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2004年01月30日(金) 真実だけを

率直に言うと、恋多き人生を過ごしてきたかもしれない。恋をするというよりも、むしろ無闇に、無秩序に恋心を抱きやすい質だったのだ。恋と愛の違いとか、よく議論されたり、作家にも語られたりしているが、それぞれの定義などどうでも良い。今思えばあれは恋ではなかった、などと言うつもりもない。質の良い悪いはあったにせよ、その時々においては、全身全霊でその時の自分なりの恋にぶつかっていたのだから。愛とは何か、なんてわざわざ考えるまでもなく、恋をしているということはその対象に愛を見出しているわけで。気付かなかったのは、その愛と見なすものが、真の優しさからくるものなのか、あるいは単なる執着なのか。静かに、止まらない涙を流し続け、心の奥底からこみ上げる思いを抑えられない自分を認め、他人を愛することがそのにとっての幸せであり、ひいては他人の幸せが自己の幸せであると気付いた時に初めて、いわゆる本当の愛とは何かということが分かるのかもしれない。真実だと信じるものを謙虚に信じ、謙虚に生きる、それで良いのだと思う。


川村 |MAIL