ケイケイの映画日記
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2011年09月19日(月) 「探偵はBARにいる」

豪華キャストの期首特番の二時間ドラマ。と言う感じかな?映画ならではだったのは、暴力シーンがふんだんにあって、流血が多かった、それくらいです。ストーリーと関係ない所で、たくさんゆるく笑わせる箇所があったり、テイストは悪くはないですが、う〜ん微妙な感じが残ります。監督は橋本一。

北海道のススキノで探偵をしている「俺」(大泉洋)。助手の高田(松田龍平)と共に、危ない仕事もこなしています。携帯は持たない主義で、連絡はいつものバー「KELLER OOHATA」の電話でしています。ある日「コンドウ キョウコ」と言う女性からの依頼を受けた「俺」は、複雑に絡み合う殺人事件に巻き込まれます。

昨日布施ラインシネマで観ました。ラインシネマね、今月から会員制度が変わったので、手続きがあったんですよ。有料会員は今迄6本鑑賞で一本無料が、5本になったの。それでポイント貯まってたので、手続き変更も兼ねの鑑賞です。何でも今上映中の作品で一番の観客動員、早くも続編制作決定と聞くと、ちょっと気になるでしょう?でも観た感想としては、そんなに大した作品じゃなかったなぁ。

良かったところは、名のある俳優、あっ、この人知ってる!的な俳優がわんさか出てきますが、みんなちゃんとキャラも確立、脚本も整理されていて、誰一人迷子にならず役割を果たしていた事。登場人物が多いので、大泉&龍平のコンビ以外は場面も少なく、脇もだれることなく光っていました。特に良かったのは高島政伸。全然配役とストーリーを頭に入れず観たので、へぇ〜こんな役もやるのかと、ちょっと新鮮でした。他は田口トモロヲ。でも彼はいつもいいもんね。

もちろん主役コンビも良かったです。「俺」は警察の塀に登って、落っこちそうで落っこちない、そんなヤバイ仕事もこなしながら、根は善人のようで、心の中には熱い血が通っています。そんな「俺」を、ずれたコント風のユーモアを交えて、大泉洋が好演しています。私は彼のハリのある声が好きで、高いのですが耳障りが良い。決してハンサムではないですが人に好かれそうな顔立ちで、強いくせ毛とスラッとした長身の個性がミスマッチで、喜劇でもシリアスでも両方大丈夫そうなのが魅力だと思います。そんな彼の個性は充分活かせていました。

龍平も飄々として鈍いのか強いのか、何を考えてるんだかわからない高田を、大泉と息の合った間合いで、チャーミングに好演しています。ちょっと「まほろば駅前多田便利軒」の行天と似た個性でしたが、こちらの方が軽妙です。他は上にも書いたけど、若い二人に頑張ってもらって、アクションや流血シーンもちゃんと挿入されていたことです。

ダメ、とも言い切れないですが、登場人物は皆背景を描かずとも、充分際立って描けているのに、肝心のストーリーが平凡。途中で筋がわかっちゃう。こんだけあちこち騒ぎになっているのに、一度も警察の取調べがないのもおかしいし、黒幕と警察の癒着があるなら、匂わす台詞は必要です。「コンドウ キョウコ」の正体も、上手くミスリード出来ているとは言い難いです。

全体のムードが悪くなかったので、登場人物を少し省略して、某ヨットスクールもどきな右翼団体や、霧島(西田敏行)の背景を描き込んだら、味わい深さが残った気がします。

悪くはないけど、これが大ヒットとは意外です。これも大泉洋がバンバン番宣に出たお陰かな?でも大味な大作がヒットするより、この手の個性的な小品がヒットした方が、映画好きとしては嬉しいです。そうか、個性が万人受けしやすかったのが勝因かも。

それにしても、龍平と言い翔太と言い、もう「松田優作の息子」と言う冠はいらなくなりましたね。お母さんの松田美由紀は私と同じ年。前妻から奪った形で結婚した夫が夭折したことは、彼女の胸には重いものを残したと想像します。若くして三人の子育ては大変だったでしょう。ずっと再婚しなかったのは、松田優作の未亡人・子供で有り続ける方が、自分にも子供たちにもメリットがあると計算したのかも。でもその計算こそが母親だと思います。私が彼女の友人なら、息子たちも立派になったから、そろそろ自分の幸せも考えたら?と言ってあげたいなぁ。

何だかんだ言いながら、続編も多分観ると思います。今度は松重豊もいっぱい出て欲しいな。彼ね、私の大好きなマッツ・ミケルセンに似てるんですよ〜、ねっ、似てるでしょ?



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