ケイケイの映画日記
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2022年05月04日(水) 「ホリック xxxHOLiC」


大好きな蜷川実花作品。めちゃくちゃ有名なコミックが原作なんですってね。何も知らないで「蜷川実花」だけで観に行きました。今回も素晴らしいビジュアル、登場人物の抜群のキャラ立ちで、堪能してきました。

幼い時から人に取り付く「アヤカシ」が見える、高校生の四月一日君尋(神木隆之介)。その事から人とは距離を置き、孤独な毎日を送っていました。ある日、蝶に導かれ、「ミセ」に迷い込んだ四月一日。そこには美しい女主人・侑子(柴咲コウ)がいました。四月一日の特性を見抜いていた彼女は、アヤカシを見なくなるようにしてやる。しかしそれには対価が必要、と四月一日に告げます。しばらく「ミセ」で家政婦をしながら考える時間を与えられた四月一日。「ミセ」で暮らすようになった頃から、同級生の百目鬼(松村北斗)やひまわり(玉城ティナ)との友情が深まり、今までにない充実感を覚える四月一日。しかし、彼には女郎蜘蛛(吉岡里穂)の魔の手が伸びていました。

「偶然は必然」「何かを手に入れれば、何かを手放す」「思考を停止すれば終わり」「同じ毎日を繰り返すのは堕落」等々、平易な言葉で人生の哲学を表します。これは原作かなり深いなと想起。私にはさらっと流されても深々響きますが、もっときちんと言葉を浮かばせて欲しい思う、原作ファンはいるかも。

四月一日とひまわりの孤独も、短時間でサクサク描いていますが、神木君とティナちゃんの好演で、これも伝わる。舞台挨拶のライブビューイングを映画の前に観ましたが、ティナちゃん、大人を超えて熟女化していたので、JK役大丈夫か?と危惧しましたが、ツインテールも可愛く、ちゃんと高校生に見えました。鰐淵晴子の若い頃に似てたのよな。知ってるか?そこのお若いの。めちゃくちゃ綺麗な人だったんだよ。画像置きます。





監督の特性は、とにかく色彩と美術の美しさ。耽美的で華麗、これでもかと盛沢山に描くのに、過剰と悪趣味の一歩手前感が、私には極上の時間をもたらしてくれます。視覚で入って脳が楽しみ、心が躍ると言う感じ。いつも中身が薄い、ドラマが描けていないと言われますが、私は年寄りなんでね、人生の経験値が、ガシガシ自分で脳内補足するので、今回も問題なしです。

蜷川作品は、有名どころの俳優が大挙出演して、それぞれ思わぬ役柄を演じてくれるのが、楽しみです。今回出色なのは、良い魔女と悪い魔女役の柴咲コウと吉岡里帆。

柴咲コウ、中世の人のコスプレか?のゴージャス衣装で、クレオパトラかと思いました(笑)。あんな衣装着て、服に負けないのは、私は柴咲コウしか知りません。完璧な美貌と技を持ちながら、呑んだくれの側面も持つ侑子を、強弱付けて好演しています。出演作も恋愛映画はほとんどなく、40を迎えても人妻役も母親役も演じない、稀有な女優さんの柴咲コウ。なので、四月一日との関係も、母性の温かさでも、男女の情感でもない、この包容力は何なのか?と考えていたら、きっと師弟愛なんだろうなぁと、辿り着きました。ラストを観たら、当たっていたようです。なんでもっと早く助けに来ないのか?と思っていましたが、ギリギリまで四月一日の力で頑張らせたかったんだね。あの見守りの仕方は、例えるなら母ではなく父だと思う。

びっくりですよ、吉岡里帆は。吉岡里帆と言えば、清楚なあざと可愛さが魅力の人。それが肌見せまくり、バスト寄せまくりのボンデージ風衣装に、性悪ビッチの、ゴージャスなお色気がムンムン。ツケマは三枚は重ねていたのではないかと(笑)。セリフ回しも、力を抜いて囁くように話し、すっかり見直しました。ブラボー!

舞台挨拶にも色気の話が出ましたが、神木君は自分は色気に無縁だと語っていましたが、起き抜けに一点を見つめる顔は、とても憂いが込められていて、私は初めて彼の事、セクシーだと思いました。蜷川監督は、本当に俳優の色気を引き出すのが上手いです。そんな監督でも色気を感じさせず、尚且つ存在感はマンモス級の柴咲コウは、別の意味で凄いね(笑)。きっと内面が相当に男前なんでしょう。

あの場面、この場面、描き込みが足りなく感じたのは、雑なのではなく、原作が膨大なので、表層的になったのでしょう。想像だけど。許してあげて(笑)。今回も大変満足でした。




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