ケイケイの映画日記
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愛しのデンゼル様主演作。大作からB級アクション、悪役から善人まで幅広く出演するデンゼルですが、今作はお手軽なバディムービーとして、楽しめる仕上がりです。監督はバルタザール・コルマウクル 。
ボビー(デンゼル・ワシントン)とスティグ(マーク・ウォルバーグ)は、二人組の小悪党。とある銀行の襲撃を決行。400万ドルを強奪した二人ですが、しかしスティグがボビーを裏切り、400万ドルを持ち逃げしてしまいます。実はボビーは麻薬捜査官で潜入捜査をしており、スティグの正体も海軍将校。しかしスティグは仲間に裏切られ、ボビーもまた上司殺しの汚名を着せられます。どうする二人?
畳み掛ける感じでもなく、退屈でもなく、調度良い塩梅で進むテンポが大変よろしい。銃撃戦あり、カーチェイスあり、爆撃あり素手の対決ありで、アクション物のセオリーを踏襲。見せ方に新鮮さはありませんが、全て中の上くらいで、及第点をあげられます。その中で二人のキャラをきちんと浮き彫りに出来ています。例えば、スティグはデキるけど脳ミソは筋肉で、情にもろい善人だとか、ボビーは頭は切れるけど、現在はやさぐれ中で、でも娘ほどの年齢のポーラ・パットンが愛人の、色男とか色男とか色男とか。ね!
後から考えると、ボビーがハメられた理由はわかるけど、何故スティグが選ばれたのか?ボビーはパットンを何故振ったのか?(これ結構重要)、それなのに、なんでまだエッチしてんの?とか、パットンとジェームズ・マーズデンの都合良すぎる関係など、脚本は雑なんですね。CIAまで出てくる割には、スケールちっちゃいし。でも深みを求める作品じゃないし、当初はお互い使い捨ての相棒だったはずが、同じ境遇・立場に置かれ、段々信頼を深めて、本当の友情と絆を結ぶ様子が素敵なので、不問と致す。
ウォルバーグは、若造然とした役柄だったので、今更中堅どころのエースの彼がやらなくてもなぁと思っていましたが、人の良さが滲み出て、愛嬌あるスティグ像を作り上げていました。そして一番重要なのは、デンゼルととても相性が良かった事。これアメリカでヒットしたなら、続編作ると思います。
そしてデンゼル様。誠実な役柄の時も良いけど、こういう悪党寄りも素敵なのよね〜。端正な二枚目の彼も来年は「還暦」。無精ひげには白い物が目立ち始め、お腹も出て来た。「デンジャラス・ラン」では、「ドリアン・グレイのようだ」と言われていたけど、やっぱ老いの兆しが見え隠れしています。でもパットンのような美女中の美女とのベッドシーンも全然違和感なく、水も滴る男っぷりは、形を変えて継続中。ラスト近くで、札束が大挙舞うシーンの華やかさは、まだまだ彼のものです。私も老け込まずに、追っかけしなくちゃ!
肩の凝らない内容で、ほどほどの爽快感もある作品。パットン嬢もチラッとサービスで脱いでます。潜入捜査官の深い苦しみや葛藤を描いた、「インファナル・アフェア」のコクは微塵もござんせんが、デンゼルやマークのファンの方、B級アクションを好むご貴兄には、何の文句がありましょうや、の作品。
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