ケイケイの映画日記
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2004年10月09日(土) 「ツイステッド」

唐突ですが、アシュレー・ジャッドとシャーリーズ・セロンって似てませんか?以前ホンダのCMでジャッド→セロンと交代した時、両方ブロンドだったんで最初わかりませんでした。セロンの「モンスター」に続いて、今日はジャッドが「存在の耐えられない軽さ」「ライトスタッフ」の監督、フィリップ・カウフマンと組んだサスペンスと言うことで、そこそこ期待して初日に駆けつけました。

サンフランシスコ市警に、巡査から殺人課の捜査官に昇進したジェシカ・シェパード(ジャッド)は、幼い時刑事だった父親が母親を射殺すると言う心の傷に加え、職務の激しいストレスのはけ口を、酒と行きずりの男を拾い身をまかせると言うことで発散していました。そんな時、彼女が関係を持った男たちが次々殺され、彼女に疑いがかかります。

このストーリーをチラシで読んだ時、二時間ドラマのようだと微かににハズレも匂ったのですが、そう思ってパスした、同じジャッドの「ダブル・ジョバティー」は、テレビ放映時に大変気に入り、観なかったの事を後悔したもんです。前回は後悔先に立たずでしたが、今回は観たあと後悔しまくり!

まず主役のジャッドにいつもの華が感じられません。女性捜査官と言うことで、ハードな革ジャンにジーンズ、ショートカットと言う出で立ちですが、似合っていません。目の下のたるみも目立ち、若々しさの必要な役なのに、老け込んだ印象です。辣腕捜査官のはずが、2度も元彼に自宅の侵入を許したり、酒に溺れる姿はまるでアル中のようで、これで捜査に支障をきたさないのが不思議なくらい。きびきびした捜査中の様子が描かれず、心のか弱さとの対比がないので、彼女の孤独感が希薄です。

パートナー役のアンディ・ガルシアも精彩がなく、もっと謎めいていなければならないはずが、船越栄一郎が演じてもいいような、ただのいい人なのでこれも×。ジェシカを生みの親に代わり育てた、父親のパートナーだった今は市警本部長にサミュエル・L・ジャクソン。やっぱり同じジャッド主演の「コレクター」も大したことなかったですが、(!)刑事役のモーガン・フリーマンが出てくる場面だけ、映画の格が上がるように感じましたが、ジャクソンにはまだそんなカリスマ性はなかったです。

他にも「羊たちの沈黙」をちょっと彷彿させるような場面が、バッタもんサスペンスの印象を加速させ、ラストは「驚愕のどんでん返し」と謳われていますが、半分くらいで何となく犯人の目星がつくし、いよいよの場面では出で立ちでピンと来てしまいます。その殺人の理由と言うのも無理があるし、ジェシカを罠にかける動機や仕組みも「へっ???」と言う感じの強引なこじつけ。もう本当にユルユルサスペンスです。2時間ドラマでももうちょっとまし。例えるなら、「キイ・ハンター」や「Gメン75」など1話完結もので、今日は出来が悪かったなと思った感じと似ています。あぁ〜、これがカウフマンの新作かぁ・・・。ジャッドも、このままB級サスペンス女優と
なるんでしょうか?セロンに差をつけられてしまったようです。


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