ケイケイの映画日記
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2015年02月15日(日) |
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」 |
14日から新作ラッシュで大変なところ、この作品だけ13日公開。そして布施ラインシネマの会員デーで1000円。仕事終わって帰宅してから夕食までに間に合う時間と条件が揃って、優先順位下位ながら、初日に観てきました。先に観て良かったですよ、評判が出揃ったらパスしてたはずですから(笑)。でも損したかなぁと言うとそうでもなく、色々感じるところもあったので、私は観て良かったです。監督はサム・テイラー・ジョンソン。
大学卒業間近の女子大生のアナ(ダコタ・ジョンソン)は、27歳の大富豪クリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)を、病気のルームメイトに代わりインタビューすることに。一目で魅かれあう二人。やがてグレイの求愛を受けるアナでしたが、そこには契約書と言うものが介在します。そしてグレイはアナに、自分の性癖を告白するのです。
まぁ一口で言うなら、女性向けソフトポルノです。官能シーンはそれなり丁寧に美しく撮られていますので、そういうのが苦手な女性でも、作品の中に入り込め易い。逆に男性、百戦錬磨の映画好きの女性にしたら、ボカシがいっぱいだし全然物足らないはず。主演のダコタはロストバージンのシーンが特に美しいので、期待して欲しいと語っていましたが、別に(笑)。あれなら「ニンフォ・マニアック」の色情狂ジョーの、事後にガニ股で歩くロストバージン場面の方が面白いし、リアリティがありました(笑)。ちなみに原作も監督も女性です。
27歳でヘリや飛行機を自家用で飛ばせて、出身大学に多額に寄付が出来て、すんげぇペントハウスの住人であるグレイって何者?と言う点が、ばっさり抜けていて、彼の過去の告白と繋がらす、全然感情が動かず。イケメンでお金持ち以上に何が必要なの?と言われているようで、シラケます。うぶなアナがグレイに魅かれるのはわかりますが、会社であんな美女に囲まれているグレイが、何故あんな垢抜けないアナに魅かれたかの説明もなし。多分この辺は原作で詳しく書かれている気がしますが、とにかく映画の方はキャラが薄いです。
対するアナはまずまず。さすが垢抜けないと言えども、あの可愛さでアメリカで頑固に21歳までバージンを通しただけの事はある子(笑)。その理由もだいたいわかるしね。単純に舞い上がらず、「恋の奴隷」にはなるもんかと、彼の要求するトンデモな契約をすぐ受けない賢さを褒めてあげたい。込み上げる激情に必死で抗う様子も垣間見られ、多情な母と電話する場面での涙は、私は良いシーンだと思います。
ただ恋する乙女の胸のときめきも、始まって一時間してやっと恋する二人がキスした「トワイライト」に、全然負けてます(笑)。官能性も「ナイン・ハーフ」の方がずっと上だし、ある程度大人の年齢で、セックスにはうぶな女性向けに作ってある気がしました。だってエロさでは、40年近く前に作られた「エマニエル夫人」にも負けてるもん(笑)。
そしてあんなSM部屋を見せられて、すぐ逃げ出さないのはダメじゃないかと。私はSMは映画で観るくらいですが、かなり本格的なもんじゃないかと。これは映画ですけど、現実にもこの作品に似たような件は、いくらでもあると思うんですよ。あそこは一旦逃げ出すくらいの描写があっても良かったかなぁ。
SM場面はソフトで、これならやってみたいと思う人がいるかも?(笑)。でも作品を最後まで観て思ったんですが、SMは二方に愛情がなければ、快感はないんじゃないですかね?ただのプレイであっても、そこに信頼関係がなければ成り立たないと思う。女性をいたぶって泣き叫ぶだけを楽しむのは、ただの外道な変態だし、自分にその嗜好がなければ、危険なだけだと思います。グレイは支配者や従属者と言う言葉を使って、自分を解放する方法だと言いますが、そこもバッサリと彼のSM哲学の描写が抜けているのが残念。
ダコタはお父さんにそっくりでびっくり。内容的に全裸の場面も多く、スタイル抜群で、バストが巨乳でなくて美乳なのが良かった(笑)。それも女性観客の視線を気にしてかな?ドーナンは画像で観るよりずっと素敵なので、これもびっくり。二人とも健闘してましたよ。二人に清潔感があるのが、美しく撮られている一番の要因だと思います。
この作品の内容を聞いた時、グレイの役はマット・ボマーがいいなと思いました。現実にアメリカでもその声を多かったようだし。ボマーはゲイをカミングアウトして、同性婚でパートナーありの人なので、その辺でキャスティングされなかった気がします。役柄的にこれは仕方ないかも。降板したチャーリー・ハナムは、私的には全くないなぁ(笑)。
唐突な終わり方に、はぁ?と目が点になりましたが、どうも続編があるようです。私は観てもいいですよ。
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