サーモンピンク・フラミンゴ
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2013年06月24日(月) モノガミー vs ポリガミー

かつてワタシが所属した高校ソフト部の一部メンバで集まったこの日、地元組であるレコとヒメちゃんは夕ご飯を一緒に食べようねということになっていたらしく。
「仕事が大丈夫ならじょりぃも残ってよー☆」と、つきあいで誘ってくれましてね。
と、ワタシもひねくれたかわいげのないことをつい言ってしまうわけですが、実際のところふたりしてスナネズミみたいにかわいい目をして「一緒にごはん食べてくれればその後抱いてくれてもいい」と懇願するもんですからワタシも残ることにしました。もちろんウソですけど。

店に入って、ヒメちゃんとレコで座り、ワタシがひとり対面に座る形になりまして。
この日の途中でユーコ、レコ、ワタシでお茶したときも、なぜかですね、ワタシがひとり対面に座る形になったんですけれども。
もしかしてワタシ、体の両側が臭かったりするんでしょうか。
ってレコに文句言ってやりました。おまえどういうつもりだよさっきもワタシをひとりにしたろと。

「ちがうよー(笑) あたしさっきも最後に座ることになってさ、悩んだんだよ…」

非常にレコらしいこのコメント。

割と個性の強いソフト部メンバにあって、レコは常に一歩引いていて、口数も少なく、でもにこにこと人の話を聞いてくれる存在でしてね。
卒業後の集まりにおける出席率も高いんですが、自分が喋るということは少ないという引っ込み思案キャラでして。
ユーコも引っ込み思案ではあるんですが、一種独特のマイペース感があるため、おとなしいのに予定調和を乱すような荒くれぶりがあったりするんですが、レコの場合はいつでもホントに引っ込んで思案しているんです。
そして声が小さいし、背も小さい。150センチありません。
こんなキャラですので、もう思いっきりソフト部メンバからはかわいがられている、そんな存在がレコであります。
そーゆー性格なので、店に入って座るようなときも、ずんずんと先に座るってことがないわけですよ。
そして昼間も夜も、「しまった、どっちに座ればいいんだろう」という葛藤に苛まれるわけですよ。
ワタシはそれをわかっていて、ついついいじってしまうわけですよ。

そしてレコは滅多に怒りません。
怒るようなときにも自分の中でため込んで、そして結論をこのように出します。
「あたしが悪いのかも」と。
そしてそれを口に出せば皆「そうじゃないよ!」って加勢したりできるんですが、それすら口に出さないので、レコの怒りや悲しみ、葛藤はレコの中で静かに蓄積されていくのであります。

そしてもうひとり、ヒメちゃん。
ヒメちゃんはナナワタに出てきたことがあるのですけれども、この人は高校時代、扱いが難しい娘だったですよ。
足が速く肩が強い上に美人と、身体能力には恵まれていたのですが(最後はソフトに関係ないけど)、お父上の支配癖がものすごくて情緒不安定なところがありましてね。
家やクラスでいいこにしている分、なぜか部活ではムラッ気を発揮して、練習中でも試合中でも気分次第でおそろしいほどのやる気のなさを見せたりして。
ワタシサードで、ヒメちゃんがショートだったんですが、その日のヒメちゃんのゴキゲンを察知し、サードはもちろん、レフトとセンターの守備位置を微妙に調整するのはワタシの仕事でありました。
かようにフキゲンはオモテに出すんですが、この人も自分の感情や考えていることを人に見せない娘でありましてね。
やっぱりひとりで抱え込むんですナ。
高3のあるとき、昼休みに「部室で漫画読もう(´∀`)」とのこのこと部室に入りましたら、中でヒメちゃんが大泣きしているところに遭遇しましてね。
どうしよう!と思って「わあごめん」と出ていこうとしたら「ひとりにしないでー」っつってわあわあ泣きながら引き留められまして、
「なんかあったの?」と聞いたら「何も聞かないで!」っつって昼休み中ヒメちゃんが泣いてるのにぼーっとつきあったという思い出もあったりします。
最近になってようやっと、自分のことをソフト部メンバに話すようになってきました。

さて。このふたり。
ヒメちゃんは高校時代からつきあっていた彼と早々に結婚し、そして数年前に離婚しました。
長いことごたごたしていたのですが、そのことについて誰かが「どうしてる?」なんて聞くと
「聞いてどうするの?」
とビシッと返し、皆をびびらせていたものです。
それが先にも書きましたとおり、離婚を決めてからはぽつぽつと自分のことを話すようになってきました。
そしてレコ。
こちらはもう長いこと、夫の浮気癖に悩み、憔悴しきっております。
先に書きましたような性格ゆえ、ひとりでため込み、また、ではどうしようかというアクションも起こせぬまま憔悴している状態であります。
そしてレコもあまり自分のことをぺらぺらと話せるタイプではありません。

