ケイケイの映画日記
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2015年07月14日(火) 「ターミネーター:新起動/ジェニシス」




昔の名前で出ていますシリーズ第二弾。シュワちゃん復活と言うだけで、このシリーズのファンは嬉しさ三倍増なわけなんですが、終わってみれば、それだけだったと言う作品。監督はアラン・テイラー。

2029年のロスアンゼルス。一作目のシュワちゃんが送り込まれる直前から描かれます。

まずキャスティングなのですが、新キャストに違和感バリバリ。悪党ヅラのジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)に、昔のマイリー・サイラスのような、若くてお転婆な新サラ・コナー(エミリア・クラーク)。でも!私が一番ダメだったのは、新カイル・リース(ジェイ・コートニー)。私は誠実でハンサムな、マイケル・ビーンが大好きでした。ジョンもだよ。あの美少年のエドワード・ファーロングがこんなになるか?の、「3」のニック・スタールには、心底がっかりしましたが、今回若干ましでしたが、やっぱり落胆。まぁそこには理由が。

新旧シュワちゃんの対決があったり、懐かしのT-1000(イ・ビョンホン)が出てきたり、「I’LL BE BACK」の歴史的名セリフが出てきたり、あのシーンこのシーン、記憶に残る場面が出てきました。う〜ん、でもこれ、オマージュって言うの?オマージュって、敬意がなきゃダメでしょ?これはシリーズファンへのごますりですよ。懐かしいと言う感情を、弄んでいるだけです。

何故かと言うと「1」や「2」にあった、ホラー的サスペンス感や、男女の愛や親子愛を描く際のペーソスがとても希薄。ただ大がかりなアクションを見せられているだけなんだなぁ。それも別に斬新でもない。

一作目で、ジョンがカイルの息子であるとの幕切れは、憂いを帯びたサラの表情と相まって、SFとしてサスペンスとして、映画史に残る秀逸さでした。それが今回はあれこれ御託を並べて、時空を弄りまくって、このシリーズの世界観をぶち壊しています。あれじゃ何でもあり。どんなプロットだって作れます。

それでも最後までそれなりに観られたのは、一人気を吐いたシュワちゃんのお蔭。いやはや大した千両役者ぶりでした。アクションもユーモアも泣かせも、見せ場は一人で盛り上げます。感激するほど華やかです。何回も出てくる「古くてもポンコツではない」の台詞は、このシリーズを見続けている、ロートルファンには嬉しいセリフでした。

このシリーズに出るなんて、ビョンホンも偉くなったんだと、とても期待していましたが、表情に甘さが残り、今一つでした。ロバート・パトリックの、全く血の気のない冷酷さには、ほど遠かったです。ロバート本当に怖かったもん。絶対勝てる気がしなかったもん。

とまぁ、1と2の偉大さを確認したに留めた感じでした。「怒りのデス・ロード」は、元祖と同じくジョージ・ミラーが監督しているので、やはり思い入れが違うのでしょう。どうせ新作作るなら、キャメロンに作って欲しかったです。次に含みを持たせていますが、作るなら、監督は絶対キャメロンだと思うぞ。


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