世界征服日記…TITAN2


世界征服日記
MAIL:HOME

My追加

2001年05月31日(木):FBI
MILETは例によって、読書に夢中だ。
今は、ハードカバーの本を読んでいる。
本にはカバーがしてあるので、
タイトルが最初は分からなかった。
MILETが居眠りしている最中に
ちょっと覗き見してみた。
「FBI心理捜査官」とかなんとか…
そんなタイトルらしい。
MILETは犯罪関連の書物が好きらしい。
自分が犯罪を犯すときの、
参考に出もするつもりだろうか?
FBIというのは連邦捜査官だとか。
USAの警察組織らしい。
日本には該当する組織はないのだろうか。
あれば、広域犯罪などに
さぞや役に立つだろう。
それとも、あの国は巨大な国土を網羅するために
そんな組織が必要なのだろうか。
俺様は警察組織は嫌いだ。
数でせめるような輩は、好きになれない。
日本の警察組織は優秀だと言うが、
日本が優秀だというのなら、その他の国は
どれほどのお粗末さなのだろう。
恐ろしいことだ。
世界から犯罪が無くならないのも
仕方ないといったところであろう。
どうでもよいが、「泥棒猫」といういい方は
好きにはなれない。
猫を悪者に仕立て上げるやりかたも、
好きではない。
まぁ、人間どもにへいこらするより
悪の道を貫いた方が余程精神的正義だろうが。




2001年05月30日(水):雨の空
午前中、どんよりと曇っていた。
今にも降り出しそうな空だ。
それなのに、いつでも頭がピーカンな
MILETは洗濯物を外に干していた。
案の定、雨に降られる。
ねじが二、三本抜けているに違いない。
雨の降る空を、俺様は見上げてみた。
濡れるのは勘弁だから、
出窓から、だったが。
見上げてみると、一直線に地面に向かって
雨粒が落ちてくるのが分かる。
自然界に直線や直角は無いという輩がいるが
それは大きな間違いというものだ。
自然にないものを、人間どもが
創造できるというのは傲りにも程がある。
その点、俺様はいたって自然に対しては
謙虚な気持ちを忘れない。
本当の支配者というものは、
自然を支配するもののことではない。
自然を味方にすることが出来るものが、
真の支配者であり、王なのだ。
俺様はそうなるべく
努力を怠らない。
俺様は観察と実験が、自然を理解する方法だと
承知している。
これからも自然を見続けることにしよう。
ところで、MILETには曇天と雨は付き物だと
教えてやった方が良いだろうか。



2001年05月29日(火):電話口
先日記述した迷惑電話について、話そう。
MILETの家には様々な電話がかかってくる。
殆どが、はた迷惑な勧誘の類だ。
MILETは友達が少ないのだろう。
主婦にありがちの長電話も
殆ど皆無だ。
もっともMILETは主婦ではないが。
一番多い迷惑電話は
伝言も何もなく、無言で切れるものだ。
そういう電話は、コールが二回と
相場が決まっている。
MILETがたまたま仕事中で、
電話の近くにいたりすると、そういう電話も
当然とってしまう。
無言電話らしい。
腹立ち紛れに、MILETが怒鳴り返さないかと、
俺様は期待しているが、
気の弱いMILETには、
そんな真似は出来ないらしい。
つまらん。
次ぎに多いのは、冒頭の勧誘だ。
「これはいわゆる資格商法ではありません」
とかいいつつ、きっちり教材を勧める電話や、
「墓地の準備はお済みですか」
という墓地分譲の電話。
はたまた、
「駅の近くに新しくマンションができました」
という、不動産勧誘。
どれも次から次へと
新手の誘い文句で、電話を掛けてくる。
MILETもいいかげん頭に来ているのだろう。
「いりません」
と一言言って、電話を切る。
しかし、こまったのは資格云々の勧誘だ。
MILETは家で仕事をしている関係で、
もしかすると、本当の仕事依頼かも、
と、ついつい相手の言葉を聞いてしまう。
俺様に言わせれば、突然電話を掛けてくるなど
あり得ないのだが。
そこが、MILETの考えの甘いところだろう。
自分でしっかり判別できないのも
悪いのだ。
詐欺に引っかかるのは、
勿論詐欺師が悪いに決まっている。
だが、その詐欺に引っかかると言うことは、
自分の中にも甘い考えがあるということだ。
くれぐれも、用心が肝要である。



