無責任賛歌
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2001年03月08日(木) |
ゴジラ対バラゴン。……地味だ(-_-;)/『Heaven』2巻(佐々木倫子)ほか |
寒の戻りかなんだか知らんが、また雪である。 昼の雪は殆ど積もりゃしないから通勤の足に響くこたあないが、三月も半ばだってえのにどう言うこっちゃ。 「季節外れの雪」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが横溝正史の『本陣殺人事件』だったりするのは、昭和50年代のミステリブームの洗礼を受けたもののサガであろうか。『本陣』は金田一耕助のデビュー作ってことだけじゃなくて、密室トリックの傑作としてもすばらしいんだけど、現代の作家が今更「雪の密室」なんて設定を出してきちゃあ、いささか興醒めであろう。 雪景色の中の死体ってのは確かに絵になるが、そこで提示される「謎」がたいてい「犯人の足跡がありませんでした」ってパターンに陥っちゃうのが陳腐なのである。 その点、都筑道夫さんの『最長不倒距離』は「木の両側を通り抜けたスキーのあと」というちょっと工夫のある謎を紹介してたな。
諫早湾の水門開放問題、今度は「水害の危険がある」とかで、長崎県や地元民が国に開放の反対を陳情し始めたそうな。 国としてもアチラを立てればコチラが立たずで頭の痛いところだろうが、ノリの不作は全国的レベルの大問題だから、結局は水門開放の方向で押し切られるんじゃないかな。 事業を進めてるのは確かに国だろうが、当事者間の話し合いがまるでされてないってのは、喧嘩して物わかれにしかならないってこと、知ってるからだろう。だからオカミに頼って、相手の方を何とかしてもらおうとする。 つまりはノリ業者も長崎県も、どっちも相手の立場なんか考えるつもりもなく、テメエの要求を通したいだけで、しかも自分の手は汚したくないって連中ばかりだってことだ。どいつもこいつも自分のエゴ剥き出しにしてるだけ。 となりゃあ、誰もが納得するような調停はハナから無理ってもの。どっちかが犠牲になるしかないのだ。その覚悟もなく言いたいことだけ言ってんのはみっともないとしか言いようがない。 だったら私もエゴ丸出しで、ノリが食えないほうがいやだから、長崎県の方に犠牲になって欲しいって言ってもいいよな。 三宅島の人たちはもうそこに戻れる見込みすらなくなってきてんだ。水害だってもともと天災じゃないか。人災のノリ不足と一緒にしてガタガタ言ってんじゃねえや長崎県。 花沢徳衛さんが89歳で死去。 この人も代表作をどれと断定しにくいほどにバイプレーヤーとして活躍した人だった。新聞には『おはなはん』が紹介されてたが、私だって生まれちゃいないくらい昔じゃねえか。 松竹版『八つ墓村』の磯川警部が花沢さんだったなあ。あのシリーズが二作三作と続いていれば、花沢さんの磯川警部も定着していたろうに。 藤子不二雄Aが『黒イせえるすまん』の『チ漢さん』の話で、明らかに花沢徳衛をモデルにしたとおぼしき老人の痴漢を出していたが、あれも出演歴に入るかな。
ドラマ『カバチタレ!』の主題歌、『DO YOU REMEMBER ME』のヒットで、オリジナル曲である岡崎友紀版も注文が殺到してるそうである。 70年代ポップスのカバーバージョンにもかかわらず売れるってことは、メロディーラインそのものの嗜好は昔も今もあまり変わっちゃいないってことなんだろう。アレンジさえよければ、『銀座カンカン娘』だって再ヒットさせられるかもしれんぞ。それはないか。 でもジャズ系は比較的長持ちするよなあ。『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』って例もあったことだし(^o^)。 『ゴジラ』の新作、やはり金子修介監督に決まったようだ。 題して『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』。頭になぜ「東宝チャンピオン祭り」とつかんかな。 実際にはもう何ヶ月も前から水面下で動いてはいたので、脚本なんかはもう上がっているのだろう。モスラ・バラゴン・キングギドラ連合VSゴジラって構図だけで興味は半減だが、『キネ旬』の記事だとどうやら東宝もそろそろゴジラに見切りをつけかけているそうで、それで華々しく旧人気怪獣を出して打ち止めにしようと考えたものらしい。『怪獣総進撃』のパターンだな。でもギドラが「ヤマト聖獣」で正義の味方ってのはその時点で間違ってる気はするが。 オフィシャルページのストーリー紹介では、あの三つ首のギドラは未完成体で、戦いの中で完成体になるそうなのである。……で完成体がヤマタノオロチだったりしたら世間は怒ると思うが。 ニューゴジラのデザインもまたブタ鼻に戻って背びれも小さくなり、今イチ威圧感というものが感じられない。 ああ、でもどうせ金子さんにやらせるくらいなら、脚本も伊藤和典さん、特技監督も樋口真嗣さんにすりゃよかったのに。でも『ガメラ3』がきっかけであの三人、喧嘩しちゃったらしいし、東宝も妙なところにだけプライドが残ってる感じだし、それは無理なのかもなあ。
