無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年06月29日(金) フェイト教授、さようなら/『スカルマン』7巻(石ノ森章太郎+島本和彦)ほか

 朝のテレビ番組で、「博多のとんこつラーメンに異変!」と何やらただならぬ特集が。
 ……見てみると異変というほどでもない。博多の料理の代名詞のようになっている「とんこつラーメン」があまり食べられなくなっている、というだけのこと
だった。
 特に女性に。
 「臭い」「しつこい」「太る」と評判は散々だ。
 それに対して男は「博多のラーメンはやっぱトンコツやろ」と堂々と言い放つヤツが圧倒的に多い。
 いつ、誰がそんなこと決めた。
 とんこつラーメン屋の主人も得々として言うのだ。
 「やっぱ伝統の味ば守りたかけん」
 伝統?
 たかだか50年やそこらで「伝統」などと口にするな。片腹痛い。
 何度かこの日記でも書いてるが、先祖代々の生粋の博多っ子はあんな臭いものは食わんのだ。あんなものを「博多の味」なんて言うな。
 ともかく博多に対しての世間の大いなる誤解は、まず第一に「とんこつラーメン」の発祥が博多だということと(本当は久留米)、武田鉄矢が博多出身だと思われてることだな(本当は雑餉隈←他地方の人、読んでご覧)。
 私の子供のころには普通のラーメン屋もまだまだあったのに、気がついたらとんこつ一色になってたんだもんなあ。
 博多ナショナリストである私としては、このままどんどん博多からあの唾棄すべき残飯ラーメンが消えていってくれると嬉しいのである。脳までとんこつスープのせいでとろけた男どもはほっといて、女性のみなさん、どんどん味噌や醤油や塩ラーメンを食べましょう。
 

 昨日のトーベ・ヤンソンの死去に続き、今日はジャック・レモンの訃報を知る。
 最後に『おかしな二人2』でウォルター・マッソーと共演できたのがせめてもの餞なのかなあ。演技的には「痛々しい」としか言いようがなかったんだけど。
 私の個人的なレモンのベストアクトは『お熱いのがお好き』でも『酒とバラの日々』でもなく、『グレート・レース』のプロフェッサー・フェイト。
 あのトニー・カーティスをライバル視し、部下のピーター・フォークをこき使い失敗するたびにヤツアタリするキャラ、どれだけ模倣されたことか。
 『チキチキマシン猛レース』のブラック魔王も『ハッスルパンチ』のガリガリ博士も『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授も、そのエピゴーネンの域を一歩も出てはいない。定番、なんて言っちゃいけない。完成された演技ってのはああいうのを言うのだよ。
 どこか地上波でも衛星でもいいから追悼特集やらないかな。昔は誰かが亡くなったらたいていやってたような気がするのに、最近はサッパリだものなあ。
 吹替版でもいいよ。
 というか、カーティスを広川太一郎がアテて、レモンを愛川欽也がアテた(マリリン・モンローはもちろん向井真理子!)『お熱いのがお好き』なら全然文句はない。


 午後から通院のため仕事は早引け。
 仕事をぱたぱたぱたと片付ける。
 帰りしな、同僚の女性に、鞄につけていた私としげとのペアのバースディ・テディベアを見られる。
 「なんでそういうのを付けてるんですか?」
 と本気で疑問に思われたようなので、「妻が付けたんです」と弁明。
 「浮世のしがらみで」と付け加えたら受けてたようだった。
 まあ、似合わないからと言って、外すわけにはいかないものなあ。
 途端にしげから、
 「あなたは私のことを愛してないんだわぁ〜わぁ〜わぁ〜わぁ〜わぁ〜
 と桜田淳子攻撃をされることは目に見えているのである。 

 病院で入院のための紹介状を貰う。
 診察はウチの近所ですませるのだが、入院は西新の成人病センターの予定で、ウチからはバスと地下鉄を乗り換えて、おおよそ1時間はかかる。
 入院ともなると当然この日記の更新も出来ないわけで、病院でその日あったことをメモ書きでもしておいて、あとでしげにパソコンに打ってもらおうかと考えているのだが、そうしげに相談した途端、
 「やだ」
 と言われる。
 「長く書くのはイヤだろうから、10行程度しか書かないよ。それならいいだろ?」
 と聞いたら、
 「違うよ。ウチから遠いから見舞いに来ないよ」
 だと。
 ……だからそういう態度で俺にばかり愛情を求めるってーのがそもそも「詐欺」なんじゃないのか?