2001年05月28日(月):物申す
今日はMILETがどうしても
言いたいことがあるというので、
MILETにこのスペースを開放した。
そのつもりで、読んでいただきたい。

---------------------------------------
事象が起きてから
もう、一ヶ月以上経つので
公表しても差し支えないだろう。
私はこのサイトの他にも
いくつかのサイトを運営している。
その中の一つに、友人に依頼されて
小説を寄稿しているサイトがある。
さて。
件のサイトに於いて、拙筆小説に過分な評価を
頂戴してる。いつもありがたいと思っている。
その評価の中に
「プロ作家さんだとおもっていました」
という、まことにありがたい評価を頂くことが
まま、ある。
私はプロ作家には決して向かないと思っているが、
まさに嬉しい誤解だ。
プロ作家に向かない理由は色々あるが、
もちろん、技量や根性が足りないと言うのが主たる
理由であるが…
その他に、「自分の書きたいものを書きたいときに」
書くことの出来る自由が、束縛されるのでは?
という「捕らぬ狸の…」理論が脳裏にあるのだ。
私は絶対に、自分の意に染まらぬものは書けない。
その私に一通のメールが来た。
それが、一月以上まえのことだ。
そのメールの内容は、
私には理解不能の内容だった。
どうやら私にweb小説を書いて欲しいという
リクエストメールのようだった。
だが、具体的な内容にいたっては
「エロエロでもなんでもいいので」
ということだけだったのである。
はっきり申し上げるが、
私には「エロエロ」な小説などとうてい書けない。
先に述べた友人サイトへの寄稿小説は
確かに大人向けの小説だ。
だが、私の書いたのはあくまでも官能小説であり、
「エロエロ」などと、下劣な悪評を頂戴するような
小説ではないと自負していた。
その上、そのメールには
web小説を請求しておきながら、
自分のwebサイトURLの記載もなかった。
どこで私の小説を読んだのかさえも、
記載されていない。
私は正直申し上げてかなり、腹を立てた。
人にものを頼むというのは、少なからず
礼を欠いた行為だと私は考える。
だからこそ、それ以上の失礼がないようにするのが、
普通ではないだろうか。
そう考える私が甘いのだろうか。
いずれにせよ、そのメールの送り主には
大変申し訳ないが、返答に窮したために、
未だに返信を送っていない。
以前には、私の拙筆小説を真似て、
平気な顔をして自分の書いたものだと公表した人もいた。
小説をwebで公表すると言うことは、
不快な思いも覚悟しなければならないだろう。
それは理解しているつもりである。
だからといって、事態を唯々諾々と承知するほど
私は出来た人間ではない。
最近私の小説を書く筆が鈍っているのは
そういった理由があったからである。
ある方が連載小説の続きを楽しみにしていると、
仰ってくださった。
ありがたいと思っている。
だが、今の私にはプレッシャーをはねのけて
小説を書き続けるほどの気力は残っていない。

MILET筆






2001年05月27日(日):やる気
今日、MILETのやる気指数は
どん底だったと見える。
起き出したのは午後になってからで、
起きたと思ったら、また寝てしまったのだ。
最近Macのとある機能が低下していて、
その所為でMILETはやる気を失っている。
なんでも「メモリ」が足りないので、
ソフトが強制終了されてしまうのだそうだ。
中身を整理したいらしいが、
そのためのMOがないとか。
これ以上事態が悪化しないためにも
なにも作業をしないと決めたらしい。
都合の良いことを言うものだ。
俺様は雨の日は眠くなるので、
今日は一日うつらうつらしていた。
MILETの相方は雨だというのに、
河原へオートバイに乗りに行ってしまった。
一般道を走れないバイクなど、
何の役に立つというのだろう。
帰ってきてからMILETにパンケーキを焼き、
庭でカレーを作り始めた。
ここ何週間も、日曜日はカレーである。
良く飽きないものだ。



2001年05月26日(土):真夜中
昨夜から今朝にかけて
MILETはチャットに参加していたようだ。
久しぶりの参加である。
いつも思うのだが、
キーボードで紡ぎ出される言葉が
画面を占領していく様は
なかなか興味深いものである。
次から次へと移っていく会話の内容に
いつもは愚鈍なMILETが
よくついていけるものだと、感心した。
誰にでも特技の一つや二つは、
あると言うことだろうか。
MILETはすっかり日が高くなってから
寝床に入り、起きたのは二時頃だった。
その間にも、何度も起居していたが。
土曜日の昼下がりというのは、
おかしな電話や訪問者が多いようである。
そのことは、また別の機会に話すとしよう。



