ケイケイの映画日記
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2011年06月19日(日) |
「アリス・クリードの失踪」 |
いや〜面白い!面白いわ!出演者はたった3人だけ、それもほとんどが密室劇で、これだけ面白いもんが作れるんですね。英国発のミステリーで、監督はこれが初作のJ・ブレイクソン。
中年のヴィック(エディ・マーサン)と若いダニー(マーティン・コムストン)。二人の男は、富豪の娘アリス・クリード(ジェマ・アータートン)を誘拐監禁し、父親に身代金を要求します。四肢をベッドに縛られ、絶対逃げ出せないはずのアリスなのですが・・・。
何も書けません。 何を書いてもネタバレになっちゃ。でもちょっとだけね〜。
冒頭熟練大工か?と思うほど、手際よく借りた隠れ家を作り上げて行く二人。着ていた服は場面が変わるごとに次々脱ぎ捨て、プロの手口を思わせます。父親に送り付ける写真のため、アリスをスッポンポンにして写真を取ります。でもヤラない。「犯さず殺さず火をつけず」。「鬼平」に出てくる「良い悪党」みたい。なるほど。ムショ帰りかぁ〜。なるほど。(なるほど。の意味は途中で段々わかりますよん。)
とにかくね、予告編で観て想像していた展開は、全て裏切られました。二転三転、一つの綻びや嘘や本音から、三人の立ち位置がくるくる入れ替わります。あのセリフを信じてたのに、何だよ、お前!となるので、先が読めません。まぁちょっと強引つったら強引なんですが、そぅ〜だったの・・・と、納得は出来ます。あちこち伏線が張られていますが、ちゃんと処理できています。
ジェマは富豪令嬢にしてはやさぐれ感があって、今回のアリスにピッタリ合わせて役作りしています、化粧も崩れ髪もボサボサ、思い切り良く全裸を見せて大奮闘です。演技も思いの外上手く、しぶといと言う言葉がぴったりのアリスを好演しています。印象に残る脇役で活躍してるマーサンも、血の気の多い出来る悪党ぶりを好演。コムストンは、か弱く人の良さそうな小動物的な可愛さが印象的で、これがねぇ〜・・・。止めとこ。
全編貫く小汚さは、時々オェ!となるシーンも出てきますが、本当の監禁なんて、これ以上なんでしょうね。これくらいにしときます。時間にして90分ほど、あなたも騙されてニタニタして下さいませ。
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