 しげと天神で買い物をして食事。
 いつものことだが、しげが「肉を食べたい」と言うので、天神コアのレストランのフロアで、肉料理の店に入る。
 私はビーフソテーのセットで安く抑えたが、しげの野郎、遠慮なしに高い肉を選ぶ。いや、まあ、おいしかったからいいんだけどさ。店を出た途端、また「おなかがすいたね」だ。
 キサマの胃袋は底無しか(・・;)。
 結局、しげに引きずられるように紀伊國屋書店、福家書店、ベスト電器を回って、アクロス福岡地下のMKでまた食事。
 生まれて初めて北京ダックを注文する。
 藤子不二雄Aに、人間を北京ダックにするホラー漫画があったけど、そこまでしたくなるほどの味ではなし。というより、油っこいばかりで味がない。皮のパリパリ感は確かにあったが、それも人に勧めたくなるような美味ってわけでもないのだなあ。
 なんだか詐欺にあったような気分であったが、何より肉が思ったより少ないのがガックリであった。
 しげは一口二口食べただけで、おもむろに餃子を2人前注文。いや、おいしくなかったからって、別のを注文することはなかろうに。
 

 帰宅してひと寝入り、シメキリが明日の『クレヨンしんちゃん同人誌』の原稿を書く。
 まああまり同人誌が完成していない時点でネタバレ話をするわけにもいかんので、ちょっとボカして書くが、「こういうネタで書こう」と思っていたのに、それに関する資料が見つからず、困っていたのだ。
 ところが今日、偶然、本屋で『アックス』の21号にほしかった「情報」が載っているのを見つけた。
 これを天の配剤と言わずしてなんと言おう♪
 おかげで原稿が進むこと進むこと。
 やはりシメキリはギリギリまで粘るべきものである。


 マンガ、横山光輝『血笑鴉』。
 槙山光輝って、正直な話、評価がとてつもなく難しいんだよねえ。
 この『血笑鴉』を読んでみてもわかるけど、「醜い男が実は超人的な技能の持ち主」って設定、山田風太郎忍法帖シリーズの定番なんだよねえ。
 悪く言えばパクリなんだが、更に山本周五郎をミックスしたりするものだから、ダークな話なんだかほのぼのなんだかよく分らない仕上がりになっているのである。
 で、つまんないかと言うと面白いわけよ。山本周五郎は菊池寛の主題主義の流れにあるわけで、キャラクターもある程度リアルに描かれている。しかも「市井もの」と言ってもいいくらい何の変哲もない人物を配置して、それが世界観を作ってもいるのに、そこにダークな殺し屋をぶちこむのである。
 この違和感がかえって変な魅力を醸し出してるんだから、なんと言えばよいのやら。
 誉めてんだよ、これ。念のため。


 マンガ、石ノ森章太郎・島本和彦『スカルマン』7巻(完結)。
 なんというか、ラスプーチンはあっさり死ぬわ、飛岡は実は仮面ライダーだったわ、最後は変身忍者嵐にキカイダーにゴレンジャーにロボット刑事にキョーダインにイナズマンも出てくるわ、読者サービスのつもりかもしれんが、全然サービスされた気にならないぞ。
 世界観が違うものを一緒くたにしたって珍品ができるだけだろ?
 『マジンガーZ対デビルマン』みたいなもんだぞこりゃ。
 石森章太郎の原作の完成度が高かっただけに、この終わりかたはどうにも納得いかない。ラストは結局『幻魔大戦』だしね。


 DVD『人造人間キカイダー THE ANIMATION』5・6巻(完結)。
 ようやく完結、テレビ版との差異はわずかだが、ギンガメのカットが差し替えられたりしてるとこだろうか。テレビを見てたときには見逃したが、再生ロボットの中には、再生どころか初登場のブラックホースやカイメングリーン、ブルーバッファローなんかもいたのだな。……だったらそれまでの11話の中にちゃんと出しとけよって。
 『キカイダー01』の製作も決定したそうだが、そのタイトルだと、原作通りジローが主役にはならないんだろうか。



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