ケイケイの映画日記
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まずは画像をご覧アレ。素敵でございましょう?りえちゃんももちろんですが、染五郎様ですわ!全然ノーマークの男がですよ、突然目の前に現れてですね、ありったけの粋さと水も滴る男ぶりを魅せてくれたのですからあなた、今私の頭はピンク色のハートだらけなわけですよ。染五郎32歳、こんな「若い男子」に萌えるのは久しぶりです(やや老け専のきらいあり)。
時は文化文政の江戸。一見平穏に見える町は、人間を滅ぼさんとする鬼達が暗躍していました。邪空を中心とした人間と鬼を瞬時に見分ける剣豪を集めた「鬼御門」が結成され、日々容赦なく鬼を切り捨てていました。そんな彼らの前に尼僧姿の鬼・美惨(樋口可南子)が現れ、間もなく鬼の王・阿修羅が現れるだろうと告げます。病葉出門(市川染五郎)は5年前まで「鬼御門」随一の腕利きでしたが、ある事を境にそれまでの一切を捨て、今は人気の歌舞伎役者になっています。ある日町を騒がず謎の盗賊団”闇のつばき”の一人、つばき(宮沢りえ)と出会い、二人は運命的な恋に落ちます。しかし実は阿修羅はつばきで、彼女自身それを知りませんでした。彼女が阿修羅になるのには、人を愛する力が必要だったのです。
冒頭ケレンの利いた鬼が暗躍する江戸の風景が出てきます。少々CGはしょぼいものの気になるほどでもなく、この手の妖気ファンタジーが見せてくれる美術が目当てだった私は、豪華で猥雑なビジュアルが気に入り、BGMもノリよく一気に映画に吸い込まれてしまいました。
病葉出門=わくらばいづも、と読みます。正直こんなに染五郎に萌えるとは思っていませんでした。時々現代劇で見かける彼はどうということもなく、印象すら残らないのに、時代劇となったらこの艶やかさと色気はどうざんしょ!というくらいです。本物の歌舞伎役者に歌舞伎役者の役はちとずるいのですが、台詞回しや立ち回り、キザでいなせな言葉が立ち姿も見目麗しい彼から発せられると、もうぽぉ〜となってしまいます。やっぱり歌舞伎役者はモノが違うわいと感激してしまいました。
例えば、大切なかんざしを奪い戻したに来たつばきに、カーテン?越しから現れ、「夜這いに来てくれたとは嬉しいねぇ。」という彼の髪にはかんざしが。あぁ〜ん。邪空からつばきを連れ戻しに行った時「なんで?」というつばきに、「待ってたわ、とは言えねぇかねぇ。」キャーーー!!!!阿修羅になったつばきに会うためバッタバッタ鬼を倒しながら、「悪いな、女待たしてるもんでな。」いや〜ん!!!と、もうほとんど「染五郎さま」だけを途中から追っていました。
だから筋での穴なんてあなた、そんなもの、例えばつばきは盗賊だったが何故?とか、鬼って何を悪さするのさ?とか、鬼のくせにヘタレ過ぎとか、鶴屋南北がうざいとか、そんな重箱の隅をつついていたら、映画って面白くないですよね?(←普段と言っていることが違い過ぎます)だって萌えてしまったのだから仕方ない。愛なんてそんなものよ。だからつばきが恋する過程が描けていないという感想には、相手が出門だったからですで充分(きっぱり)。つばきは見る目があったんですな。
この作品の元は「劇団☆新感線」の舞台で、いっしょに観た友人によると舞台でも出門は染五郎(観たい!)。つばきは天海祐希、美惨は夏木マリ。夏木マリと言えば東映の「里見八犬伝」での妖気溢れる美貌で感嘆させた玉梓役が印象に強いですが、映画の樋口可南子も艶っぽく貫禄があり良かったです。東映・玉梓はオールヌードありでしたが、こちらお上品な松竹、若い頃はタコと戯れたり(「北斎漫画」)、レズッたり(「卍」)、日本発のヘアヌード写真集を発刊したりの樋口可南子ですが、今回脱ぎはなし。いや今でも脱いだら充分きれいと思いますよ。際物的な仕事も多かった彼女ですが、不思議と不浄感のない品のある人ですので、妖しさが返って際立ちました。
りえちゃんは綺麗でしたが、何故かつばきの時はお肌の荒れが目立ちました。阿修羅になった時と対比させたいためでしょうか?でも染五郎がむき卵のようにお肌ツルツルなんで、これはいただけません。それと結構な濡れ場もあるのですが、ここでもフェロモン全開は染五郎。もうちょっとふっくらした方がエロティシズムが出たと思います。でも堺正章の「西遊記」の高峰三枝子@お釈迦様を思わすビジュアルで、りえちゃん登場のシーンがあるのですが、これが天海佑希ならまんま御釈迦様ですが、りえちゃんの美貌でセーフだったので、彼女で良かったです。
途中で外道に成り下がる邪空は、いつどんな役をやってもいつも同じの渡辺篤郎。でも噛ませ犬の役なのでこれで上等。いや私が言ってるんじゃありません、自分で言ってます。舞台版・伊原剛史は、もっと役が膨らんでいるとか。
とまぁ、感想になってるんだか、なってないんだか。花魁が言う「主さんがたとえ鬼でも、好いておりますわいなぁ。」が私には全ての作品。ミーハーにならずして何の映画ぞ、今日は幸せ。
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