2001年05月25日(金):花一輪
庭の薔薇が
また、咲き始めた。
次々と蕾が膨らんで、可憐な花弁を開く。
じっと見ていると、その様子がつぶさに観察できて
なかなか楽しい。
MILETは自らの重みで俯いてしまった薔薇を摘むと、
花器に挿した。
大輪のピンクの薔薇と、まだ蕾の小さな薔薇とを
ブルーのガラス器へ挿していく。
俺様はその様子も見ていた。
センスがいいとはお世辞にも言えない挿し方だが、
まぁ、花が土についてしまって朽ちていくよりも
ましだということは言えるだろう。
日中は日差しがきつく、まるで真夏のような暑さ。
夕方になると、今度は風が吹きはじめ、
少々肌寒いほどだった。
まだまだ天候は安定しないようである。



2001年05月24日(木):五月雨
五月というのはもともと雨の多い月だ。
「さみだれ」という言葉も
あるくらいである。
今日も肌寒いほどの天候だった。
明日からは、またぞろ暑くなるそうだ。
雷鳴が轟き、雨が激しく雨戸を叩く。
今夜はなかなかものすごな天気である。
昼間は薄日も差していたのだが…
夜になってからは、前述の通りだ。
庭の薔薇が雨に濡れて
ことのほか艶やかだった。
今日も俺様は日がな一日のんびりと
惰眠を貪った。
最近はMILETもあまりMacに触らなくなったし、
俺様と過ごす時間が増えている。
一緒にのんびりと横になっていると
何故か、俺様も満ち足りた気持ちになる。
思いも寄らないことに、
勝手に喉がゴロゴロ言うこともある。
一緒に暮らしているというだけなのに、
お互いの存在を温かいものだと
感じるようになってきたということだろうか。
これは信頼の証なのか?
MILETは気紛れなこと雌猫もかくや、
というところだが俺様に注ぐ愛情だけは
この四年間、変わらなかった。
否、より深くなっているようである。
そういう俺様もこの変わり者の同居人に
愛情を感じずにはいられないのだ。
五月雨を聞きながら、
うつらうつらと愛について考えた一日だった。



2001年05月23日(水):WWF
今日MILETたちは
テレビに釘付けだった。
なぜなら、WWFの番組があったからだ。
今日は一月に一度開かれるという、特別番組。
なかなか面白い展開の試合が開かれたようである。
その特別番組のあと、
レギュラー番組を放送していた。
そこでも、試合と言うよりもバックステージが
大変な盛り上がりだった。
俺様はそれ程興味ないが、
MILETたちは楽しそうに、テレビ観戦している。
なんで暴力行為に夢中になるのだろうか?
四角い枠の中で行われる、「安全」な暴力。
だから、観ていて楽しいのだろうか?
俺様には、いささか理解できないところである。
まぁ、だれかれ構わずに包丁を突きつける輩より
ずっと「非暴力的」ではある。
安全、安心、お約束がモットーと言うところだろう。
今日は日本の内閣が一つの決断をした日でもある。
ある病苦に悩む人々を
更に苦しめていた悪法を執り行ったとして、
国を相手に行われた訴訟があった。
それは原告側の勝訴に終わったのだが、
その判決を不服とした「国」が控訴するかどうかで
もめていたのである。
新しく内閣総理大臣になった男は、
控訴しないと決断を下した。
その決断は正しかったと、俺様も理解している。
だが、それも「国民の人気取り」だけの
ためかもしれないが。
理由はどうあれ、決めたことは決めたことだ。
これで、一応は
三十年以上に渡って、悪法を改正しなかった
ということの、非を認めたと言うことなのだろうか?
俺様だったら
そんな愚鈍な政策をしていた奴等など、
つるし上げにしてやるんだがな。



