ケイケイの映画日記
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2012年06月28日(木) |
「ロボット 完全版」 |
30分短縮の日本版が好評を呼び、公開が実現した3時間バージョンです。日本版に乗り遅れ、完全版が公開されると聞き待つこと一ヶ月。完全版は一日一回レイトかイブニングのみのため、一発勝負の土曜日2時45分の回を、やっとこさ観てきました。私は長い映画が苦手で、出来れば全部90分前後で観たい派なので、途中寝落ちしないか危惧しておりましたが、体感二時間ちょいくらい。楽しく鑑賞出来ました。監督はシャンカール。
10年の歳月をかけ、バシー博士(ラジ二カーント)は自分とそっくりのロボット、チッティ(ラジニカーント二役)を作ります。博士はチッティを軍事用ロボットにしたいため、アシモフの三原則はプログラムしていません。超人的な能力のチッティを完全なものにするため、感情までプログラムする博士。チッティは博士の魅力的な恋人サナ(アイシュワリヤー・ラーイ)に恋しますが、折しも二人は正式に婚約。サナを巡って喧嘩になる博士とチッティ。怒った博士はチッティを分解してしまいます。そこへ博士の研究を横取りしたい科学者が、チッティを回収。チッティをそそのかし新たに殺人プログラムを組み込みます。
完全版はヒンドゥー語ではなく、タミル語で公開だそうな。もちろん私には違いはわかりません。もっともっと豪華絢爛で、金銀で目が眩しいのかと思いきや、予想を裏切り意外とまともな筋立てでした。博士が軍事用のためチッティを作ったと聞いた時は、へぇぇぇ!と違和感がありましたが、考えればインドも核保有国、お隣のパキスタンしかり、身近に戦争を感じるのでしょう。現在IT大国として名を馳せるインドの様子も、丁寧と言うか、素人向けにわかり易く描いてあります。
お話はよくあるストーリーで、「ピノキオ」と一緒ですね。人間に恋し、人間に成りたかったロボットのお話で、それを肉付けするストーリー展開やミュージカルシーンが巧みに繰り広げられ、飽きさせません。キャッチが「わけわからんが面白い」なので、どんなトンデモかしら?と予想していましたが、特に破綻は感じず、ミュージカルシーンが何箇所か唐突だったくらいかな?なのに長尺作品は苦手な私を飽きさせなかったのは、さすがだと思いました。ラスト近くのバトルは、私は怪獣もんにはあまり興味がないので、正直ちょっと弛れましたが。
しかし内容より何より、私が一番びっくりしたのは、ラジニの若さとアイシュの美しさ!インド映画ビギナーのワタクシですが、それでもラジニが国民的俳優で還暦過ぎているくらいは知っています。それがあなた、普通にアクションしておる。もちろんCGは使っていますが、それにしても驚異的な若さ!何か秘薬でも飲んでるのかしら?インドだし(いやいや)。
そしてこの人!ワタクシ、今や絶滅種の「絶世の美女」と言うのを久しぶりに観ました。最近職場で今の女優で誰が美人か?と言う話になり、私が「シャーリーズ・セロン」と言ったきり、後続なし。それくらい美しさは多様化してしまい、誰が観ても美女と言う人は本当に少なくなりました。アイシュが美しいのは知っていましたが、動く彼女はもっと魅力的。インドの女優さんらしく肉付きがよく、セクシーなのに愛らしいと、雰囲気も満点。ダンスも上手で、キンキンキラキラの衣装も抜群に似合う。お人形さん的ではない、生身の女が香っているのも素晴らしい。正直サナさんは性格は良いとは言い難いのですが、これ程美しいんだもの、何でも許せるわ。正しく美しさは罪。これくらい大騒動起こすのも納得でした。
ラストはかなり強引ですが、上手く感傷的にまとめてあります。劇場はほぼ満席でした。ブームがまた来るのは難しそうですが、インド映画上映の際は、私もまた足を運びたく思います。
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