあるセネカもアリオンにはかなわず、逃げる先々にヒョイと現われるアリオンのために右往左往。いや、ここでのアニメートはもう見事のヒトコトに尽きますよ。 このアリオンとセネカの関係、まんま手塚治虫の百鬼丸とどろろなんだよねえ(そういや安彦さんも虫プロ出身だ)。セネカもストーリーの本筋には関係ないキャラなんだけど、下手をしたら神々だけの話に終始しかねない物語を観客の視線にまで引き下げる役割として、セネカは絶対不可欠の存在なのだ。キャラ立ちしきれてない映画版『アリオン』の中で、最も魅力的なのはこのセネカなのである。 と言うか、わざわざDVD買ったの、セネカが好きだったからなんだよね。レスフィーナにばっかり萌えてないで、みなさん、セネカにも萌えましょう。 ああもう、このセネカ見るだけでも『アリオン』、損はないです。これホント。
ニュースを見ながら思う。 ゴジラを政治に利用するな、公○党。
体重、81.4キロ、太った体重、なんとかもと近くに戻したかな。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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