無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年11月26日(日) オタアミが出て来た日/第3回オタクアミーゴス・IN・九州

 さあ、何からお話ししたらよいのでしょう。ともかく私には未だにあれが本当のデキゴトだとは信じられないのでございます。
 十日ほど前のこと、一通のメールが私のもとに届きました。
 それは「エロの冒険者」という、いかにも妖しげな名前の人物からの招待状であり、文面の奇妙な言葉が、なぜか私の耳から離れませんでした。
 「オタアミ」
 一体これは何でしょう。小さなエビのことでしょうか。それはオキアミ。






 ハッと気付くと、今朝、私は、家内と西新パレスのミスタードーナツで、得体の知れない人々に取り囲まれておりました。ミスドの店員も、いかにも怯えたように「あの一団は何?」という目線を、こちらに「向けまいと」しています。
 私と家内は抗うすべもなく、その一団の指令のままに、謎の機材を部屋の中に運びこまされます。一体これから何がここで行われるのでしょうか。秘密結社の儀式か、サバトでもあるのでしょうか。

 案の定、昼過ぎになって三人の司祭が現れました。「オカダ」「カラサワ」「ミンダ」と名乗る三人は、人々の前で、呪文のような言葉を繰り返し、そのたびに集まった人々は狂気に満ちた嬌声を上げます。
 酸素は消費され、私も家内も、段々と頭がクラクラとしてまいりました。

 儀式が終わりました。
 再び謎の機材を運び出させられ、その後私どもは疲れた体のまま夜の町へ連れ出されました。
 とある店の中に吸い寄せられるように入って行くと、そこにはさっきの三人の司祭を前に、グツグツと肉鍋が煮られています。
 宴が始まり、家内は薬でも盛られたのか、足腰が立たなくなりました。酔ったのではありません、たかだかコップ10杯の酒で酔う家内ではないからです。
 私は焦りました。少なくとも、私だけは正常でいなければ。しかし気がつくと三人の司祭の前で何やら謎の言葉を喋っている私が……。
 ああ、何ということでしょう!

 今となっては、あの儀式でどんな呪文が囁かれていたか、恐ろしすぎて語ることは出来ません。全てが現実ではなかったのかもしれません。
 しかし、今、私の手元には一冊の本があります。『快楽特許許可局』。もしやこれは秘伝書ネクロノミコンの失われた一節……?
 そしてそこには更に謎の呪文が新たに書きこまれていました。

「今日も元気だデンパが強い 唐沢俊一」

 夢は、今、始まったばかりなのかもしれません。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 補遺。と言うより書き直し。だって、内容が分んないって言う意見が多くてさ。

 朝、ヨシヒト嬢と桜雅嬢に留守を頼んで、西新に出発。8:15、定刻の15分前にミスタードーナツに到着。既に来られていたのは獅子児さん、寝太郎さん、anieさん(よしよし、そろそろお顔と名前が一致してきたぞ)。AIQ代表のエロの冒険者さんは5分ほど遅れてくる(笑)。
 エロさんのお話ではスタッフの人数が足りないと言うことだったが、総勢18人。300平米のホールにパイプ椅子を並べる人数としては充分か。だが、実際にはマイク機器などをセッティングする方に結構な人数が割かれる。とりあえずお手伝いに来てよかった感じ。
 会場は2階なので、機材はどうやって運びこむのだろうと思っていたら、ホールの裏に油圧式のリフトがあって、そこから運びこめるようになっていたのだ。女房はそれを見て露骨に乗りたそうな顔をしている。
 ぴんでんさん、Zbatさんがトラックで機材を運んできて、いよいよ搬入。と言ってもほとんどは舞台上で使うモニターやプロジェクターやスクリーンなどで数はそう多くない。
 パイプ椅子も200脚ほどが、あっという間に並ぶ。正味二時間ほどでほぼ全ての準備が整う。時刻は11:00、去年よりも一時間以上早かったのだそうで、後は比較的ゆっくりできる。女房はこの日チャイナを着て来たのだが、anieさんから「いいね、その服」と言われて喜んでいる。
 私も福家書店さんが持って来たオタクアミーゴス関連の書籍を見て回るが、大抵は持っているものばかりで改めて買う本がない。『オタクアミーゴス2』は出せないものだろうか。
 廊下に出てみると、先頭を狙っているのだろう、会場までまだ2時間もあるというのに既にオタクどもが大挙して待っている(^o^)。全く、第一回の時のカーク船長の忠告(「オタクよ現実に帰れ!」って、『エヴァ』みたいなことをトレッキーたちに向かって怒鳴るSNLのギャグ)を一切無視しているやつらだ。

 そうこうしているうちに眠田直さん、岡田斗司夫さん、唐沢俊一さんの順にお三方が到着。唐沢さんはリハーサル直前にいらっしゃって時間的にはヒヤヒヤものであった。
 楽屋でビデオをチェックしている時に、岡田さんが突然「27歳の人ここにいない?」と聞く。家内がさっと手を上げると、「『ありがとう』ってドラマ知ってる?」「見てました」と答えると即座に「よし、使える!」……ネタの確認であった(^o^)。

 いよいよオタクアミーゴスin九州3の開幕。
 真後ろにいかにもなオタクの一団が並び、恐れていたとおり、公演中ずっと知ったかぶりで解説しまくり喋りまくり。唐沢さんの本にも紹介されていた典型的な「サロンの馬鹿」。これがオタクの悪いとこだよな。
 公演の内容はヤバ過ぎて書けない。悪しからず。
 質問の紙が回っていたので、ウケ狙いで「藤谷文子の魅力について語ってください」と書いたら、しっかりネタにされてしまった。それもヤバくてここには書けない。参ったね。

 公演終了、荷物の搬出。
 女房はついに念願のリフトに乗る。顔がもう笑っている。私も一緒に乗ったが、自分が高所恐怖症であることを忘れていた。マジで眩暈がするがそれを見てまた女房が笑う。タチの悪いやつ。
 最後にお三方を中心に記念撮影。みんな『ファイティングマン』のポーズをする。いや、私は隣に女房がいるので出来なかったが。

 その後天神に繰り出し、喫茶店で時間をつぶしたあと、親不孝通りの○○亭(忘れた)で打ち上げ。
 私自身はあまり「私が実は裏モノなんかに書きこんでる藤原です」なんて言うのも野暮かな、と思ってひっそり鍋をつついていたのだが、エロさんに紹介されて唐沢俊一さんにご挨拶する。
 「もっと若い人かと思っていました」それは「この若造が、生意気なことを書き込みやがって」と言うことだな。
 「非常にストレートな意見で」つまり「工夫も芸もない」ということか。
 「いや、本当は裏モノはまじめな意見を書きこむところなんですよ」なるほど「そうしてくれりゃ、ネタにしてからかえる」という気だな。
 しかし心にもないことを、心にもないことが解りきった口調で話されるあたり、まるで花紀京。なるほど、唐沢さんは芸人でありスタイリストである。一面、マキャベリストでもあるようだが(^o^)。
 ふと気がつくと女房がベロンベロンに酔っ払っている。AIQのみなさんは2次会に繰り出す様子だったが、これではさすがに連れていけない。明日もあることだし、辞去する。でもしっかり唐沢さんにサインだけはねだる。ああ、ミーハー(^_^;)。

 別れしなにしおやさんから12月半ばにまた今回のビデオ上映会をすると聞く。
 メンバーの諸君も時間があったらどうぞ。そしてみんなでポーズを取って叫ぼう。「ファイティングマ〜ン!」。



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藤原敬之(ふじわら・けいし)