2001年05月22日(火):雨降り
久しぶりのまとまった雨である。
庭の薔薇は順調だ。
昨日咲いたばかりの白薔薇は
既に散ってしまった。
やはり、気温が高すぎたのだろう。
桜よりも命の短い花だった。
かわりに今度は、ピンクの薔薇が咲いた。
オクタビオヒルというそうだ。
まだ7分咲きぐらいだろうか。
香りは白薔薇に敵うまい。
花型は牡丹のようになるそうである。
満開になるのが楽しみだ。
最近、俺様の日記は世界征服日記ではなくて
薔薇の観察日記の様相を示しているな。
まあ、薔薇の季節は薔薇の話をしても
構わないだろう?
俺様は雨の日は、とかく眠りがちになる。
今日も庭の薔薇の様子を見る以外は
眠っていた。
MILETは久しぶりに原稿用紙を広げて、
イラストを描いていたようである。
このごろはもっぱらCGばかりを描いているが、
時折、こうして紙上にイラストを描くのだ。
その方が金になるらしい。
俺様の食事代のために、せいぜい働いて貰おう。
なんだと?
この仕事はボランティアで、金にはならんだと?!
…邪魔してやるか。
そうそう。
MILETはいつになく上機嫌だった。
ドイツへ留学している師匠から、便りが届いたのだ。
向こうでの生活は忙しくも充実しているらしい。
一時帰国するのが、おしまれるとのことだ。
あの類い希な才媛は、欧州の空気が合うのだろう。
無事と健勝を祈るばかりである。



2001年05月21日(月):タイダ
最近、夏日が続いている。
今日は曇天にも関わらず、暑かった。
庭の薔薇は白薔薇も咲いた。
なんだか難しい名前の薔薇だとかで、
情けないことにMILETは、名前を覚えていない。
ドルシティだとかなんだとか…
イタリア語だったらドルチェとでも言うのだろうか?
白い薔薇は匂いがことのほか、芳しいという。
その通り、やはり良い匂いだった。
絢爛たる花型だ。
さて。
庭では薔薇達が懸命に、その美を競っている頃、
俺様は寝床で「長く」なっていた。
こう暑くては、何もやる気になれない。
MILETは俺様が大またを広げて、
言うなれば大の字になるのを期待しているようだ。
残念ながら、俺様はいたって寝相は良い方である。
MILETの期待には、応えられそうもない。
そんなMILETは、
今日も読書に勤しんでいた。
正確に言うなれば、本を胸の上に置いて
居眠りすることに、勤しんでいた。
本も読んでいるのだろうが、
居眠りしている時間の方が、長いようだ。
時折、顔をしかめるところを見ると
例によって、持病の肋間神経痛が
顔を出し始めているのだろう。
暑くなると、神経痛が出るらしい。
まるで、年寄りのようだ。
そんなわけで最近は、
ネット離れが進んでいるらしい。



2001年05月20日(日):夏薔薇
我が家の庭に
薔薇が咲いた。
オレンジがかったピンクの縁取りのある
薄桃色の薔薇である。
夏日の日差しを受けて
まさに美を誇るかのように、咲いていた。
俺様も、間近に薔薇を眺めた。
良い香りである。
「ニコールっていうんだよ。このお花」
MILETが俺様を抱きかかえながら
花の名前を教えてくれた。
MILETとその相方が、薔薇の花をカメラに納める。
初めてこの陋屋に咲いた薔薇だ。
さぞかし、自慢して歩くことだろう。
ニコールの隣にある白い薔薇も
ほころび掛けているし、ピンクの薔薇も
今にも咲きそうだった。
明日には両方とも咲くだろうか。
俺様は不敬な輩が、俺様の薔薇を手折らぬように
いっそう監視の目を厳しくすることにした。



2001年05月19日(土):あお嵐
五月は雷雨が多いらしい。
このころの荒天は「青嵐」というそうだ。
MILETはそういう知識だけは
蓄えている。
今日、俺様たちは雷雨にこそ遇わなかったが
強風にあおられっぱなしだった。
紫外線も強く、ドライブに出かけたはいいが
少々疲れた。
左手に太平洋を望みながら
海岸線を静岡方面にひたはしる。
渋滞には殆ど巻き込まれなかったので、
快調なドライブといえよう。
着いた先は丹那断層のすぐ傍にある
「丹那牧場」というところだった。
俺様はひとり、キャリーに入れられて
クルマに取り残された。
MILETたちはそこで乳製品購入を、常としている。
そこの製品は、とても旨いとのことだ。
帰ってきて早々、
庭のバラにアブラムシがたかっているのを
MILETが発見。
すぐさま除去剤を買いに走ってしまう。
とはいえ、除去するのはMILETの相方だ。
MILETは「観察の人」を豪語するほどで
その通り、観察はするが何もしないのだ。
今日、拙宅ではちょっとしたニュースがあった。
サッカーくじこと、スポーツ振興くじの
三等が当たったらしい。
…配当金は260円だそうだ。
博打で儲けるには至らなかったようである。



