ケイケイの映画日記
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2007年12月17日(月) 「ベオウルフ / 呪われし勇者」(2D上映)




先週の土曜日に観てきました。2D上映は低評価、3D上映は絶賛多数と真っ二つの作品です。私はクリニック勤務なのでね、土曜日はお仕事です。いつもはダッシュで帰って、家族のお昼御飯を作らなきゃいけないんですが、その日は夫→医療関係なので毎土曜日は午前中出勤。その日は用事でお昼御飯がいらない。三男→高校受験のとある科目を予習しに某高校へ。次男→月1の土曜日出勤、その後会社の忘年会。長男→休日。お昼ごはんはどうでもよい(こうやって家族のいない時を見計らって観ているので、、私がこんなに観ているとは誰も知らない)。とゆーことで、時間がぽっかり空いたので、もちろん映画館へ。本当は3D上映の梅田ブルグまで行きたかったのですが、そこまでの時間はござらん。よってラインシネマへGO!2Dでも普通に面白かったです。

古代のデンマーク。勇者ベオウルフ(レイ・ウィンストン)は、王フロースガール(アンソニー・ホプキンス)の命により、暴れまわる怪物グレンデル退治に出動し、勝利を果たします。しかしその後も何人もの兵士たちが殺され、それはグレンデルの母(アンジェリーナ・ジョリー)の仕業とわかりました。グレンデルの母をも成敗しにいったベオウルフですが、逆に魔物であるグレンデルの母の色香に迷わされることになります。

モーション・キャプチャーという手法を使っての全編CG作品。なので出演者は全て本物の俳優のCGで、声だけ本人です。監督のロバート・ゼメキスは、「ポーラー・エクスプレス」「モンスター・ハウス」に続いてのCG作品です。

ファンタジーで、目玉は怪物たちとの格闘シーンですが、私は素直に面白かったです。まぁ目新しさはなかったですがね。ちょっと「サラマンダー」を思い出しました。その他宴のシーンが多いのですが、この辺も違和感なく上手く描けていました。

しかしグレンデルと闘うシーンで、意味なくベオウルフがスッポンポンになるのにはびっくり。でも実写ならあわやトンデモか!なんですが、その辺CGならではのマイルドさで、乗り切りました(本当か?)でも上手く隠してたなぁー。

ストーリーの芯はズバリ、「英雄色を好むと、その後はどうなる?」です。魔物でなくても性悪女にひっかかった日にゃ、あぁくわばらくわばら・・・、と感じた殿方も多かったのではないでしょうか?

最初のフロースガールとグレンデルの対面シーンで、二人の間の秘密はだいたいわかるのですが、その秘密は、二重にも三重にもフロースガールを苦しめます。どうしても自分の手ではグレンデルを殺せなかった彼が、グレンデルの死後取った行動は、物哀しさが漂います。しかしそれは人との心としてとても理解出来るので、余韻を残すものです。それはベオウルフにも受け継がれ、まさに歴史は繰り返すを地で行くストーリーですが、CGでもあんなにセクシーなアンジーですもの、誘惑されたら一回くらい食っちゃうわね。いや正しくは食われたのか・・・。この辺のご立派な男性二人の憂鬱には、とても同情出来る描き方でした。

しかしストーリーはその方面だけ強調してしまって、王妃(ロビン・ライト・ペン)の扱いも、イマイチ添え物的になってしまったし、臣下アンファース(ジョン・マルコビッチ)の扱いも、もっとミステリアスだったり曲者だったり出来たはずですが、これも中途半端。その辺の工夫があれば、やや平板なストーリーに奥行きが出たと思います。

この王妃さま可哀想なんですよ。前夫も現夫も、両方アンジーの幻からずっと逃れられなくて。女性として敗北感がいっぱいだったでしょうね。でも潔癖が過ぎるし知性が勝る感じだったので、旦那様方も心が安らがなかったかな?

この方式で作ると、亡くなった往年のスターたちも出演出来そうですが、私は王妃役のペンが最初全然誰だかわかりませんでした。ラスト5分前にや〜と、「あっ!ロビン・ライト・ペン!」とわかったしだい。出演はアンジーだけしか知らなかったのですが、ホプキンスやマルコビッチなど、特徴を描きやすい人はとっても上手く描けていましたが、ペンの他にもアリソン・ローマンなど最後までわかりませんでした。似顔絵と同じで、デフォルメしやすい顔立ちの人だとCGでも上手く描けますが、ノーブルな整った顔立ちは難しいみたい。同じ世紀の美女でも、リズは大丈夫でグレース・ケリーは微妙という感じかな?

亡くなった俳優の出演は、遺族の了解など色々クリアしなければいけないこともあるでしょうが、現役時代では実現出来なかったようなオールスターキャストの作品を、是非観てみたいです。


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