ケイケイの映画日記
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2007年05月04日(金) |
「ラブソングができるまで」 |
レディースデーの水曜日に観てきました。本当は仕事帰りになんばまで出て、敷島シネポップで「クィーン」を観る予定でしたが、前日「バベル」が精神的に重たく、ヘラヘラした気分になりたかったのでパス(「クィーン」も辛気臭そうだ)。それに「バベル」は絶賛の嵐になると予想した私、見どころはそれなりにわかるだけに、寄らば大樹の陰になっちゃいかんと、早めに「あきませんでした」とカミングアウトしたかったのねぇ。なので仕事終了後速攻帰宅→わっせわっせと感想文を書く→2時40分に家出発で、2時55分からの回を観ました。正直中だるみしたし全体的にヌルかったけど、前日が前日なもんで、私は楽しかったです。
80年代大人気だったポップグループ、”ポップ”のリードボーカルだったアレックス(ヒュー・グラント)。今は鳴かず飛ばずで、往年のギャル相手の余興しか仕事がありません。しかし過去に生きる彼はそれでいいと思っています。マネージャーのクリス(ブラッド・ギャレット)はそんな彼をみかねて、人気絶頂の歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)がアレックスのファンだということを利用して、彼女に曲を提供することで復活させようとします。アレックスは作曲専門で、なかなか良い作詞家が捕まらないおり、自宅に観葉植物の水やりのアルバイトに来ていたソフィー(ドリュー・バリモア)の口ずさむ歌詞に心魅かれたアレックスは、強引に彼女に作詞を担当させます。
まず邦題が秀逸。とてもこの作品を表しています。オープニングが”ポップ”のビデオクリップなのですが、これが当時の曲調にソックリで、オマケにビデオ内での寸劇(?)も、そうそう当時はこんなんだったなと、懐かしさと爆笑の入り混じる気分が最高に楽しいです。今観るとダサダサなんですよね〜、これが。そしてこれが先にご覧になった皆さん方が、随喜の涙を流したヒューの腰ふりかと、私も堪能。
観葉植物の水やりのバイトってなんぞい?そんな仕事がアメリカはあるんですかねぇ。きちんと姉のエストサロンを手伝うという仕事を持っているソフィーが、何故にそんなアルバイトをするのかは、友人のピンチヒッターということでクリアなんでしょ。
ソフィーにはとある心の傷があるんですが、このエピソードはちょっと弱いかな?彼女をもっとピュアな不思議ちゃんであるように描いた方が、深みが増した気がします。でもドリューは可愛かったし、ファッションもセンスよく、年齢に関係なく応用が利きそうな小物使いや靴のセレクトなんかも楽しめますので、まっいいっか。
無事作品が仕上がってから終盤までがややヌルいです。まぁ納得出来なくもないけど、アレックスの人の良い軽薄さは存分に描かれているので、彼の対応はわかるのですが、ソフィーが描きこみ不足なので、何故彼女がそこまで頑固になるのか説得力不足。
しかしそのヌルさを補うのが、キャラの立った登場人物と好演する俳優たち。軽薄で思慮が浅いが善良、腕っ節は弱いが男気はあるアレックスを、いつものかる〜い演技でヒュー様が腰をふりふり熱演すれば、ドリューは愛らしさでソフィーの説明不足を補います。脇のギャレットの売れない歌手とマネージャーの絆は、ビジネスライクというより友情を感じさせて好感です。ソフィーの姉役クリステン・ジョンストンも、気のいい姉御肌でユーモラスな演技に、しっかり妹を守ろうとする心を感じて良かったです。
コーラ役のヘイリーの踊りもなかなかみもの。”ポップ”との対比となって、ミュージッククリップの変遷にもなっています。流れる音楽は今の曲より、”ポップ”の曲の方が好きだわ〜と思う方には、堅い事言わずに楽しめる作品かと思います。
ロマコメキング・ヒュー様はちょっと皺が目立ったけど、日本の永遠の二枚目田村正和は、齢64歳にして娘より若い伊東美咲と恋仲になる映画に出るんですもの、その年齢までヒュー様はまだまだ20年弱あり。これからもライトな魅力でずっと頑張って欲しいです。私もアレックスファンのおばちゃんたちのように、ずっと追いかけるからね〜。
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