2001年05月18日(金):ニガテ
俺様の嫌いなものを話そう。
俺様はMILET曰く「我が儘大王」らしい。
それ程、俺様は好き嫌いが激しいのだろう。
俺様が思うに、
嫌いよりも好きの方が多いと思うのだが。
まず、大きな音がするもの。
これは頂けない。
例えばドライヤーや掃除機だ。
ドライヤーはさほどではないが
掃除機は大が付くほど嫌いである。
興味がないわけではないが、
近づいて観察する気にはどうしてもなれない。
それから、ニオイのきついもの。
昨日も話したが、
除虫菊ムースや、一部の香水は苦手だ。
柑橘系のニオイも、好きにはなれない。
だが、夏みかんはまだ良い方かも知れない。
そして、しつこくする人間ども。
俺様を撫でたり、抱き上げたり
したい気持ちは理解できる。
だが、限度というものをわきまえて貰いたい。
こちらが「イヤだ」と言うのに
無理矢理抱き続けたり、撫でたりするのは
絶対に許すまじき行為だ。
断固として抗議する。
それを「急に襲った」だの「凶暴」だの…
とんでもない話だ。
俺様は「忠告」した。
それでも態度を改めなかったのであるから、
非は相手にあるだろう。
もっとも、俺様のことを「凶暴」だというのは
MILETの相方だけだがな。



2001年05月17日(木):除虫菊
タイトルをご覧頂きたい。
これでぴんとくる諸氏もいるのではないか?
そうだ。
俺様は今日、MILETに酷い目に遭わされた。
俺様は、滅多に外に出かけることはない。
せいぜい、ベランダや屋根の上に
一日数回、出ているだけである。
五月は外出に良い日が多いものだ。
今日なども湿気は少なく、風は涼しく
俺様にとっては
何とも過ごしやすい一日だった。
MILETは俺様の寝床を日に干すと、
その上に張りついてしまった、
俺様の抜け毛を処理していた。
そこまでは良かったのだ。
ところが、その抜け毛の中に
何かを見つけたのである。
それは、黒い小さな粒状のものだった。
「あー。ノミノミ星人になってる!」
何のことかというと、MILETはそれを
ノミのフンだと思ったらしいのだ。
とんだ誤解である。
それは埃に中に混じった、砂粒だったのだ。
しかしMILETは問答無用で
俺様に除虫菊の成分が入った
ノミ取り用のムースを塗りたくったのである。
このムースは、ニオイがきつい。
その上、舐めると非常に苦い味がするのだ。
俺様の楽しみである毛繕いも、
これではままならない。
「んー。良い匂いー」
MILETは除虫菊ムースのニオイにご満悦だ。
冗談ではない。
この、べたべたする上、きついニオイと
苦い味を全身に塗りたくられたら
そんなことなど言えなくなるだろう。
どうして、人間はこうもお節介なのだ。
まぁ、確かに、
これからはノミが横行する季節ではある。
ベランダにも風に飛ばされてきたノミが
いるかも知れない。
俺様は外に出ないが、MILETたちは外に出るし
事によったら、ヤツらがノミを持ち込むことも
あり得るだろう。
俺様を守るという名目で
MILETはあのような暴挙に出たのだ。
それが分かるからこそ、
この怒りをぶつけるわけにもいくまい。
俺様だって道理は理解しているのだ。



2001年05月16日(水):道行人
午前中は雨が降り、午後になっても
鬱陶しい湿気の多い一日だった。
こういう日は、寝て過ごすに限る。
窓の外を眺めても、動くものもない。
はなはだ退屈な、灰色の空気があるだけだ。
近所の家の庭には
真っ赤な一重の薔薇が柵に絡まり
色を添えているが、それだけだ。
午後になってからは
時折人が通るようになった。
俺様は二階の廊下の開け放たれた窓から、
道路を見下ろすのが好きである。
三十分も眺めていると
様々なものが、道を行くのを見られる。
夢中に会話する主婦連中や
上司の悪口を言い合うサラリーマンや、
遊びの約束をケータイでとっている
高校生風の男ども。
眺め降ろされているとも知らず、
彼らは歩んでいる。
今日は夜になってから
人通りが多かった。
大きな荷物を抱えた主婦達が、
ゴミ捨て場へと向かっているのである。
明日はMILET曰く「再生ゴミの日」だ。
前日の夜から捨てることが出来るらしい。
今日はざっと、まぁ…
こんな一日であった。



