ケイケイの映画日記
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2009年12月02日(水) 「ニュームーン/トワイライト・サーガ」




これを観ずして、年が越せるか?日本全国の婦女子の皆さま、待望の「トワイライト〜初恋」の続編でございます。今回監督が「アバウト・ア・ボーイ」のクリス・ワイツの変更に伴い、「あなただけよ」の純愛から、現実的な三角関係なども盛り込んでおります。前作ほどではありませんが、今回もまずまず満足致しました。

18歳の誕生日だというのに、ベラ(クリスティン・スチュワート)は絶望の真っただ中。恋人のヴァンパイア・エドワード(ロバート・パティンソン)は永遠の17歳だというのに、自分はこれから毎年年をとって行くのです。誕生日パーティーに、ふとしたはずみで流血してしまったベラは、エドワードの一族に波紋を投げかけてしまいます。熟考の末、ベラに別れを告げるエドワード。嘆き悲しむベラ。そんなベラの唯一の心の慰めは、幼馴染のジェイコブ(テイラー・ロートナー)だけでした。

へぇ〜、アメリカの若い子も、女は若い方がいいと思ってんのね〜と、前作同様の古式ゆかしい男女感に感慨を抱きました。この若さで年齢を気にしなくちゃいけないベラの憂鬱に同情しつつ、キスシーンがいっぱいなので、エドワード君、この半年間、鍛錬を積んでキスしても血を吸いたい衝動を抑えることが出来るようになった模様。

エドワードに失恋してからのベラの壊れっぷりが凄まじいです。最初は、うんうん、「あなたと別れるくらいなら、私死ぬわ!」の人だったんですもの、哀しいわよね〜、女の子はこれくらい純情でなくっちゃと思ったんですが・・・。

廃人のようにうつろな眼差し、ろくろく食事も取らず、友人たちとの付き合いもシャットアウト、悪夢に苛まれ毎夜大声を上げ父親を起こし、果ては危険な目に遭うとエドワードの幻影が見えるようになるや、進んで危険な目に遭うよう自分を仕向ける・・・。

ハッキリ言って、メンヘラです。

お父さんがすっかり手を焼いて、「フロリダのお母さんの所へ行きなさい」という始末。男に振られてメンヘラになる娘を観るのは、男親として耐えられませんわね。お父さん可哀想。しかしメンヘラ娘の底力というか、男を呼び寄せる吸引力や凄いものがありましてね、「守ってちょうだい」オーラが発散しているのでしょうか、元々ベラに気があった同級生やジェイコブなど、次々陥落。しかも本人に悪意はないのでしょうが、思わせぶりだったり、「あなたを失いたくないの。だからお友達でいましょう」などの小悪魔ぶりなのですが、本人は全く自覚なし。男の子たちはいいように扱われるのに、ベラ命なわけ。

男に振られたのを癒すのは、男しかいない、ということで、フラッグが立ったのは前作からぐんと精悍でたくましくなったジェイコブ君。憂いと誤解されるメンヘラで男にモテまくり、女友達は現実の子たちを大事にせず、独り言のように、受け付けてはもらえないエドワードの姉アリスに、メールをしたためるベラ。現実にこんな子がいたら、女の敵ですよ。しかし!ベラが心を寄せるジェイコブにも、大きな秘密があったのですね。それもエドワードに匹敵するような秘密が。前作を覚えている方ならピンとくる訳ですが、知らなかったとはいえ、こういうゲテモノばかりに心奪われるとは、ベラさん選球眼悪過ぎです、とは、相手がエドワードとジェイコブなので、思いませんが。ワタクシのようなおばさんはこのように冷静に観ますが、お若い婦女子は、悲劇のスパイラルにはまるベラに、感情移入しまくることでしょう。でも冷静にこのシリーズを観てしまうって、かなり哀しいのよ〜。




今回ロバート・パティンソンは、最初と最後で頑張ってくれますが、中抜きなので、彼のファンの私は、ちょっと物足らず。その代わり憔悴しきったベラとお話を引っ張るのは、テイラー・ロートナーです。メカに強い男の子らしさと、童顔で爽やかな笑顔とは対照的なたくましい肢体をみせまくり、今回新たなと「トワイライト」ファン獲得に貢献したことでしょう。




「ヴァンパイアのお国」みたいなのが出てきて、そのエライさんに、子役から美女に絶賛進化中との噂が高い、ダコタ・ファニングが特別出演。しかし、ゴスメイク@ヴァンパイア仕様なので、進化の程は、あまり解りませんでした。

三角関係はどうなるか?それは映画を観てのお楽しみ。まずまずでしたが、正直私はベラのメンヘラぶりには、途中でイライラ。まぁそれだけクリスティンが上手かったってことです。青春ファンタジーロマンスからは大道外れず、今回もまとまった出来でした。次の作品では、「〜初恋〜」くらい、またうっとりさせて欲しいです。


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