ケイケイの映画日記
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2019年12月15日(日) |
「村西とおる 狂乱の日々」 |
身辺慌ただしく、やっとこさ戻って参りました(詫)。「村西とおる 狂熱の日々」が、昨日早めのレイト上映の前に村西監督の舞台挨拶があると聞き、行ってきました。正直映画は付け足し(笑)。生村西とおる見たさに駆け付けましたが、期待を裏切らず楽しかったです。
まず監督の印象ですが、若い!御年71歳だそうですが、体格もよく声も通り、「お待たせしました。お待たせしすぎたかも知れません」のお約束のフレーズで登場。隙を与えぬ弾丸トークで、場内笑い声が絶えず、もちろん私も爆笑。正直含蓄のあるお話はあんまりなかったですが、格が違うと言うより、モノが違うと言う感じです。
だってさ、前科7犯にして借金50憶作ったんですよ?一億だって私には借金できません。これ言わば才能ですよ。村西とおると言う才能が引き出した借金なわけです。
含蓄ないとは書きましたが、印象に残った言葉は、「前科持ちになって、もう雇ってくれるところはないと思った。だから自分で何とか(起業)しないといけないと思った」。「逃亡生活は、するもんじゃありません。常にこの人は私を売らないかと心配で、人を信用出来なくなる」。このバイタリティーと孤独の共存が、「村西とおる」と言う強烈なカリスマ性を持つキャラを作ったんだなと感じます。
作中ですが、とにかく良く食べるんですね、この人。そして「監督・プロデューサーがステーキ食べて、スタッフが安い弁当食べるなんて許さない。みんな平等で同じものを食べなくては」と言う。生い立ちに壮絶な貧乏体験があり、貧乏が不幸の根源だと語ります。食に執着しているだけではなく、この人の幸せの基準にでもあるのだと思うとでも、哀愁めいた感情が湧きました。
劇中撮っている作品は「北の国から 愛の旅路」と言う1996年制作のDVDで、4時間ちょいの超大作。カテゴリーは映画ですが、調べると限りなくアダルト。でも岡崎二朗、今は薬物で消えてしまったけど、当時はVシネに出ていた清水健太郎など、それなりに名の知れた人が出ています。主演女優はミステリアスKと言う人ですが、知らんな(笑)。一応プレイメイトジャパンだったそう。スタイルは良かったけどスレンダーで、豊満な女性が選ばれると思っていたので、意外でした。顔は別嬪さんでしたよ。
北海道をバスで回りながらの撮影は、もうめちゃめちゃ(笑)。段取りは悪いは、俳優を首にしてスタッフが急に役を代わるわ、主演女優はいなくなるわ、太ももに痣は作ってくるわ、最後は交通事故まで。添え物的に裸のお姉ちゃんたちが大量に出てきて、「おもちゃのチャチャチャ」歌ったり、ユーモラスなエロが繰り広げられるのです。川での撮影の時は、一般人にばれてしまい、遠巻きに人だかり。子供がその前を通り、今なら通報騒ぎのはずなので、呑気な時代だったんだなぁと、今の時代から見ると、若干牧歌的(言葉が違うような・・・)な感じも。
そのお姉ちゃんたちなんですが、女の私から見ても、観賞用としては残念な感じです。「ブスばっかり寄こしやがって!〇井きんが10人20人来るより、宮沢りえ一人でいいんだよ!」まあそうですけど(笑)。それでもその心を押し隠して、いい加減な子には厳しく、真面目な女の子には誠実に接して、この辺が凡百の山師との違いかなと思います。
狂熱と言うより、際物をそれなりに見たと言うのが感想です。 アダルト業界の闇が問い沙汰されていますが、監督の質疑応答の際、聞いてみたくも思いましたが、「政治経済の事は質問なさらないように。へそ下三寸のみお願いします」との事で、聞けませんでした(笑)。自分に対する質問で一番多いのは、どうしたらAV男優になれるのか?だそう。「今は寝盗られ男優と言うのがあって、妻が犯されるのを後ろ手に縛られながら、よしこー!とか、たみこー!(名前がクラシックなのが、何となく淫靡)とか叫ぶだけで15000円です」だそう(笑)。我こそはと思われる方は、監督までどうぞどうぞ(^^)。
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