2001年05月15日(火):掲載誌
今日、宅配便が届いた。
いつもなら、俺様が真っ先に出迎えるのだが
今日はMILETの方が早かった。
いつもの通販商品だろうと思ったのだが、
あにはからんや、一冊の本が届けられたのである。
何かと言えば、MILETのイラストが
挿し絵として掲載されている本だ。
内容はよく分からないが…
なんでもe-mailについての著書だそうだ。
挿し絵を描くと新刊が一冊、贈呈される。
その瞬間だけは「プロ」意識が芽生えるらしい。
一冊の価格が高いので、
それをタダで貰えるのが、嬉しいそうだ。
その上、宅配便の箱には「掲載誌」の文字がある。
これでもかと言うぐらい、MILETの虚栄心をくすぐる。
原稿料が入ってくるのは当分先なのだが…
まぁ、気持ちが豊かになったことは事実だろう。



2001年05月14日(月):名探偵
ゆっくりとした一日だった。
俺様にとっては。
MILETは徹夜の挙げ句に、
朝早くから洗濯などをしていた。
天気がよいのは今日までで、明日からは
雨になると言うことだ。
だから、眠い目をこすりながら
洗濯したのだろうか。
さて。
洗濯物が青空にはためく中、
俺様とMILETは寝室にこもった。
俺様の目的は勿論、午睡である。
MILETは小説を読み出した。
最近、昔の小説を読んでいるようだ。
なんでもシャーロック・ホームズとか
そのようなものらしい。
名探偵と言われるその人物の事件簿を
読んでいるのである。
使い古されたトリックも、
その当時は新鮮で斬新なものだったとか。
時代背景を考えながらの読書も
なかなか面白いそうである。



2001年05月13日(日):母の日
良い天気の日曜日。
こんな日の、ドライブなどは
さぞや気持ちよいだろう。
しかし、MILETは相方に置いて行かれた。
俺様と二人、のんびりとした休日である。
今日は母の日だそうだ。
MILETの相方は自分の母親に
会いに行ったらしい。
確か、MILETには「バイクに乗ってくる」
とか言っていたはずだが。
MILETに気を遣っているつもりだろうか。
一緒に母親に会いに行こうと
MILETは思っていたらしいのだが…
まぁ、そんなこともあるだろう。
MILETは自分の母親には
メールを送った。
俺様の写真も貼付している。
母の日のメッセージとともに、
プレゼントということらしい。
母親とは偉大なものだ。
俺様の生みの親も
自分の子供達を立派に躾た。
人間どもを乗っ取る基本を教えてくれた。
俺様も母親の教えに背かぬよう
益々世界征服へ意欲を燃やそう。



2001年05月12日(土):つづき
昨日のつづきである。
データの紛失に焦りまくったMILETは
なんと、OSのアンインストールを
強行したのである。
正確には、OSXを「封印」したのだそうだ。
起動ディスクをOS9.1に戻し、
再起動すると見慣れた画面が現れた。
立ち上がったディスクトップに
WWFのレスラーが現れる。
いつ見ても、悪趣味な壁紙だ。
ディスクトップにデータが保存されているのを見て
MILETはほっとしたようである。
だが、その後がまた大変だった。
全てのデータが破損していないか、調べたのだ。
一体、いつになったら寝るのだろう。
と、思っていたら、夜が明けていた。
俺様は半ばから付き合いきれなくなり、
寝てしまったのだが…
MILETが寝たのは五時半だった。
俺様の朝食を用意した後、
眠りについたのである。
OSXは対応しているソフトが
まだまだ少ないそうである。
夏過ぎたら、きっとOSX対応のソフトが
出回るだろう。
そうなったら、もう一度チャレンジするそうだ。
ご苦労なことである。



