ケイケイの映画日記
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2012年09月27日(木) |
「ロック・オブ・エイジズ」 |
キャ〜キャ〜、愛してるわトムちん!時代は1987年のLAが舞台のロックミュージカルです。ロックは大好きなれど、主に70年代中心に聞いていた私は、ギリギリ80年初頭くらいしか記憶にござらん。サントラの曲目を見ても、フォリナーとジャーニーと「アイラブ・ロックンロール」他、少ししかわからん。と言う事で、ノレるのかヲレ?と危惧しておりましたが、ノープロブレム!冒頭からノリノリ、トムちん登場くらいからは熱狂しまくり、以降スピードダウンすることなく、ラストまで突っ走りました。誰もいなかったら、きっとスタンディングしてたなぁ、いやしたかった!監督はアダム・シャンクマン。元はブロードウェー・ミュージカルです。
田舎町からシンガーを目指してLAにやってきたシェリー(ジュリアン・ハフ)。ひょんな事からバンドデビューを夢見るドリュー(ディエゴ・ボネータ)と知り合います。ドリューは伝説のライブハウス「バーボン・ルーム」でアルバイト中。経営者のデニス(アレック・ボールドウィン)にシェリーをウェイトレスにどうか?と紹介し、彼女も「バーボンハウス」で働く事に。お互いに意識するようになった二人はやがて恋仲に。しかしロック界の頂点に立つステイシーが「バーボンハウス」に出演した頃から、二人に亀裂が入ります。
はっきり言って内容はペラい。しかしチャラくはないのだよ!古臭い青春ものなれど、描き方は本格的かつゴージャスなんですよ。主演の二人は若くて可愛いけれど、適度に芋っぽいところに田舎から出てきた感がよく出ています。しかしこの素朴な若い子たちが歌い出すと雰囲気が一変、めちゃくちゃカッコよく見えるのだわ。とても好感を持ちました。二人ともシンガーとしての実績ありらしく、その点でもキャスティングされたのでしょう。
知名度の低い主役に対して、脇は狡猾なステイシーのマネージャーにポール・ジアマッティ、ロック撲滅運動に執念を燃やす議員婦人にキャサリン・ゼッタ・ジョーンズ、一生不良のロックンロール親父デニスにアレック・ボールドウィン、デニスの相棒ロニーにラッセル・ブランドなどなど、芸達者を集めて、気合の入った歌と踊りを見せてくれます。特にアレック&ラッセルのパートは抱腹絶倒で見もの。でもアレック・ボールドウィンがあんなに歌えるなんて、知らなかったわ。後述のトムを含めて、脇がしっかり支えたのが勝因ですね。
低音の魅力を生かしたキャサリン姐さんも、オスカー受賞の「シカゴ」で実証済みのキレのいい歌と踊りを見せてくれます。ビッチでゴージャスな彼女が、保守派の猛烈主婦なんて似合わないと思っていましたが、やっぱそうか〜と、ラストはお堅いスーツもお着替えしています。ところで彼女、夫のマイケル・ダグラスが癌の折り、懸命に看病して回復に至ったと聞いています。その代償のように妻が欝になり、それから双極性感情障害になって、入院経験もありのはず。この常にハイテンションの役はしんどくなかったかな?と、観ていて少々心配になるほど。しかし見事なコメディエンヌぶりで、すごく楽しそうに演じていたのは、さすがプロだと感心しました。
そして!トム〜!歌はアクセル・ローズだかジョン・ボンジョビだか、まぁどっちでもいいわ。直接指導を受けたそうで、堂々のロックンローラーぶり。いやホント、マジでライブシーンなんか嬌声上げたくなっちゃった。歌は上手かったけど、ハイトーンの声は綺麗なんだけど、若干細い。なのでシャウト系の歌では少々粗を感じますが、ちょっとスローなラストのジャーニーの「Don’t Stop Believin」では聞き惚れました。
でね、フェロモン出しまくりで、横を通るだけでどんな女性も失神するほどの破壊力を持ちながら、孤独を背負った裸の王様がトムの役。癒すためのアルコールとグルーピーのお姉ちゃんとの酒池肉林に溺れ、ショービズの汚濁の中で傷ついた心もわからなくなっているステイシー。落日は遠からずの現在です。この役ね、きっとブラピでもジョニデでも、好漢ヒュー・ジャックマンでもソツなくこなすと思う。ヒューなんか歌上手いしなぁ。でもね、ステイシーのゴージャスさと痛ましさを見事に共存させられるのは、トムしかいないと思いません?奇行と三度の結婚と離婚を繰り返し、それでも最後のハリウッドスターと呼ばれ、白い歯を見せながら演じ続けるトム。スキャンダル上等だよ、それがハリウッドやロックの大スターってもんですよ。この作品でも、半ケツ姿や、ロッカーお約束の上半身裸のため、しっかり体も作ってます。見よ、上の画像!今年50と思えば、本当に立派だと思うわ。あんなに舌だして素敵なのは、トムちんの他にはジーン・シモンズだけだよ。
名声が欲しければ、愛は得られないと言うのが、マネージャーの言葉。そんなこたァない!と言わんばかりのラストのハッピーエンドが超嬉しいです。「パイレーツ・オブ・ロック」は60年代、今作は80年代と、70年代後半に聴きまくっていた私でも、両方すごく楽しめたのは、ロックは永遠不滅だと言う事だね。
ジャーニーの曲が二曲かかり、そうだ、スティーブ・ペリーが休養したとこまで覚えているけど、どうなったのかな?とウィキで検索したら、色々彼も苦労したんだなぁと感慨深かったです。私が子育てで大変な時、ふと観た夜中のMTVで流れていたのが、ジューダス・プリーストの「ジョニー・B・グッド」でした。アレンジし過ぎて原曲がわからなくなった代物は、私より年上の彼らがまだロックンロールしている、シャウトしてるんだ、老け込んじゃダメ!と目が覚める思いでした。KISSだって、まだお化粧してロンドンブーツ履いてるじゃないか。私も頑張らなきゃ。次は70年代のロックショー映画が絶対観たいよ。その前にこの作品もう一度観て、ラストは拍手してきます。
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