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■ 懐かしさの狭間、エディンバラの追憶。
天気の良い午後、いつもの石畳の通りを歩く。 いつもの教会、いつもの陽射しが降り注ぐ。 みなれた店、パブの扉。
わたしは、この街を懐かしく思う。 スデニ、ナツカシサノハザマ。
初めてここにたどり着いた日。 大学院にいきはじめて、睡眠時間を削りながら 課題を読んだ日々。
ひとつところに、トドマレナイ。
あの瞬間のわたしから、今のわたしはもう ずいぶん遠いところに来ていて、街では 知っている顔とすれ違う。
もう、すっかりこの街に慣れてしまった。 その石畳、ときの流れ、古い記憶、旅人たち、 城、大聖堂、酸素、陽射し、酵母のにおい、 日に焼けたパブの看板、バグパイプ…。
わたしがひとつところに存在する意味とは何か。 わたしの感覚のなかでの土地の変貌とは何か。
エディンバラという街を、わたしはとても好きだ。 だから、この街にいながらにして、すでに懐かしい。
そう感じたとき、ここを去る日のことがみえてきた。
もう、ここへきて8ヶ月になる。 それは、わたしのなかで、ある意味悠久の時間。
いつかは、去らなくてはならない。 ひとりで。 …ひとりで。
2001年05月10日(木)
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