ということで、レコんとこどうなってんのかなーと心配しつつも、なんとなくその話題は出せずにいたじょりぃ。
だったんですが、とある場所がデートにいいんだよね的な話になったときに、ワタシがレコにわざとらしいカマをかけたんであります。

「どうだねレコたん。ダンナ様と一緒に(・∀・)楽しいよ?」とな。

「……わかってるくせにそういうこと言うんだから(笑) 意地が悪いよ」とレコ。
「じょりぃちゃんはさー、そういう意地悪をにこにこしながらするからタチが悪いよね(笑)」とヒメちゃん。
「ワタシが意地悪なのは事実だけど、今現在は仲良しかも、という前提の方がポジティブでいいかなと思ってしまったのだ(´∀`)ゆるちて」
「そんな急に仲良くなるわけないじゃん…」

意地悪とか言われながら無理矢理ワタシがカマかけてみたわけですが、この話はソフト部メンバにしかできないレコでありますから、それをきっかけにダンナの浮気癖や、ややDV傾向にあること、子どもたちも父親嫌悪していることなどぽつぽつと話し始めまして。

で、いろいろと「レコ、おまえはそれでいいのかよおおおおおお」と叫びながら一緒にベースランニング10週くらいしたくなるような話を聞きましてね。
こんなにやさしくてかわいい娘(中年だけどナ)が、もっとがっつり愛されていい良き人物が、なぜにこの状況に甘んじていなければならないのか。

…まあ、レコがそもそも「全部自分が我慢すれば…」という性格ってところにも要因はあるんですが…。

ダンナさま、「おまえも別れるなり遊ぶなり好きにしていいよ。金は入れる」と言ってるらしく。

「ならば話は簡単だ(・∀・) 経済的に不安で別れられないのならば、キミもほかに相手を見つけて楽しめばいい」とワタシ。

「えー…それはできないよ…てか、したくないし」
「あたしもその発想はなかったな。やっぱり浮気されたけど」とヒメちゃん。
「それは、社会的慣習にもとづき、ってこと?」
「ううん。気持ち的に無理。そういうことをしたいとまったく思えないんだよね」とふたり。


さて、本日ここからが本題なんですが。(前置き長ぇぇぇえぇぇえ)

「なるほど」と相づちを打ってから、ふたりにモノガミーとポリガミーについての講釈を垂れ始めるじょりぃ。
モノガミーポリガミーってなあに?という方にざっくりと説明させていただきますと、こうです。

一対一の関係が正しいとする人を「モノガミー」といい、相手が複数いても大丈夫と考える人は「ポリガミー」という。もともとは人類学の用語で、一夫多妻制 や一妻多夫制をさす言葉だったが(一夫一婦制が「モノガミー」)、主にセクシュアル・マイノリティの間で複数の相手をかけもちする関係をいうようになって いる。

上記はこちらからの引用でありまして、リンク先には非常にわかりやすい説明がなされております。
お初の方はぜひご一読いただければ。

ふたりにざっと説明した後、もう少し補足するにあたって、ワタシはいつものように、言葉が足りない分をジェスチャーで補います。
「こう、好きな人の存在があるとするね?」
と言いながら、ワタシはテーブルの上に左手を軽く握って、ぽん と置きます。
「モノガミーの場合、もうひとり好きな人ができた場合、こうなる」
と言いながら、ワタシは軽く握った左手の前に、同じように軽く握った右手を置き、
右手を手前に引きながら左手をテーブルから落とします。
テーブルに残るのは、マウスのような形をした、軽く握られた右手のみ。

「先に存在していたこの人(左手を持ち上げる)はいなくなり、この人(右手でテーブル上をコンコン叩く)が『差し替え』の形で残ると」

うなずくふたり。

「対して、ポリガミーは、こう」
最初からやり直して、まずは軽く握った左手だけをテーブルに置くじょりぃ。「好きな人ってか、パートナーがいます」

「で、ほかにも好きな人ができました、と」
と言いながら、左手はそのままに、その隣に軽く握った右手を置きます。
「対象の差し替えはない。増えるだけ。足し算だ(・∀・)」