2001年05月11日(金):OSX
MacのOSを入れ替えたらしい。
上手く動作せず、苛々している
MILETとその相方…
愚か者どもだな…本当に。
なんと、MILETはpostpetと仕事用の
データバックアップを怠り、
データを全て消してしまったそうだ。
呆れて、ものも言えない。
おかげでpostpetに入っていた住所録も
全て消えてしまった。
OSを入れ替えた際に、ディスクトップに
置いてあったものは全て、どこかに消えた。
OSを入れ替えるとき、データのバックアップ
というのは、基本中の基本である。
結局、OSを入れ替えたものの、
使っているのは9だ。
頭がついていかないらしい。
仕方のないヤツだ。



2001年05月10日(木):読書中
今日もMILETはだらだらしていた。
日中、なにやらMacで作業していたが、
それに飽きるとごろりと横になり、
本を読んでいた。
それも束の間、いつの間にか眠りこけている。
俺様も今日はなんだかテンションが低かった。
MILETはよく、読書中に居眠りする。
ある時は完璧に熟睡している。
今日は熟睡のようだった。
四時を回った頃、突然電話が鳴った。
その音で、MILETは目を覚ましたようである。
慌てて飛び起きると、電話のある部屋へ急ぐ。
ところが、MILETが電話を取ろうとした瞬間、
まるで見透かしたように呼び出し音は切れた。
そういうと、何度もコールしたように
思われるだろう。
だが、コールは二度だった。
最近そういう電話が増えている。
相手が誰だか分かるような装置もあるらしいが、
拙宅の電話にはそのような機能がないらしい。
MILETと俺様だけの時に限って、
そういう電話がかかってくる。
それも決まって、MILETが読書中だ。
気分のあまり良くない話である。



2001年05月09日(水):束の間
天気が良かったのは午前中だけだった。
MILETの相方は
急に休みを取った。
それとは関係なく、MILETは眠り呆けて
半日を無駄にしてしまった。
天気の良いときに午睡をむさぼる。
何事にも代え難い、贅沢な時間だ。
開け放たれた窓のカーテンが、
五月の風をはらむ。
薔薇の匂い、海の香り。
良い陽気だった。
午後からどんよりと雲が垂れ込め、
束の間の贅沢は
幕を閉じた。



2001年05月08日(火):新玩具
昨日からMILETは新しい事を始めた。
Macのディスクトップを
アイコンづくしにするという計画だ。
昨日は気に入ったデザイナーのサイトから
アイコンをダウンロードしていた。
今日は、自分でアイコンを作るソフトを
ダウンロードし、早速なにやら作っている。
新しいことに挑戦するのはよいが、
仕事はどうしたんだ。
サイト作成にはあまり関係のない技術だと
俺様は思っているのだが…
bitマップ画像が作れるということは
携帯でwebサイトを見る連中には便利なのだとか。
ま、せいぜい頑張って稼いで、
俺様に貢いで貰おう。




2001年05月07日(月):気まま
連休が終わった。
俺様にはあまり関係ないが…
MILETの相方がいない分、落ち着ける。
MILETはと言えば、いつものペースだった。
早朝に起き出すと、Macでなにやら作業する。
相方を送り出した後、
しばらくお茶を飲み、それから横になった。
俺様もMILETと共に、しばし惰眠をむさぼる。
目を覚ましたMILETは、何を思ったのか、
急に掃除を始めた。
やり出すと、徹底的なところがある。
部屋は瞬く間に家具が増え、
本が減ったようだ。
ごちゃごちゃとしていたところは
すっかり片づけられてしまった。
俺様の隠れ場所は確保したが。
だが、仕事机の上だけは手つかずだ。
配置を変えると、分からなくなるそうである。
そうういえばMILETは昨日、足首をくじいた。
それなのに、家具の配置替えなどして
大丈夫なのだろうか。
俺様も少々心配になった。
…案の定、夕方になったら足を引きずっている。
やはりMILETは愚か者だった。



2001年05月06日(日):最終日
今日で連休は終わる。
何事もなく過ぎた一週間だった。
今日、俺様は一日のんびり過ごした。
MILETたちが横浜まで遊びに行ったからだ。
天気も良いので、ゆっくり昼寝をした。
気を遣ったMILETが
二階の廊下側にある窓を開けて置いてくれたので
暇つぶしも出来た。
昨日は一日中クルマに乗っていたので、
少々疲れてしまったのだ。
だから、今日は本当の意味での
休息日だったわけである。
MILETたちは夜の7時頃、帰宅した。
なんでもWWFとやらの番組があるから、とのことだ。
WWFといっても、自然保護団体ではない。
まぁ、その辺が所詮MILETたちである。



