ケイケイの映画日記
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2008年01月14日(月) 「俺たちフィギュアスケーター」




爆笑コメディとして噂の高いこの作品、や〜と昨日観てきました。大阪は「なんばパークス」一館だけ、それも夕方からの上映だったので、年末年始は主婦には鑑賞厳しく、先週土曜日から3時代の上映が始まったので、観られた次第。結論から言うと、笑ったしそれなりに面白かったけど、期待値は割りました。あんまり前評判が高かったので、よっぽどチケット屋でディスカウントチケット(1200円〜1400円)買ってでも観ようかと思っていたんですが、「なんばパークス」はオークションで安くチケットがゲット出来るのです。今回とても迅速なお取り引きをして下さる出品者さんのおかげで、850円で観られました。間に合わなかったらチケット屋だったので、それなら「楽しめました」と言えたかどうかは、ちょっと微妙です。

全米男子フィギュアスケート界の人気と実力を二分するチャズ(ウィル・フェレル)とジミー(ジョン・ヘダー)。下品だけどワイルドでセクシーな異端児チャズと、育ちが良くて優雅な優等生風のキャラのジミーは、嫌猿の仲。同得点で二人いっしょに優勝になった世界選手権で乱闘騒ぎを起こし、フィギュアスケート協会から永久追放されます。その後恵まれない三年半を過ごした二人に、ジミーの元コーチ(クレイグ・T・ネルソン)は規約の盲点をつき、二人にペアを組まないかともちかけます。かくしてフィギュアスケート界初の、男子ペアが誕生します。

イヤ本当にね、別に全然悪くはないんです。くだらなくて脳みそ空っぽにして楽しめたし。なのに何故手放しじゃなかったかというと、もっとお腹の皮がよじれるほど笑えるのだと、私が勝手に思っていたわけ。それと超がつくおバカ映画と聞いていたので、それもそれ程かなぁと。確かに下ネタ満載だったし、ウィル・フェレルからは、香ばしもくっさ〜い臭いはしてきてたんですがね。

それともっと毒々しくお下劣かと思ってたんです。向こうのコメディではゲロネタが多く、そんなシーンもありましたが、うぅ、気色悪!と感じると、一瞬で終わらせてましたし、エッチな誘惑シーンなんかもおっぱいの谷間を強調するくらいで、そんなにすごくもないし。意外に良識あってちょっと拍子抜けでした。

それよりもフィギュアの才能を見込まれての養子だったジミーが、永久追放で簡単に親から縁を切られたり、同じくチャズが場末のアイスショーでお茶を濁していたり、トップ選手になるまでに莫大なお金がかかると言われているフィギュアスケートですが、メダル取らなきゃただの人、いやそれ以下なんだと、アメリカのスケート事情を、結構まともに風刺していると思いました。日本の事情はどうなんでしょうか?

でもアメリカと日本じゃコメディのキモが違うので、向こうで大ヒットしたコメディが、こちらでは全く笑えず沈没とはよくある話です。そう思えば、これはかなり笑えた方だとは思います。極寒の中デートでかき氷食べたり、大会マスコットを上手く笑いに使ったりと、一つ一つのアイデアは面白かったです。かき氷はブルーハワイを食べて、ちゃんと唇が真っ青になるとこなんか、芸が細かくて良かったです。それと男性二人がペアになると、どうしても片方が女役の役目をするため、ゲイだと囃されますが、その辺の差別感情はあっさり描いていたのは、良かったです。

筋に絡む意地悪なライバルペアは、姑息なあの手この手を使いつつ、脳みそが軽いのが楽しかったです。特に女性の方が本当に根性が悪そうな顔しているんですよ〜。大阪ではこんな人を「根性ババ」というので、どこかで使って下さい。双子の設定なのにキスシーンがあり、はれ?と思ったのですが、演じるこの二人は実生活では夫婦だそうで、楽屋落ちネタだったのかな?

チャズのワイルドでお下品なダンスは、エキシビジョン仕様ですね。楽しかったですけど。規約が変わっていなければ、公式試合のBGMは、歌が入るとダメだったと思うんですが、まぁいいか(間違ってたらゴメン)。でもせっかく往年の名選手や現役選手がカメオ出演しているんですから、その辺はチェックしても良かったかも。無粋なツッコミだとは思いますが、その辺おざなりにするなら、本当のフギュアスケーターは出演させない方が良かったと思います。

チャズが出演していたアイスショーで、フォリナーの「ホット・ブラデット」が流れていたのにびっくり。フォリナーの曲では一番好きだった曲ですが、他に使われていた曲は、エアロスミスの「ミス・ア・シング」やクィーンの「フラッシュ・ゴードン」などだったので、アメリカではこの二つと同じくらいポピュラーな曲なのかと、初めて知りました。

それとコーチ役のクレイグ・T・ネルソンが誰だったかなと、ず〜と思いだすのに必死だったんですが、「ポルターガイスト」のお父さん役だった人なのでした(終盤で思い出す)。「ポルターガイスト」は夫と婚約後初めて観た映画だったので、非常に私にとって思い出深いのですね。もちろん選んだのは私です(昔からそういう人間だった)。

ラストは爽やかさのかけらもなかった二人が、ちょっとだけ爽やかには感じました。普通に面白いレベルの、おバカコメディでした。各地単館上映で、観るのに苦労される方も多いと思いますが、個人的には無理せず、レンタルDVDでもいいかと思います。


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