ケイケイの映画日記
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2004年06月01日(火) 「下妻物語」

今日は映画の日です。「トロイ」も「レディキラーズ」もイマイチな予感がし、ちょっと気になっていたこの作品を観に、心斎橋シネマ・ドゥまで行ってきました。

最初はじまって20分くらい、えー、うっそー、これ吉本新喜劇やったん?
あのトヨエツと山崎努のビールのCM撮った(中島哲也)気鋭のディレクターが作った、イケテル若い子映画じゃないの???もうベタベタですがな、と思っていたのは束の間、知らぬ間にゲラゲラ笑い出し、乙女の日常に胸キュン(死後だ・・・)になり、またまた知らぬ間にたかだかこれくらいの内容で(!)ちょびっと感動させられると言う、さすがは1分少々の世界に生きるCMディレクター、手練手管はさすがです。

深キョンはロリータ少女・桃子ちゃん役なのですが、年齢ももう20歳を過ぎているはずだし、健康的なパワー溢れる彼女には、無理があるのじゃないかと思っていたのですが、フランス人形のような愛らしさで、ばっちりはまっていました。キャラ優先の役なので、「阿修羅のごとく」のように、う〜ん、この子好きなんやけど、もうちょっと芝居上手かったらなぁと、観客スキを与えないスピーディな演出が功を奏したようです。

ヤンキーのイチゴ役、土屋アンナちゃんはモデルだそうですが、私はこの作品で始めて知りました。下品だけど情に厚いイチゴを熱演、良かったです。モデルの彼女を見たくなりました。

桃子は外見に似合わず孤高のロリータで、人とつるまず理解されなくても、わが道を道を生きるのですが、元いじめられっ子で強くなりたくてレディースになったイチゴは、その桃子の強さに魅かれ、「顔」の藤山直美ばりに「友達て、おらなあかんの?」で生きてきた桃子が、イチゴと知り合い初めて友情の何たるかを認識するという、乙女二人が絆を強くしていく様子が、観ていて微笑ましく、元乙女の私は懐かしくも思いました。

いつものように助演で場をさらう樹木希林が桃子の祖母役で、「大きな器でなくても、綺麗な器がお前にはある。お前でなければダメだと言うことが必ずあるよ。」と、桃子に語るセリフがこの作品を首尾一貫貫くメッセージだと感じました。

原作はロマ系乙女達の教祖、嶽本野ばら。彼曰く、乙女が一番ハードボイルドだとか。それならこの映画は成功です。フリフリ・ロリロリを身にまとった、漢な乙女映画でした。


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