ケイケイの映画日記
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2022年04月22日(金) 「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」&ジョニデの事




「ハリポタ」全回伴走で、このシリーズは終了と思っていたのに、降板したジョニデに代わって、マッツが起用されると聞き、どれだけ溜息が出た事か・・・。時間ないのに、観なくてはいけない・・・。全然気乗りなく期待なく観てきましたが、面白かったです(笑)。と言うか、問題なく楽しめました!監督は「ハリポタ」シリーズも四作撮っていて、「ファンタビ」全二作も監督している、デヴィッド・イエーツ。

史上最悪の魔法使いグリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)。世界をその手に収めんとしています。彼とは旧友の間柄のダンブルドア(ジュード・ロウ)でしたが、魔法界と人間界の平和を願うダンブルドアは、それを阻止すべく、魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)に協力を依頼します。

で、冒険と戦いの旅が始まると言うわけね。仕事終わりに駆け付けたので、ハンバーガー食べている最中、急いで全二回の相関図や解説読んで、おさらいしました。まぁそれで関係性は、だいたい理解出来たかな?この回からご覧になる方は、予習は必至です。

予想より大人な展開でしたが、もちろん子供が観ても大丈夫な品の良い作りでした。正義・勇気・愛と、少年ジャンプ的な世界観ですが、そこに孤児の哀しさ、同性愛の葛藤、魔法使いと人間の悲恋など盛り込まれ、物語の枝葉として、花を添えています。

さて、マッツは歌舞いていたろう(画像からの想像)ジョニデとは、別物のグリンデンバルドを造形。端正なスーツ姿で、冷酷非道さをエレガントに表現。冒頭、ダンブルドアと往年の愛を思い出す場面があるのですが、美形中年の芳醇な香しさに、もううっとり。あぁ見に来て良かったと思いました(笑)。

マッツが素敵なのはもちろんですが、私が目を見張ったのは、ジュード・ロウ。昔は勝手に21世紀のアラン・ドロンはロウだと思っていましたが、気が付けば美しさより、渋さや演技力を優先させる俳優になっていました。今回も穏やかさの中に、正義を願う強盛を感じ、先達のダンブルドアと重なる部分も感じました。いい俳優になったなぁと嬉しかったです。

エディは昨今にはお目にかかり辛い、繊細な優しさと誠実さが個性の人。ニュートのキャラにはぴったりでしたが、今回はダンブルドアとグリンデンバルドに主役を譲った感があるので、前二作が観たくなりました。

邪悪さと哀しさを共存させたクリーデンスのエズラ・ミラーも印象深かったけど、彼も問題児みたいで騒ぎを起こしているので、次は降板かなぁ。他にはクィニーのアリソン・スドルの驚愕の美しさ、ヒックス先生のジェシカ・ウィリアムズの凛々しさが印象的。ニュート兄のテセウスのカラム・ターナーは、若い頃のリチャード・ギアを、ちょい線を細くした感じで、わっ、好みの男優めっけ!と言う感じで嬉しかったです(笑)。

あぁ、面白かった〜で、感想書かなくちゃと思っていたら、降板したジョニー・デップの名誉棄損の裁判が始まりました。それがテレビ中継されると言う前代未聞の裁判。ネットに流れてきたのを読んで、思うところがあり、ちょっと書きたくなりました。

まずデップはDVしていないと、いち早く声明を出したヴァネッサ・パラディは、偉いなと言いたい。子も生したデップに捨てられた形ですよ。そらみた事かと、沈黙しても良いわけですよ。デップの歴代元カノ、ウィノナ・ライダー、ケイト・モスも、彼女らもデップ擁護の声明を出しています。ヴァネッサと違うのは、元カノたちの精神状態は、当時安定していたとは言い難い事。

幼少期の虐待を裁判で明かしたデップ。現在はアルコール依存症である事も周知の事実。若い時は薬物もやっていたらしいデップは、同情相憐れむで、元カノたちには優しかったのだと思います。彼女たちの精神的な支えになる事が彼自身を癒し、それが俳優デップの魅力を作り上げたのか、この頃の彼は、どの作品でも燦然と輝いていました。

そしてヴァネッサとの二人の子供が生まれた頃に「パイレーツ・カリビアン」に出演。二人の子供が観られる映画に出たいと言う、父親なら真っ当な出演作選びです。しかしデップに安定をもたらした家庭は、サブカルキングだった彼をハリウッドのメインストリームに押し上げた代償のように、彼から輝きを奪ったように思います。この頃から、私はデップはつまらなくなったと感じていました。

もちろん、それはデップの責任で、ヴァネッサと子供たちには全く関係ない事。いみじくも、デップの代役を務めたマッツが、「役作りで憑依などくだらない」とインタビューで答えているのを読みした。言い方は辛辣ですが、家庭持ちのマッツが、役柄を私生活に持ち込むことを諫めているのだと思いました。殺人鬼の役を引きづったら、大変でしょ?それと同じく、私生活が芝居を浸食するのも、間違っていると私は思います。

俳優として行き詰まり追い詰められていた時に、自分が輝いていた時に寄り添っていた女性と同じ匂いを、アンバー・ハードに感じたんじゃないのかなぁ。彼女も出て来た話では、充分にメンヘラ。

こう思い巡らせた時、全てを受け入れ、デップを手放したヴァネッサは、本当に偉いと思いました。きっと自己肯定感が高く、見た目より(ごめんよ!)ずっと、賢い人なのだと思います。


優れた伝記映画とは、その人の闇や負の部分をきちんと描いても、魅力的でその人がもっと知りたくなるもの。それを痛感したのが、ダニー・ボイルの「スティーブ・ジョブス」。マイケル・ファスベンダーの好演あっての賜物でした。「MINAMATA」のユージン・スミスもそうでした。デップ、トンネルから抜けたのかと感じたものです。

これだけ赤裸々な証言が続けば、元夫婦は首まで泥まみれでしょう。デップが訴訟を起こしたのは、自分のキャリアの挽回をしたいのか、お金のためか。父親としての誇りを取り戻したいであれば、嬉しいです。全部かな?デンゼルが人格者でマッツも良人なのは素直に嬉しいですが(マーク・ラファロも!)、私は好きな俳優に人格は求めません。変態でも奇人でも、演技が素晴らしければ、それでいいと思っています。私はどちらが悪いとは思いません。両者のキャリアに極力響かないよう、願うだけ。アンバーも数作観ていますが、「アクアマン」続編のメラは、また彼女で観たいです。。


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