頷かず、ワタシの手から顔を上げ、さらなる説明を求めるかのようにワタシの顔を見るふたり。

「こちらへの愛情は別に変わらないのだ」と、元から置いてあった左手でテーブルをコンコンと。

「で?」とヒメちゃん。

「ちなみにワタシはポリガミーなんだ( ^ ω ^ ) ふたりはモノガミーってことだよね?」
「モノガミーって方だね」とレコ。ヒメちゃんも同意。

「ワタシからすると、すごく不思議なんだよね。そんなにつらい思いをしていながら、そして相手への愛情も以前よりも減っているのはわかっていながら、それでもほかの人と楽しむという方向へ行かないのがさ」
「あたしにはじょりぃちゃんみたいな方が不思議だなー。頭では理解できるけど、なんていうか、『水飲んでも喉渇きっぱなし』って気分(笑)という理解。しみこんだ理解にならない」とヒメちゃん。
「だよね(笑) なぜこの話をしたかというとさ、レコのダンナ様、レコへの愛情はちゃんとあるんではないかなという話がしたかったのさ」
「そうなのーー? あたしにはその感覚はわからないな」とレコ。
「だから許せって話ではないんだよ? でも、もし愛情がなくてさびしいって気持ちが強くて、自分を卑下しちゃうようならさ、そうではないかもしれないよって言いたかったんだ」
「もしあたしに対して愛情があるとしても、ほかにもオンナがいて、そしてそういう人たち相手に年中スマホいじられているのはイヤだなぁ」
「イヤだよね。その気持ちはわかるよ。でもレコ、魅力的なんだしさ。もっと自分に自信を持ってほしいんだ(・∀・)」

ここでヒメちゃんが。

「じょりぃちゃんの言ってることはわかるし、あたしもレコちゃんには自信持って!って思うけどさ」と。
「うん」
「でも考えてみて? さっきじょりぃちゃん、モノガミーの説明してくれてるときにこうやったでしょ?」

ワタシがやったように、軽く握った左手の前に軽く握った右手を置き、後から来た右手で先にあった左手をテーブルから引き落とす動作をやってみせるヒメちゃん。

「うん」とワタシ。
「モノガミーにしてみればさ、相手がモノだろうがポリだろうが、これをやられたってことにほかならないわけよ」
「うん」
「まだ自分に愛情があるなんて思えないわけよ」
「なるほど」
「自分以外に好きな人ができた上に、テーブルから落とされてさ(笑)、もうね、ほんっっっっっっっとうに、自分に自信なんて、これっぽっちも持てなくなっちゃうんだよ」
「うん。そうそう」とレコ。
「なーるーほーどー。 実によく気持ちがわかった。自分の存在理由がなくなるような気持ちかな?」
「そうそう!それ!だって実際、テーブルから落としたでしょ、じょりぃちゃんだって
「確かに。左手、いなくなったわ」
「それが、当時のあたしと今のレコちゃんの状態。自分に自信持つなんて、いくら励まされても無理」
「そうかぁ…なんかごめんにょ(´ω`) でもふたりが魅力的なのは事実なんだ。わかってほしいんだよぅ」
「ありがとね(笑)」とヒメちゃん。
「じょりぃはでもさー、いいことしか言わないからなぁ…」とレコ。おまえネガティブだぞ(°▽°)

実はワタシの理屈からすると、「自分以外の人に自分の存在理由を委ねるって違くね?」という気持ちがないではないんですが、それでもヒメちゃんのこの説明にはワタシの毛深い心臓も「きゅぅ」っと締め付けられました。
自信持てなんて、そうだよなぁ、簡単に言うなよーと思うだろうなー。
ワタシだって、もし親からこれされたら自分の存在理由がおぼつかなくなるわ…。

そして、パパの浮気後ぐずぐずし続けていたナナのことを思って、なんか悪いこといっぱいしたり言ったりしてしまったかも…と反省モードに入るじょりぃ。
てか、ナナがヒメちゃんみたいにうまいこと説明してくれればよかったんじゃんね(・∀・) <今世界中がワタシを「人のせいにすんな!」と軽蔑した自信があります

ヒメちゃんのおかげで、自分ではイマイチわからなかった感覚を収穫できたワタシは欲が出まして、もうひとつ気になっていることもふたりに聞いてみることにしました。

「この話をしたのは、ワタシの好奇心からってのもあってさ」とワタシ。
「どんな?」
「モノガミーと思われる人は皆一様に、ふたりのように『相手が浮気したからって自分もという気持ちにはなれない』って言うんだよ」

皆一様に、とか言ってますが、ワタシの頭の中にあったのは実はナナひとりだけだったりしたんですが(°▽°)

「でさ、そういうのって、人道的にとか、自分は正しくありたいから、とかって気持ちからでなく、純粋に『そういう気持ちになれない』ってことなの?」
「うん。まったくそんな気持ちになれない」とレコ。
「あたしも」とヒメちゃん。
「じゃあもうひとつ聞かせて。たとえば相手が浮気してなくて、でも自分を愛してくれている気持ちがなんだか少ないなってのがひしひしとわかる場合とさ」
「うん」
「相手が浮気してるんだけど、変わらず自分のことはものすごく愛してくれていると感じられる場合とさ」
「うん」
「どっちがいいの?」
「えええええええええええ?」<ふたり同時に、ブーイングのように