シティボーイズのライブ(今年から「ライブ」と言わずに「シティボーイズミックス」と名前を変えるそうな)『ラ・ハッスルきのこショー』のチケット発売が明後日10日の10時から始まる。 九州公演してくれないかなあと何年も待っているのに、シテイボーイズのお三方、全く来てくれる気配がないのだ。大阪や名古屋には行くくせに。大阪なんて、小手指のタコ焼きしか食うもんありませんよう(←偏見)。名古屋の人間はみんなぼったくりですから身ぐるみ剥がされちゃいますよう(←差別)。なんで九州に来てくれないんですかあ。 いい加減、待つのにも痺れを切らしました。こうなったら、こっちから出向こうと決意……って、借金取りじゃあるまいし。 もっとも、殆ど即日完売のチケットなので、取れるかどうかわからん。誰か一緒に行くかなあと思って、よしひと嬢や塩浦嬢に声をかけるが、あえなく撃沈。やっぱり東京は遠いかなあ。 まあ、遠出の旅行するってえと、女房はたいてい興奮して体調崩しちゃうから、連れが少ない方がいいのかもしれんが。
仕事帰りにコンビニに寄って、レトルトカレーやパンを買いこむ。冷蔵庫に食材は残っているが、昨日あたりからまた咳がひどくなってきたので、料理に時間をかけたくないのだ。 そして、今週末の休日こそ外に出ないで原稿書くのだ。部屋も片付けるぞ(少しは)。 で、とりあえずはコンビニで買ってきたマンガを読むことにする(そうやって時間は過ぎていくのさ)。
マンガ、吉田秋生『楽園のこちらがわ』読む。 『夢見る頃を過ぎても』も『十三夜荘奇談』も持ってるのに、どうして再録ものばかりのこの雑誌、買っちゃうのかなあ。 しかも大学のころはボロ泣きしながら読んだこの作品、今やずいぶん覚めた目で見るようになってしまっていることに気づく。 少女漫画の中では格段にリアル、と評された吉田秋生作品だが、よく読みこんでみれば、男の子どうしの友情の描きかたなんか相当に恥ずかしい。……惚れた女は親友の彼女、そのコをあきらめるために親友に向かって言うセリフがこりゃまた「何も言うな、黙って一発殴らせろ」だもんね。 そりゃ恋愛って確かにファンタジーだけどさあ、女のコって、この程度の陳腐なシチュエーションにすら憧れを抱けちゃうものなのかね。……なんてアイロニカルな見方しちゃうから、私は純愛ものが書けないのである。
女房が仕事に出かけたあと、万年床の枕元を探してみると、佐々木倫子『Heaven?』の2巻が。 畜生、こうやって隠しておくから、私が読みそこなったり、知らないままうっかりもう1冊買っちゃったりする羽目になるのだ。 しかし佐々木さんもすっかり「ビッグスピリッツ」の看板作家になっちゃったなあ。もともと少女マンガ家のクセに恋愛的要素の希薄なマンガしか書いてこなかったから、かえって今のほうが水に合っているのかもしれないけど。 準主役(実質的には主役)の、レストランのオーナーのセリフの中に、突然『虚無への供物』なんて単語が出てくるのでビックリしたが、今巻で本職がミステリ作家だと判明。さりげなく伏線を張っていたのだな。しかし『虚無』のファンとは相当にコアな。誰がどれだけ気づいていたことか。
ここ数日、女房の帰宅が遅いので、私は先に寝入っていることが多い。 で、朝起きたらいつのまにか女房が隣にいるという状況が続いているのだが、それだけならまだしも、私はなぜか肌着一枚でくしゃみをしながら目覚めているのである。 つまり女房が隣にいると言っても、一緒の布団にいるわけではなく、私が布団から追い出されているのだ。 ……なぜそんなことをするのだ。おかげでまたぞろ風邪が悪化してきてるんだぞ。 ……今回はじめて夫婦の寝室を描写してみたがいろっぽくもなんともないな。期待してた人、すみません。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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