あふりかくじらノート
あふりかくじら



 まあるい花火、パリからの手紙。

ディズニーリゾートの花火が、時報のように響く。
午後8時半。

立ち並ぶマンションの灯りがきらびやかで、その上にぽっかりと浮かぶ花火の色。花火大会のようにゴージャスではないけれど、きっとその花火の下では「ディズニー」というどこか特別な夢の世界に浸る人々が、今日だけの思い出を作っている。
わたしにとっての日常である花火も、彼らにとっては特別なのだ。


「医龍」というドラマを観た。
心臓の病を持つ女性と、彼女の身体の中の赤ん坊の話など。
困難な手術をして、母体と胎児を両方とも助ける、という話。

命の大切さ。絆。


痛い。すごく痛い。

とても苦しくなった。どうしても、自分のことを考えてしまう。考えても仕方のないこと。どうにもならないこと。かなわない人生のこと。わたしとは違うどこかで、命が失われたり生まれたり。それはそれは強く望まれて、生まれたり。

何度も涙をこらえて、でも最後まで観てしまった。
自分の感情に壊されそうなので、寝てしまおう、そうしよう。


今日は、ひどい肩こりから来る頭痛が辛い。
翻訳の緊急の仕事を請けているが、少しずつ進めて、とりあえず今日は終わり。翻訳をするのって本業じゃないのだけれど、案外向いているのな、わたし。アドレナリン。


『午前4時、東京で会いますか?―パリ・東京往復書簡』という本を買って少しずつ読んでいる。

パリに住む中国出身の女性作家シャンサと、シャネル日本法人の社長リシャール・コラスの往復書簡で、もとはフランス語で書かれたもの。
日本版は、とてもきれいな写真の装丁。


まだほんの少ししか読んでいないのだけれども、一気に読むのがもったいないくらいシャンサの文章はすてきだったので、ひとつずつ読むことにした。文学的な表現なのに、上っ面じゃなくって血と肉があって地面にしっかり足をつけていて、空気のにおいがする。ロマンチック、ではない。

良い本を買った。

やっぱり「手紙」なのだ。
大切なのは。


明け方の街の澄んだ空気がとてもきれいだったので、カバーはつけてもらわなかった。

わたしも、このような本が出せたらよいな。

2007年10月11日(木)
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