しばし悩むふたり。

「じょりぃちゃんの質問していることを、頭では理解できるんだけど、さっきも言ったように肌で感じるように理解することができないんだよー(笑)」とヒメちゃん。
「うん、難しいよ(笑)」とレコ。
「単純な話だよ! 愛情が少なくても自分ひとりしか相手がいない方がいいか、相手が複数いても自分へ注がれる愛情がたっっっぷりの方がいいか」
「ちっとも単純じゃないよ(笑) それに、ほかにも相手がいるのに自分への愛情たっぷりってのがまったく想像つかないんだけど(笑)」とヒメちゃん。
「あたしはやっぱり、1対1がいい。安心できるのが大前提なんだー」とレコ。
「あたしは1対1で愛情たっぷりがいいんですけど…」ヒメちゃん。
「あたしだってそうだよ!(笑)」レコ。
「ワタシだってそうよ!」じょりぃ。
「じょりぃはなんか違うでしょ…」  レコ!突き放さないで!

「ポリガミーはなんかちょっとずるくない?」とレコ。

はいはい(´∀`)ナナにもよく言われたよー。

しかしアレですよ。
モノガミーってこうなんだよな、と頭では理解しつつも、それでも「ナナは特別頑ななのでは?」と思ったりしていたんですが、
こうしてふたりと話してみると、ナナが特別ってわけでは全然なさそうな気がしてきました。
なるほどなるほど。参考になります。
ナナに対して、なぜそのような目に遭ってそこまで相手を非難して嫌いになってるのに、それでも尚その相手に執着するのか、ということがワタシには理解できなくて、結果、今ナナとワタシの間には溝ができてしまっているんですけれども。(ケンカしてるとか縁切ったとかでは全然ないですけど)(それにほかにも原因があります)
ふたりがこの日、ワタシの勝手に始めた、ふたりにはあまり馴染みがないであろう話につきあってくれたおかげで「理屈ではなく、セクみたいなモンなんだな」と思えてきたじょりぃ。
それも正解ではないのかもしれませんが、「生まれ持ったセクみたいなモン」という自分なりの落とし込みは、今までよりもずっと自分の中でおさまりよく納得できるようになったのであります。

「なんでレズなの?」って言われるとホントに困ってしまうのはセクマイの皆様ならばおわかりいただける感覚だと思いますが、それと同じように「なんでそこまでパパに執着するの?」と言われても、たぶんナナやレコやヒメちゃんは困ってしまうんだろうなぁ。
「気持ちがわからん」「アホかと思うわ」とか言っちゃってね、ほんとおおおおおおおおおに悪かったよナナ!

そして、このモノガミーポリガミー論争について、もうひとつ(ワタシにとって)興味深い収穫があったのですが、これ以上長くなってしまうとウィンドウを閉じられてしまいそうなので、その話はまた次の機会にさせていただきます。

前半、長々とレコとヒメちゃんの性格についてご説明させていただいたのは、
「もしかしたらモノガミーやポリガミーって、気質的なものも起因するのかな?」とも考えたからだったのでありますが。(ナナも自分の話はせずにためこむタイプなので)
でもセクみたいなもん、だとすると、気質は関係ないわけですよね。
考えてみたら、ワタシも人に悩みを打ち明けるタイプではないしなぁ。
でもナナもレコもヒメちゃんも、典型的なモノガミーであり、我慢強いからこそ、そこにつけ込まれてパートナーが調子づいた、ってことはあるかもしれない…かな…? と、残酷めいたことも考えたりもしました。
自分への執着(あえて愛情でなく執着と言うワタシの意地悪さよ)を承知していて、そこを港としてちょろっと船を出してしまうような。
モノガミーの一途さにつけこむ、このリンク先で述べられている「無責任なモノガミー」からすると格好の餌食だったりするのかな、とか。

「無責任なモノガミー」引用↓

ポリガミーは無責任にふるまうこととは違う。モノガミー中心の多数派の中にはポリガミーに対して「浮気」や「不倫」といったネガティブな言葉しかなかったのだが、それらが本当に意味しているのは「無責任なモノガミー」なのだ。
責任あるポリガミーは、それぞれの相手を大切に扱い、独占欲も嫉妬も少ない。


ワタシは自称ポリガミーなわけですが、「無責任なモノガミー」になっていないか、常に自戒したいものであります。

なんつって。

きょんには自分がポリガミーであるとちゃんと伝えていないあたり、ポリガミーだとか無責任なモノガミーだとか抜きにして、
ナナがたまに言うとおり、やっぱり「じょりぃはずるい」のでありましょうなぁ。
しまった。こんなに自分に都合悪く文章が終わるとは思ってなかった。困った困った小股。





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