2001年05月05日(土):端午?
端午の節句だそうだ。
一日、何もせずに過ごすことに
MILETは飽きてきたらしい。
相方に我が儘三昧言って、
ドライブに出かけることにした。
天気はあまりよろしくない。
予報では、晴れると言っていたが
天気予報など、あてにならないものだ。
箱根が混んでいるというので、
箱根をぐるりと迂回した。
着いた先は函南町というところだ。
そこに、「オラッチェ」という、
第三セクターの施設がある。
「オラッチェ」では無農薬飼料で育てた牛の
牛乳やチーズ、バターなどが売っているそうだ。
その他にも、各地の無農薬栽培野菜から作った
加工品などが手にはいるそうだ。
MILETはそこのチーズと、バターが
お気に入りなのである。
俺様はチーズもバターも食さないが…
ここのものは旨そうだといつも思う。
まぁ、思うだけだが。



2001年05月04日(金):暇潰し
MILETは閑そうだった。
日がな一日、横になって読書をしている。
それに飽きると、Macで遊んでいた。
連休だというのに、この家の者は
どこにも出かけないと決めたらしい。
もっとも、どこへ行っても混んでいるから
正しい選択なのかも知れないが。
俺様はMILETに倣って、だらだらと過ごした。
時々、サッカーをしてみたりもしたが、
何しろMILETが乗り気でなければ
面白くない。
ヤツの慌てる顔を見られなければ、
楽しみも半減するというものだ。
しかし、どうやらMILETは
暇を潰しているというよりも拗ねていると言う方が
正解のようだった。
MILETの相方が、MILETを捨て置いて
一人で遊びに出かけてしまったようなのだ。
いつまでたっても子供同然のMILETだ。
留守番も出来ないとはな。



2001年05月03日(木):庭仕事
今日は午前中、酷い天気だった。
雨は激しく雨戸を叩き、
風は唸りをあげて空を巡る。
しかし、午後になると雨が上がった。
風も吹き弱り、雲の切れ間からは
五月の水浅黄色が覗いた。
MILETの相方がいそいそと
庭いじりをしていた。
何をしているのかと、窓越しに見てみると
薔薇の苗を植えているのが目に留まった。
数本の貧弱な苗が、
雨で濡れた土に植えられている。
薔薇と言うにはあまりにも見窄らしい姿だ。
新苗はこんなものなのだろうか。
新しく植えた薔薇は3本。
しかし、MILETから物言いが付いた。
「ジュリエットが欲しい」
ジュリエット、というのは薔薇の名前らしい。
二人はその「ジュリエット」とやらを探しに
出かけてしまう。
だが、ジュリエットはなかったらしい。
その代わりの薔薇の苗をさらに3本、
購入していた。
つぼみの付いた苗もあり、開花が楽しみである。
俺様だって、花を愛でるのだ。
特に、大輪の薔薇は好きである。
果たして花は咲くのだろうか。



2001年05月02日(水):何故だ
五月である。
先日は暑かった。
そうだ。
まだ、四月だったというのに夏日だった。
ところが、である。
連休に入った途端に
毎日薄ら寒い日が続いている。
スペインでは雪が降ったそうだ。
例年は海水浴が出来る陽気だそうだが…
高知では大雨だったそうである。
地球がおかしくなっているのだろうか。
俺様は「温暖な」地球が欲しい。
だが「温暖化」した地球が欲しいわけではない。
愚劣な人間どもが
自然を打ち壊していると聞いた。
それが本当であれば、なんという暴挙だろうか。
自然を敵に回すとは。
いくら俺様でも、そんな馬鹿げたことはしないぞ。
つくづく、人間とは愚かしい生き物だ。



2001年05月01日(火):不機嫌
今日のMILETは
ご機嫌が麗しくはなかった。
理由は分からない。
むっつりと黙り込んで、本を読んでいた。
本を読んでいないときはゲームに、
現を抜かしていたようである。
今日は連休の谷間だそうだ。
MILETの相方は仕事へ出かけた。
それが気に入らないのだろうか。
そういうわけでもなさそうだが…
MILETの相方が午前中で仕事を切り上げて、
早い時間に帰宅すると、
二人は買い物に出かけてしまった。
帰ってきたと思ったら、
MILETの相方だけが、また出かけてしまった。
今日、二人は何となくギクシャクしている。
触らぬ神に、祟りなしだ。







↑vote↑
My追加