heute
DiaryINDEXpastwill


2004年04月15日(木) ウィーン1日目

少々周りが騒がしくなった為か、目が覚める。近くに座っていた団体客が、荷物をまとめ慌しく下車して行くところだった。窓の外に目を遣る。まだ暗い。ザルツブルクの駅だった。その後よく眠れなかった。

ほぼ定刻に西駅着。変わっていない。ロッカーに荷物を預け、地下鉄で1駅、バスで2つ目、と初めて来た時と同じルートでホステルへ。チェックインを済ませ、中心部へ直行。ケルントナー通り、シュテファン寺院周辺で、何度も4年前を懐かしみながら、日差しの優しい午前の街を楽しんでいた。オペラ座からすぐにあるスタバに行き、エスプレッソ。部屋に入ることができる14:00頃にホステルにもどり、荷物を置いてからすぐに出かける。歩いてマリアヒルファーへ。お腹が空いてきた。しかしERSTEもマクドナルドも、初日から入りたい気分ではなかった。

「シェーンブルンへ行こう」。突如思い付き、方向のはっきりしない足取りを、その瞬間に地下鉄へ向かわせた。予定はあらかじめ立ててなど居なかった。今どこに行っても、行かなくても、明日からの旅には何の狂いも生じることはないのだから。とはいえ、行動範囲はウィーン市内のみであり、網羅された地下鉄で、どこからでも好きな場所へ短時間で行くことができるのであった。乗り継ぎ、シェーンブルンへ。夕方近く、風はだんだんと冷たくなってきたが、太陽の光はまるで風景全てを、自分をも包み込むほどに広大に映り、そこに暖かさを感じた。庭の中にある、お気に入りの小さなレストランへ。ピアノの音が流れている。店の中からだった。入り口のドアを開ける。ピアノの生演奏が行われていたのだ。本当に、音楽と、自然−風の流れや、暖かい日の光に映る風景、そしてそこに溶け込んでいたい自分−との調和さえその瞬間に感じた。"Gruess gott"と挨拶を交わし、奥の窓際の、日が差し込む席に座った。レースのカーテン越しに見える、広く美しい庭、風に揺れる葉と淡い色をした花々。私は心からくつろいでいた。ゆっくりと流れていく時間に、過去を懐かしみ、今を満喫できる。また戻って来る事ができたことに心からの感謝と喜びを思った。

パンと美味しいサラダを味わってからレストランを後にする。宮殿の前を横切り帰路へ。マリアヒルファーへ出るが、逆方向に歩いていることに端まで来た時に気付く。遠回りするならと、フォルクスからカールスプラッツへ出て、H&Mで買い物をしてからホステルへ戻った。土地勘を取り戻そうと、寝る前に路線図と地図をひたすら眺めていた。移動の疲れのためと、明日からのウィーンっ子生活に備え、早めに休むことにした。

Lieber Freund,
I wish you were here with me.


川村 |MAIL