ケイケイの映画日記
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2018年04月22日(日) 「娼年」




え〜と(笑)。最初なかなか面白そうな題材だな、女性の性の深淵を見せてくれるのかしら?と思っていたら、出来は悪いとの評価が多く、どうしようかと思っていました。でも皆さん口を揃えて、松阪桃李は良かった、頑張っていたと言うので、そちらの方を信じて観る事に。もう本当に見事に評価通りの作品(笑)。監督は三浦大輔。

人生に意義が見出せず、虚無な日々を送る大学生の領(松阪桃李)。女性と肉体関係は持っても、恋愛からは身を置く領。ある日アルバイト先のバーに、静香(真飛聖)と言う女性が現れ、領を男性娼夫として、スカウトします。この誘いに、何かを感じ取った領は、静香の元を訪れ、仕事を始めます。

冒頭から、全裸のファックシーンで頑張る桃李君。以降彼の全裸がいっぱい(笑)。ミステリアスな導入から、仕事が始まるまでは、まぁいいでしょう。それ以降、何パターンか、女性たち(+男性一名)の欲望が描かれ、それに絡む領の心と体を通して、彼の成長を描いています・・・、が!どんな女性の欲望も受け入れて、あなた菩薩なんですか?と思うような領君。昨日まで「女なんてつまんない」と思っていたんでしょう?もうちょっと驚けよ(笑)。一回も客を怒らせないのも不思議。それを超えてこその成長でしょ?急にプラトンなんか、語りだすなよ。

女優さんたちもね、見事な脱ぎっぷりで、そこはすごく頼もしかったです。でも私が面白いと感じた性癖を見せたのは、脱がなかった馬渕英里何と江波杏子でした。他の人は違うシチュエーションながら、濡れ場が同じような振り付けで、延々観せられて、あきちゃった。エロスを描くのに、必ずしも裸や濡れ場は必要じゃないと言う、典型例でした。

馬渕英里何が、「中年女のこんな姿、観たくなかったら、帰ってもいいのよ、お金は払うから!」と叫んだのは、あぁわかるなーと。セックス(これもね)とは、両方が楽しまなければ、つまらないと私は思うんです。自分の知性(かなり教養も高そうな女性)に見合った男性は、みんな理解してくれないと泣くのには、痛く同情しました。愛と一緒に、セックスだって育むものだと思うから。インテリって変態が多そうなんですけどね(笑)。

彼女は変態の部類です。私は変態には寛容な方で、嫌がる他人の心身を傷つけなきゃ、自己責任で構わないと思っています。自分のセックスを人に語る機会は、あまりないと思います。受け入れてくれる人のいない悲哀、受け入れられた時の至福の笑顔。このプロットには、私がこの作品に望んでいた、性の深淵を感じました。

江波杏子には、本当に笑った(笑)。いやーもー、ご立派。私は70になっても、あんな芸当は出来そうもないけど、彼女だけでも観た甲斐がありました。一瞬「バーバレラ」を想起させるプロットでしたが、薬を使わない分、江波杏子の方がすごい(笑)。老人の性を描くと、醜悪だったり、滑稽だったりしますが、彼女のはユーモラスで楽しくて、天晴れでした。孫ほどの年齢の男と寝る女性ですが、それも冥途の土産にいいかもなぁと、不潔さを感じさせないのも、江波杏子の力量だと思います。

後半から展開や性のパターンがお安くなってきて、中には艶笑話的なものもあり、どんどん三流ポルノ風に。終盤に色々と、領の天性の娼夫性は、母との因果にあるとか、エイズとか色々出てきます。でもそれも伏線もなく(亡き母の「いい子にしているのよ」は、あれは伏線とは言いません、はい)適当にこじつけて、深味を出してみました感満載で、あれでは出汁の元にも、なりゃしない。

こんな出来で、男とまで絡まされて、松阪桃李は脱ぎ損だったかと言うと、さにあらず。全力投球して、頑張りましたね!と、健闘を労いたくなります。こんなお安い内容でも、手抜きもせず、一生懸命演じた彼あっての作品です。ポルノはポルノでもいいんですよ。ただ、心境著しい松阪桃李が、体を張って頑張ったのですから、もっと作りこんで欲しかったな。三流ではなく、一流のポルノにして欲しかったなと、すごーく残念です。

とこんな感想ですが、劇場は女性ファンで超満員。男性客は恥ずかしいかも?桃李君のファンなら、是非見てあげて下さい。


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